オールドレンズ カメラのナニワ 千里中央店

手元にある唯一の名レンズ(?) オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2

こんにちは!カメラのナニワ千里中央店のひらたです。

今回取り上げるのはオリンパスのZUIKO AUTO MACRO 90mm F2です。すみません、先月に続いてまたもやOLDオリンパスです。

さてこのレンズ、名機と呼ばれるものが入っていないワタクシの防湿庫の中で、「名レンズ」と呼んでも他人様から怒られないであろう唯一のアイテムです。

なんといっても、他社の100mm前後のマクロレンズの開放F値はほとんどが2.8であるのに対し(2.5ってのもありますけど)、このレンズは2。

その1段(もしくは0コンマ?段)が大きいと勝手に思っています。また名レンズと呼ばれるにふさわしく、特殊分散EDガラスと異常分散ガラス(=良いガラス)を採用することで色収差を排除するなど、写りを追求したレンズのなのであります(たぶん)。

ワタクシとこのレンズとの出会いは33年前の5月(だったかな?)。

当時京都府立高校の2年生だった16歳!のワタクシが、春休みにお菓子の卸売りの会社で一生懸命アルバイトして貯めたお金で新品を買いました。

当時の細かいことは覚えていませんが、なぜか中古を買うという選択肢はなかったように思います。(ちなみに京都の府立高校はアルバイト禁止だったのですが、もう時効ですよね)

かくしてバイト代握りしめて向かったのは、心斎橋にある(あった)カメラ屋さん、そう!

「カメラのナニワ!」

ではなくて

「〇ダカメラ」

(だって当時近くにあったト○カメラさんの方が、ナニワさんより安かったんだもん。もう時効ですよね)


ワタクシの記憶が正しければ、希望小売価格は80,000円のところ(その後値上げされました)、ワタクシの記憶が正しければ、55,000円で購入しました。当時のチロルチョコレートが5,500個買える金額です。

ところがこのレンズ、昨今のオールドレンズ流行の影響もあってか現在中古で7、8万円の値段がついています。

まあ当時と今では物価も違うので単純に比較できませんが、新品で買った価格より中古の方が高くなっている状態です。

100本くらい買っとけば、今ごろ田園調布に家が建っていたかも(田園調布ってどんなとこか知らんけど)

さてさて、先月のブログに続いてのワタクシの青春時代を回顧する無駄な時間もようやく終わりを告げます。みなさま申し訳ございませんでした。以下作例です。

※デジタルカメラで撮影した分はすべて、オリンパスE-3のカメラ内で色合いを「NATURAL」に設定し、RAWデータをライトルームにて露光量のみ調整しています。

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2

オリンパスE-3  F2 絞り優先 +1.0 ISO800 WB:太陽光

なぜ感度を800にしたのか覚えていませんが、Exif情報がそうなっているので、そうなのでしょう。

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2

オリンパスE-3  F2 絞り優先 ISO200 WB:太陽光

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2

オリンパスE-3  F2 絞り優先 ISO200 WB:太陽光

庭のスイセン。くせのないやわらかいボケ方をします。

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2オリンパスE-3  F2 絞り優先 ISO400 WB:太陽光

庭のハナニラ。花びらの上のアブラムシがシャープに描写されています。

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2

オリンパスE-3  F2.8 絞り優先 -0.3 ISO100 WB:太陽光

庭のウノハナ。つぼみの質感がよく出ています。

最近年齢とともにマニュアルフォーカスに不安を覚えるようになってきましたが、F2の明るさのためファインダーが見やすく、もう一段細かいところまでピントを追い込めます。

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2オリンパスE-3 F2 絞り優先 +0.7 ISO100 WB:太陽光

庭のハナニラ。見た目と違った色再現になりがちな紫系の色合いも、嫌味がなく自然です。

オリンパスE-3  F2 絞り優先 ISO100 WB:太陽光

庭のサルスベリ(?)ムクゲ(2020年4月21日訂正)の新芽。デジタルカメラで撮影しているからなのか、開放だとハイライト部分ににじみが出ます。

そういえば、オリンパス純正のマウントアダプターの説明書に、90mmをデジタル一眼に取り付けて撮影する際の使用推奨 F ナンバー範囲は、F4からF8と書かれていました。

こういう写りが社内の基準に達しないと判断されたのかもしれません。でもこのにじんだ感じも効果として使えそうではあります。

 

って、庭ばっかりかい!(時節柄、外出自粛です)

とか

オリンパスE-3って、フルサイズの作例はないんかい!(フルサイズのデジタル持ってないんです)

 

というご意見もあるかと思いますので、以下フルサイズ(フィルムカメラですけど)での作例です。

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2

オリンパスOM-3 F2 1/1000 コダックPRO Image100

被写界深度が浅いので、動きものの撮影には特に気を使います。ちょっと絞りたくなるワタクシの軟弱な心にムチ打ってF2で撮影。開放ですがさすがのシャープさです。

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2

オリンパスOM-3 F2 1/500 コダックPRO Image100

画面下のボケがちょっとグルグルボケっぽい?

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2 オリンパスOM-3 F2 1/2000 コダックPRO Image100

ピントの距離は3、4メートルくらいだったでしょうか。それでも遠景はやわらかくぼけます。

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2

オリンパスOM-3 F4 1/500 コダックPRO Image100

少し絞るとよりシャープに。石仏の立体感がよく表現されていると思います。ちょっと露出オーバー?

オリンパス ZUIKO AUTO MACRO 90mm F2

オリンパスOM-3 F8 1/60 コダックPRO Image100

このレンズには、近距離遠距離収差補正機構が採用されており、ピント合わせをする際に単にレンズが前後に移動するだけでなく、一部が別の動きをすることで遠距離でも近距離でも収差が少なくなるように設計されています(一般的にはその機構のことをフローティングといいます)

マクロレンズは近距離での撮影を重視して設計されたものが多く、その場合遠景の描写を多少犠牲にせざるを得ないのですが、それを解消するための機構です。

といっても、最近のマクロレンズにはほとんど搭載されているんではないでしょうか。

ということで、遠景もシャープな写りです。この写真、ブレブレ写真連発ワタクシの軟弱な心にムチ打って、1/60手持ちです。

ワタクシ、ムチ打たれてばっかりです。

「ピシッ」

「ヒィーッ!」

見た目はこんな感じ。

この写真は純正のフードを取り付けたところです。フード本体には「135mm F4.5」としか書かれていないため90mm用ではないように思えますが、これが専用フードです。

中古など探される際は要注意です。余談ですが、個人的にはツマミのねじで締め付けて止めるタイプのフードは嫌いです。

またこのレンズ、他の所でも書かれていますがZUIKOレンズにしては珍しく、絞りリングがレンズの根元にあります。

そしてそこからマウント部にかけて急に細くなっているのが写真でもお分かりいただけると思いますが、これをオリンパスOMのボディにつけると……。

OMシリーズのボディの特徴であるマウント部にあるシャッターダイヤルが、絞りリングより一段くぼんでしまうので非常に操作しにくくなります。

絞り優先のあるカメラを使っていたときはそんなに気にならなかったのですが、OM-3に使うときには結構大きなデメリットです(OM-1、OM-3Tiも然りですが、マウントアダプターを介してα7とかにつけたら全く問題ないのではないでしょうか)

あと、他社のこのころ以降のマクロレンズがレンズ単体で等倍まで寄れるものが多いにもかかわらず、このレンズは1/2倍までということも弱点といえるでしょう。

それから、ヘリコイドを繰り出した時のレンズのフォルムがビミョーなので、弊社梅田2号店のWなどカタチも気にする人の評価は低いかも(?)

でもそれらのデメリットを乗り越えてでも、ぜひ一度使ってみていただきたいレンズであります。

それではまたまた。

 

※ところで大事なことを忘れていました。今使っているレンズは33年前にトダカメラで購入した個体ではありません(いや、別に大事じゃないか)。

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