Summicron M 50/2 1st 固定鏡筒 使用レビュー

こんにちは、カメラのナニワ西梅田店のスタッフSです。
今回の商品レビューはSummicron M50/2 1st です。

前回の記事でもズミクロンを使ってまたかよとなるかもしれませんが今回は1st。
沈胴ズミクロンを固定鏡筒にしたモデルとなっております。このレンズにも前期後期
が存在するそうですが、今回使用したものはローレットの形状から前期型ですね。
(後期型は若干レンズ設計が変更されている様。後期型は距離数字が赤色になります。)

Germanyの文字と無限遠の所にストッパーが存在します。

今回使ったものはLマウントのものも存在します。
シリアルコードから今回使用したレンズの製造年度は1957年製です。

フードを装着するとこんな感じです。個人的には無い方がかっこいい気がする。
アサヒカメラのニューフェース診断室のレンズ解像度のレコードを出したレンズと
して語られている結構有名なモデルなんだとか。実際の解像度は作例と共にどうぞ。
※今回は全てフィルムで撮影しました。現像とデータ化はお店にお願いしています。

FJIFILM 業務用100/F11/SS 1/1000

ちょっとアンダー目になってしまいましたが雲のコントラストがハッキリして
ものすごい立体感をだしてくれています。ノイズがフィルムならではという感じ。

FJIFILM 業務用100/F4.0/SS 1/45

業務用100侮るなかれな写りを見せてくれました。レンズの性能も相まって
一瞬デジタルカメラで撮ったのかわからない色の出方と解像度です。
スキャナーの関係で少し荒いですが実際にプリントすると結構凄いです。

FJIFILM 業務用100/F5.6/SS 1/60

絞ると現代のレンズと変わらないくらいの描写性能。

FJIFILM 業務用100/F4.0/SS 1/15

ズミクロンのレビューの筈ですが業務用100が凄い。製造終了しちゃったので
今あるうちに使っておこうと思いました。お店の名前を照らすライトで少し
フレアがかかっていますがそれもまたオールドレンズらしい味だと思います。
ですが60年以上前のレンズでここまでフレアを抑えているのは凄まじい。

Kodak TRI-X 400/F4.0/SS 1/45

金属を撮ってみようと思い、最近購入したパソコンのマザーボードという基盤を
撮ってみました。凄まじい解像度で、データーを見たとき本当にフィルムなのか
疑うくらい解像しています。ぱっと見で見せられたらわからないと思う。

Kodak TRI-X 400/F2.8/SS 1/125

白黒フィルムで撮影するとより一層解像度が高いと実感します。
後ろのぼけ方はオールドレンズらしいぼけ方ですがいい味だと思います。

Kodak TRI-X 400/F2.8/SS 1/125

オールドレンズで見られるぐるぐるボケはない様子です。
もしかしたら今回の作例の撮影だけ出なかったかもしれません。
(沈胴型は結構ぐるぐるボケおこしやすい印象があります。)

Kodak TRI-X 400/F4.0/SS 1/60

あまりの解像度に現行レンズだと思ってしまうところがありましたが、
オールドレンズらしいフレアが出ています。ですがこれが味になって
昔っぽい感じがでてまた良い感じになっているなと思います。
隅々までしっかり解像しておりコマ収差も見られません。

Kodak TRI-X 400/F4.0/SS 1/30

これも端っこを見ればノイズが出ているのでフィルムって悟れる写真。
ですがぱっと見だとフィルムか区別できないくらいの写りです。

前回の現行ズミクロンと比較することになりますが63年前のレンズなのに
現代のレンズと肩を並べるくらいの解像力があるのに驚きを隠せません。
ライカの黄金期と言われていた時代に作られたレンズと称されるだけ、
凄まじい魅力と力を持ったレンズだと使用して感じました。
今回はフィルムのみでの使用レビューとなりましたが、一応α7IIIに装着
して試しに撮影した所5m先の1cm程の大きさの文字にピントを合わせて
撮影したところ見事に破綻することなく撮影出来ました。
デジタルの場合だと少しコントラストが控えめに撮影されますがそれも
また1つのレンズの個性として受け入れれる魅力があると思います。