皆さん重大発表です!!
嗅覚の「嗅」という字の右下は「大」ではなく「犬」だったのです!!
え?! 皆さん知ってたの? 常識? 知らなかったのはワタクシだけ?
こんにちは、カメラのナニワ千里中央店の平田です。
生まれてからあと1か月ちょいで50年、ずっと知らずに生きてきましたが(特に問題もなかった)、さっき新型コロナウイルス関連のニュースを見ていてハタと気づきました。
コロナウイルスはいろんなところに影響を及ぼしていますが、こんなところにも…(だって「嗅覚」と親戚関係にある「臭い」の「臭」の下は「大」だし…)。
と、一つ天然ボケを披露したところで、今回紹介するのはこのレンズ
ニコン AI AF DC-Nikkor 105mm f/2Dです。
このレンズの主な仕様は、
焦点距離 105mm
レンズ構成 6群6枚(+保護ガラス1枚)
最短撮影距離 0.9m
最大撮影倍率 0.13倍
絞り羽根枚数 9枚
最大絞り f/2
最小絞り f/16
フィルターサイズ 72mm
質量 約640g
そして、希望小売価格は¥162,250(税込)
といったところですが、一番の特徴は名前のうちの「DC」というところです。「DCとはなんじゃ」とこのレンズの説明書を見てみると、
ニコン独自のDC(Defocus-image Control)機能により主要被写体をシャープに保ったまま前後のボケ味を変えることができます。
とあります。
フムフム……、
「Defocus-image Control」をそのまま訳すと「焦点をぼかした映像を制御する」機能ということになるのでしょうか。
さらにニコンのホームページには球面収差をコントロールすることでボケ味を変化させるとあります。
フムフムフム………、
よくわからん!
ということで今回使ってみることにしました。
これがレンズ外観です。一見普通のレンズですが、根元の絞りリングとは別にピントリングの前にもうひとつ絞りリングのようなものがあります。
これを「DCリング」と呼び、そのリングを操作することでボケをコントロールします(と、知ったかぶりで書いていますが、説明書にそんな感じで書いてあるのです)。
以下説明書のDCリングについての記述(一部略)
被写体に対して後方のボケ味を強調する場合はR側に、前方のボケ味を強調する場合F側にDCリングを回転させます。被写体をシャープに保ったまま最大にボケ味をきれいにするには、DCリングの絞り値をレンズの絞り値と同じにセットします。DCリングを絞り値の数値より大きな数値にセットすることによりソフトフォーカス的な使い方もできます。
とあります。
私個人の意見としては、ニコンというオトナの会社が「ソフトフォーカス的な」という表現をすることにやや違和感がありますが、それは措いておきましょう。
まあ、つまりこういうことです。
上の写真ではDCリングは真ん中の位置にあります。それを回転させて、
F側の5.6にセットしました。この状態で絞り5.6で撮影すれば、被写体をシャープに保ったまま前ボケ(R側なら後ボケ)を最大にきれいにできるということです。
では、ようやく以下実写です。外出を自粛するように言われているので、ワタクシの住む豪邸に広がる庭で撮影しました。
データはRAWで撮影し、ホワイトバランスと露出はライトルームで調整していたり、していなかったりします。シャープネスやコントラストは変えていません。
以下3枚共通データ:ニコンD810/DC-Nikkor 105mm f/2D
F2 1/4000(絞り優先) ISO200 ホワイトバランス:曇天
*DCリング:F(フロント)2=撮影の絞り値が2なので、被写体はシャープに写り、前ボケがよくなる設定
*DCリング:N(真ん中の効果なしのところを以下「N」と表記します)=普通に写る設定
*DCリング:R(リア)2=撮影の絞り値が2なので、被写体はシャープに写り、後ボケがよくなる設定
違い分かりますか?
後ボケは白い花や木を、前ボケは画面右下当たりの葉を見るとわかりやすいのではないでしょうか。
上の写真は前ボケが、下の写真は後ボケが柔らかくなっているのがわかります。
続いて下の写真は絞り5.6、DCリングはNです。つまり普通のレンズとしての撮影です。
この写真の中心部を拡大します。
ここまでこのレンズのボケについてばかりお話してきましたが、3段絞っていることもあり普通に写しても十二分のシャープさです。
実はこのレンズは1993年発売といいますから、サッカーJリーグの試合が始まった年、わかりやすく言うと
けっこう前
です。
それぐらい古いと正直なところデジタルカメラにはあまり向いてないかもなあと勝手に思っていましたが、この写真だけを見ればD810の高画素にもついていけていると思います。
まあ、絞り開放では甘さも感じますし、逆光などいろんな条件下で試してみないと何とも言えませんけどね。
あ、そしてなんとなく言わずにここまで来ましたが、このレンズ現行商品なのです。27年も売られているのです!
さすがは商品をなかなか廃版にしないニコン!と思うと同時に、そんなにずっと商品を残して重荷にならないのかなあと、ちょっと心配になったりもするのでした。
さて続いて次の写真です。次はアレを試してみました。あんな書き方されたらアレも試してみたくなりますよね。
以下5枚共通データ:ニコンD810/DC-Nikkor 105mm f/2D
F2 1/2500(絞り優先) ISO200 ホワイトバランス:曇天
*DCリング:F(フロント)5.6のもう一つ先のところ(リングに印刷されたメモリは5.6までですが、実はその先にもう一つクリックがあるのです)=撮影の絞り値が2で、DCリングが5.6より大きいところなので、つまり上に書いた、
DCリングを絞り値の数値より大きな数値にセットすることによりソフトフォーカス的な使い方もできます。
そう、ソフトフォーカス的なやつです。
なかなかいい感じだと思いますが、私自身ソフトフォーカスの表現をほとんどしないので、ソフトフォーカス専門家(いるのか?)に言わせたら全然ダメとか言われるかもしれませんね。
なんせ「的な」だけですから(しつこい?)。まあ、1本のレンズで表現の選択肢が広がると思えばできるに越したことはないと思います。
でも後ろのボケはどこの国のいつの時代のレンズやねんというくらいのごちゃごちゃ感です。
*DCリング:F(フロント)2=撮影の絞り値が2なので、被写体はシャープに写り、前ボケがよくなる設定
*DCリング:N=普通に写る設定
*DCリング:R(リア)2=撮影の絞り値が2なので、被写体はシャープに写り、後ボケがよくなる設定
*DCリング:R(フロント)5.6のもう一つ先のところ=撮影の絞り値が2で、DCリングが5.6の次のクリックより大きいところなのでソフトフォーカス。1枚目の写真同様にソフトフォーカスなのですが、それと比べるとバックのボケが格段にきれいです。
といったように、ボケをコントロールできて、さらにソフトフォーカス風の撮影もできるのがこのレンズ最大の特徴です。
ところで豪邸の庭だけあっていろいろな花が咲いているでしょ。
って、おんなじ花やん!
では、いろいろなお花を見ていただいたので、
いや、1種類やし!
次は高級ペットです。
拾った猫やん!
以下3枚共通データ:ニコンD810/DC-Nikkor 105mm f/2D
F2 1/1000(絞り優先) ISO200 ホワイトバランス:曇天(RAW現像時に調整←陽が照ってきたのに変えるの忘れてたの丸バレ)
一番下が後ボケのきれいな設定です(写真一枚一枚に書くのめんどくさくなりました)。
なるほどその通りの結果ですが、じゃあ1枚目の前ボケがきれいで一番下の前ボケがあんまりきれいじゃないかといわれると、そんなに大きな違いはないように思います。
今回このレンズを使ってみて思ったのは、形が残らないほどぼけた部分ではDCの効果はわかりにくいということです(当たり前?)。
※今回撮影した際も、最初は他社製の中間リングをつけて接写をしてみたのですが、接写だとボケが大きすぎてその効果がわかりづらくなるケースが多くありました。
あと説明書には、
円形に近い形状の絞り羽根を採用しているため自然なぼけ形状が得られます。
ということも書かれています。さすがボケにこだわるレンズです。
上の写真はF8(だったかな?)に絞った状態。
ところでこの写真、ある理由があってレンズを腿にはさんで撮影しています。ちなみに左右のグレーは、記憶が間違ってなければアルマーニのスウェットです。
記憶が間違っていたらユニクロのスウェットかもしれません。
では、さっそく実写です。
データ:ニコンD810/DC-Nikkor 105mm f/2D
F5.6 1/15(絞り優先) ISO800 ホワイトバランス:晴天
愛車ランボ○ギーニのコックピットから撮影しました。あー、内装が普通のと違っているのは、特注でホ★ダライフの内装に交換してもらったからです。
うーん、話がそれがちになってきました。すみません、大変反省しています。絞り5.6でも丸ボケは丸いまま、形が崩れません。あ、でも絞りを開ければ口径食は出ます。
このご時勢でいろいろな作例を撮ることができず、あまり参考にならないかもしれませんが、このレンズの写りはいかがでしたでしょうか。
随所にボケへのこだわりが見えるこのレンズ。ボケにこだわる方にはぜひ一度お試しいただきたいと思います。
ではでは、またまた~。
※D3000番台、D5000番台、D40、D60などでは、マニュアルフォーカスのみとなりますのでご注意ください。
さあ、記事も書けたしアップするぞというところで、
皆さん重大発見です!!
先月のレモン社横浜店のブログでAI AF DC-Nikkor 135mm f2Dが取り上げられているではありませんか。
危うくまる被りするところでした。いや、別にまねしたわけではありませんよ。
焦点距離は異なりますが、たくさんの作例もありますので、そちらのブログもぜひご覧ください。
それでは、ホントにさようなら~。