FUJIFILM GF670 Professional 使用レビュー 【コンパクトな蛇腹中判カメラ】作例付き

好きな人のタイプが人それぞれで異なるように
好きなカメラも異なる。
アタクシはどうもシルバークロームの梨地メッキがタイプである。
ブラックペイントの艶あり、艶消しなどもかっこいい。
しかし、どうもシルバーに引き寄せられてしまう。
今回ご紹介するカメラもブラックとシルバーの二種類存在するが
圧倒的にシルバーが好きである。

そんな梨地メッキブログがこちら

伝わりますか?この質感

最高にかっこいいです

そんなGF670を掘り下げていきたいと思います。


【ざっくりとしたスペック】

発売年

2009年発売
シャッター

電子制御式レンズシャッター B,4秒~1/500秒
(絞り開放からF4まで最高1/250秒、F5.6以上のとき1/500秒)

ファインダー

二重像合致式距離計内蔵採光式ブライトフレーム
ファインダー倍率0.7倍
パララックス自動補正
6×7cm/6×6cm判自動切り替え

撮影レンズ

EBC フジノンレンズ f=80mm 1:3.5
4群6枚構成
F3.5~F22

距離合わせ

手動式直進ヘリコイド
0.9m~∞

ざっくりまとめると6×7判と6×6判を切り替えて使うことができるコンパクトな
折り畳み式中判レンジファインダーカメラです。
その使いやすさを掘り下げたいと思います。


【使いやすさが半端ねぇ】

上でお伝えしたことと重複したりしますがご了承を、、、

まずは

シャッタースピードダイヤルまわり

シャッタースピードが4秒から1/500秒まで使用可能。 ISO25~3200まで1/3刻みで変更可能。 露出補正は±2まで、Aを設定したい補正値に合わせます。

このカメラは絞り優先オートモードが使用できることが
半端ねぇ使いやすさの一つです。
露出補正もわかりやすく、ISO感度の設定もダイヤルを引き上げて回すだけです。

絞り

絞りはF3.5~F22まで手動で設定します。
絞りは絞り値を設定するとそのまま設定した値に変更される機械式です。

ピント合わせ
直進ヘリコイド式ですので、
ピントリングを回すとレンズが前方に繰り出します。

電源のオン・オフ


GF670は前カバーを開くと電源が入ります。
カバーを閉めると電源が切れます。
すごく単純で使わない状態にするとOFFで
使おうとするとでONになる仕組みです。
注意点として、
ピントリングを無限遠に合わせないと
前カバーを閉めることができません。
必ず無限遠に戻してから閉めましょう。

6×6判6×7判切り替え

6×7判に設定している状態。

6×6判に切り替えた状態。

6×7判のときのファインダー内。

6×6判の時のファインダー内。

1円玉などで切り替えるだけです。
6×6判に切り替えると左右から遮光幕が現れ、面積を正方形に変えます。
切り替えに伴いファインダー内のブライトフレームの形状も変わります。
6×6判と6×7判でスタートマークに位置が違うので要注意です。
また、フィルムを装填する前でなければ、切り替えることができませんので、
ご注意ください。

パララックス自動補正

ピントの位置が無限遠の状態。

ピントの位置が0.9m(最短撮影距離)の状態。

レンジファインダーカメラですので、最短撮影距離に近づくほど、
覗いているファインダーのブライトフレームが示す範囲
レンズが写す範囲に差が出てきます。
それをパララックス(視差)と言います。
その差をなくすために、
ファインダー内のブライトフレームが自動で動く機構があり、
それをパララックス自動補正と言います。

上の画像二つを見比べてもらうとわかるとおもいます。
一枚目の写真の上にあるブライトフレームの横線と左側にある縦線の位置が
二枚目の写真と違う位置にあることがわかると思います。

最短撮影距離になれば写る範囲も狭くなるので、
ファインダー内のブライトフレームも連動して動き、
写す範囲を小さくします。

EBC FUJINON LENS

4群6枚の対称型構成で、めちゃめちゃ優秀なレンズです。
歪みを感じることなく、解像力が高く、クリアでシャープな写りです。
現行のXマウントのSUPER EBCレンズや
GマウントのGFレンズといい勝負すると思います。
このレンズを限定でGマウントかXマウントで発売してほしいと思います。
あのローライのように、、、

あとレンズシャッターのシャッター音がめちゃめちゃ静か!
撮ったことに気づかない人がほとんどなくらい。


【作例】

※GT-X830でデータ化をしました

【NEOPAN 100 ACROSS Ⅱ】

F/5.6 1/125秒 ISO100 まずは一番好きな写真から。67フォーマットにおけるF5.6が好きすぎて多様しています。シンプルに日の丸構図で中判ならではの立体感です。

F/11.0 1/500秒 ISO100

F/11.0 1/60秒 ISO100 最短撮影距離で撮影しました。11まで絞ってはいますが、最短ですのでボケは残ります。

F/8.0 1/60秒 ISO100 雪柳にピントを合わせ撮影しました。この距離感でもこの立体感。素晴らしいです。

F/11.0 1/125秒 ISO100 F11まで絞りパンフォーカスで撮影。細部までしっかりと写してくれます。

【T-MAX 100】

京都は荒神口にあるPINTさん。日々の生活に欠かせない衣食住に関わる商品を置いているお店です。店主のチョイスが素晴らしく、質の高い商品がたくさん並んでいます。

手前は靴、奥は食器、2月初旬のこの日は靴の受注会が開催されていました。手前の黒いブーツは黒潰れすることなく耐え、奥のハイライトも飛んでおらず、中判の階調の豊かさを感じます。

最短撮影距離0.9mで撮影しました。35mm判換算約40mmですので、空間が生まれます。

絞り開放F3.5で撮影。茶筒にピントが合っているようで合っていません。木製の棚の一部分にだけピントが合っています。絞り開放は特にシビアになってきます。

写った本人にこの写真を送ると、「下の袖出過ぎやわ」とメッセージが来ました。 たしかにそうだね~♪ もちろんポートレートにも使用できます。

【PORTRA 400】

全然撮らなくていい状況において撮影。それゆえ絶妙な面持ちです。おそらくF8で撮影。

勉三さんの笑顔がステキです。使用するフィルムにもよりますが、シャープでいい写りで、鋭過ぎないところがまた良いです。

逆光ゆえにコントラストがやや低下、ハレーション?っぽいのも見受けられます。ただ、これが逆に柔らかくていい雰囲気を醸し出しています。

換算40mmの焦点距離がこの状況ではよかったです。T-MAX100で撮影した状況から、少し時間が経過しています。 絶妙なコントラストと彩度、、GF670とPORTRA400の相性がよいです。

画面中央の靴の浮き出るような立体感がすんばらしいです。。。しっかりシャープに写っていて文句なしです。

呉織・漢織(クレハトリ・アヤハトリ)で有名な地の駅です。めーっちゃいい光が差し込んでいたので思わず撮影しました。

F/3.5 1/250秒 ISO400 夕方の逆光、なんか綺麗だったので撮影しました。開放で被写界深度薄いです。合焦部のシャープさは素晴らしいです。

冬の鴨リバーです。15時か16時ぐらいだったかな?おそらくF11で撮影。文句なしにしっかり写っています。

6×6で撮影。おはよう世界グッドモーニングワールド そんな午前5時台 ホワイトバランスが若干青に寄っている気がします。描写力はすさまじいもので、電線の奥にあるマンションもしっかり見えます。。たぶんF11

F/5.6 1/60秒 ISO400 昭和な建物の一室で撮影。おそらく最短撮影距離.。ディフューズされた光とポートラの落ち着いた発色が最高の組み合わせになってます。6×6で撮影。

春の午後、一番気温が上がる時間帯。日差しが強く、かなりオーバーになってしまいました。しかし、極端にコントラストが低くなったりすることはなく、描写力は保ったままです。さすがレンズが新しいだけあります。6×6で撮影。

F/8.0 1/500秒 ISO400 桜と影が美しい一枚。穏やかな晴れた日でした。

F/8.0 1/125秒 ISO400 まだ桜がチラホラとしか咲いていないころ。天候は曇天。ごっついカメラではあるが、シャッター音が非常に静かなので、スナップは撮影しやすい。

F/11.0 1/125秒 ISO400 箕面の滝です。もう少し広角で撮影したいのが本音、GF670Wが欲しくなる場面でした。シャドウの部分のしっかりとした描写力が魅力的です。

F/5.6 1/60秒 ISO400 色被りが気になりますが、大自然に囲まれているゆえご容赦を。5.6でこの距離感での撮影でこの描写は素晴らしいと思います。

F/3.5 1/60秒 ISO400

F/3.5 1/125秒 ISO400 絞り開放最短撮影距離でハイライトに露出を合わせました。開放は独特のまろやかな雰囲気があります。

F/3.5 1/30秒 ISO400 室内での絞り開放の雰囲気がキツすぎず、柔らかすぎずとても良い描写だと思います。

【EKTACHROME E100】

F/11.0 8秒 ISO100 忘れもしない3月の寒い日の夜。三脚を立てて撮影したときのことを。まるでデジタルのような写真。リバーサル最高!

F/11.0 120秒 ISO100 街灯の位置が真正面にあり、逆光状態での撮影。それゆえ青色のゴーストが発生しております。

F/11.0 60秒 ISO100 こちらも三脚で1分露光しました。ゴーストは免れないようです。 奥の家の描写がクッキリと素晴らしいです。

F/11.0 1/125秒 ISO100 この日の天気は晴れながらも霞んでいたので、奥の方まで綺麗に見えなかったことが残念でした。それでもすごくよく写っていると思います。

F/11.0 1/125秒 ISO100 発色、コントラストともに申し分なし。

F/11.0 1/250秒 ISO100 大阪の北の田舎の方。そこには田んぼが広がっており、新鮮な光景でした。


いかがでしたでしょうか?

GF670は中判カメラの中では、発売されて間もない機種です。
それゆえに中古品の動作は安定しているものが多く、信頼できるカメラです。

また、このブログを執筆している時点(2020年8月)
FUJIFILMのホームページの修理受付機種にGF670が掲載されていますので
今のところは安心して使用することができます。

まとめると
・ファインダーが明るく見やすい
・絞り優先オートが使える
デザインが秀逸
・フォーマットを切り替えれる
・6×7判としては軽くてコンパクト
・レンズの写りも文句なし

操作性抜群で写り良しって、
なんてステキなカメラなんでしょうか?