たまに大口径レンズを使いたくなる。
ここでいう大口径はF1.4以上。
現行品のAFが効くF1.4のレンズはとにかく重たくてデカい。
フルサイズ用はどうしようもなく重たい。
もちろん、「ガタガタ文句言うなら使うな!」というような意見も
重々承知しておりまする。
そんなレンズには飽き飽きしている今日この頃。
昔のMFレンズの50/1.4なんかはボディバランスが良く
重たくもないので、とてもよくできていると思う。
F1.2にしてもフィルム一眼レフであれば、
バランスは大きく崩れることはない(フラッグシップボディに限る)。
フィルムカメラの魅力を感じる部分は多くあるが、
今回述べたことも魅力の一つであるとあたし思うんよ。
ここで述べたことを0か100で捉えないでね。
極端すぎる思考は不利に働くわよ。
賛否両論あってええもんやから。
こんなご時世やさかい、柔軟に生きていきましょ。
どの立場からもの言うとんねんって話ですな。
はい、前説終わり。
今回は W-NIKKOR 2.8cm F3.5 ニコンSマウントをご紹介します。
【ざっくりとしたスペック】
今回はニコンSマウントのみの解説です。
ライカスクリューマウント(Lマウント)ではございませんので、悪しからず。
このレンズはクロームとブラックの二種類が存在し、
先にクロームタイプが登場しています。1956年に軽量化されたブラックが登場。
距離指標がm(メートル)とfeet(フィート)表記が存在してます。
【作例】
【FUJICOLOR PRO400H】
11月3日高野山で撮影しました。金剛峯寺というところで、オンラインからもブログを上げていただいている場所です。良くも悪くもあっさりとした印象。コントラストも高くも低くもない。色乗りも悪くない。基本に忠実な印象です。
F11.0、フードなしで撮影。絞っているのでゴーストとフレアの出方は抑えられています。
F8.0で撮影。清々しく晴れた空と木々の彩りが美しいと思う1枚。この絶妙なコントラストが良きです。
前日が一日中雨だったため、地面には葉が落ちカラフルな絨毯が出来上がっていました。 ただの遠景描写ですが、光と影がカラフルで忠実さに惚れます。
前日の雨でほとんどのイチョウが落葉してしまったのがわかる写真。 地面に寝そべり真上を撮影しました。青と黄色がとてもきれいです。
【SUPERIA X-TRA400】
レンジファインダー用で出っ張りが薄く扱いやすい反面油断をしていると指の写り込みが起こります。まさにレンジファインダーだから起こりえることだと思います。
最短撮影距離の指入りで撮影。指を入れない合理的な方法が一つあります。純正のフードを手に入れることです。しかしそのフードを手に入れる難易度が高すぎて諦めがつくレベルです。指を入れないように構えることを意識しましょう。
指どころか大指が入ってしまった写真。何かのはずみでシャッターが切れたとしてもこの位置に指があることがおかしい。記憶がまったくないので思い出せません。
フィルムシミュレーションのクラシックネガのような雰囲気。例え方が逆ですが、、、それだけこのレンズは見たままに写してくれるし、クラシックネガっぽいと思わせるフィルムシミュレーションもすごいです。
【SUPERIA Venus800】
F/3.5 SS1/30秒 ISO800 あえて絞り開放で遠景描写。周辺光量減光は避けられません。しかし解像力は悪くなさそうです。
F/3.5 SS1/125秒 ISO800 開放3.5、距離が開けば開くほど、被写界深度が浅くなります。 このわずかな立体感と絶妙なボケ具合が優等生レンズの味だと思います。
F/11.0 SS1/500秒 ISO800 実に清々しい写真。誇張されることなく実直に写してくれます。
F/3.5 SS1/30秒 ISO800 神戸の折角堂さんで撮影。閉店間際に人でわんさかしておりました。写真右半分にゴーストのような謎の光が入りました。光線漏れには見えないですが、これがゴーストなのかは定かでないです。
F/3.5 SS1/30秒 ISO800 開放ですが、まったくクセを感じず、程よい描写とパースです。手前から竜崇縫靴店が作った象革のブーツ(別注)とTrial HI-01の色違い二色。ちなみにナニワYouTubeのロケであたくし履いているブーツも竜崇縫靴店が作った物です。彼らは最高の職人です。
F/3.5 SS1/30秒 ISO800 ビルの踊り場の窓から外に向かって撮影。「ただただ忠実に」という印象。
F/3.5 SS1/30秒 ISO800 眼鏡屋さんだけど、いろんな催しをしています。
F/8.0 SS1/250秒 ISO800 この雰囲気たまらんですね。いささかアンダーで素直に写してくれた様がオシャレ汚くていいです!!
【T-MAX P3200】
F/3.5 SS1/30秒 ISO800 先ほど紹介した竜崇縫靴店の工場での撮影。まるで戦前の写真。程よい立体感と絶妙な描写力で人肌を解像します。
F/3.5 SS1/30秒 ISO800 この写真を撮ってからP3200のことがもっと好きになった。粗々しい粒子が立体感を与え、このレンズの硬すぎず軟らかすぎない描写が見事にマッチしている。
F/3.5 SS1/30秒 ISO800 味わい深い写真。忠実な描写性能とP3200の特性の相性が抜群です。
F/3.5 SS1/30秒 ISO800 こういう状況において、このレンズはシャドウに情報を残してくれます。この粘りが魅力的です。
F/5.6 SS1/30秒 ISO800
【お酒が飲めるカメラ】バルナックライカってなんやねん という弊社YOUTUBEの撮影現場です。昔の記録写真っぽさがあっていいですね。
【TRI-X 400】
油断をすると写真右下のように指が写ります。それだけ撮影に集中してるという証ですね。 流石はTRI-X、しっかりと写してくれます。
全体的にアンダーですが、シャドウの情報は結構残っています。 そういうレンズは好かれる傾向がありますよね。
鏡の世界も、現実世界も同じようにしっかりと描写されています。
3.5cm F1.8は遠くの方まできっちり写してくれましたが、こちらはそれに少し劣るぐらいです。まぁ比べることは酷ですがね。
たまにパッと見たときにシャキっと見えるギャップ萌え要素もあります(単純な視力の低下)。
モザイクをかけずとも、マスクを口から目にスライドさせればプライバシーを保護できる時代となった。こうなった経緯の本当の理由は笑ってるかどうかわからなかったのでマスクをスライドしてもらい撮影しました。めーっちゃ笑っていました。
井尻珈琲焙煎所さんで撮影。1秒か1/2秒で撮った記憶があります。三脚を立ててじっくりと露光して使ってみたくなるレンズ。ゆっくりと像が浮かび上がってくるところを考えるとたまらんです。
いかがでしたでしょうか?
ニコンSマウントの広角レンズの中では手に入れやすいレンズです。
それ以上広角だと製造された数の少なさから
値段が跳ね上がってしまうため、よほどの理由がない限りは
2.8cmをおすすめします。
また、SP以外のボディだとファインダーにフレームが入っていないので、
外付けファインダーを用意する必要性があります。
当時の純正クロームのファインダーはいささか見づらいので、
旧製品ですが、Voigtlander製の28mmメタルファインダー(シルバーとブラック)や、
OEMのコンデジ用NH-VF28(フレームは4:3)が見た目的におすすめです。
あとはGRレンズのスクリューマウントの付属品とかかな。
手に入れやすさでいうとVoigtlanderのプラ製とかシグマやGRデジタル用の外付けファインダーかな?、、と結構28mmのファインダーは多いです。
そしてこのレンズのフードは見つけることがとても難しいです。
どこにあるの!!!!(血眼)
いやちょっとマジでホンマに見つからへんから困ってんねん。純正フードさえあれば指も入らんし、遮光できるし見栄え良くなるしで良いことしかあらへんのに、そのフードのハードルがエグいねん。
っていう感じで本当に見つからないです。
純正フードと一緒に買うことを推奨したいけど、無理過ぎて笑えてくるもんな。
まぁそんな感じで、素直な描写をすることをお伝えしたいけど、
それ以上に純正フードがなくて需要と供給に見合ってないことを言いたかったブログでした。