たまに大口径レンズを使いたくなる。
ここでいう大口径はF1.4以上。
現行品のAFが効くF1.4のレンズはとにかく重たくてデカい。
フルサイズ用はどうしようもなく重たい。
もちろん、「ガタガタ文句言うなら使うな!」というような意見も
重々承知しておりまする。
そんなレンズには飽き飽きしている今日この頃。
昔のMFレンズの50/1.4なんかはボディバランスが良く
重たくもないので、とてもよくできていると思う。
F1.2にしてもフィルム一眼レフであれば、
バランスは大きく崩れることはない(フラッグシップボディに限る)。
フィルムカメラの魅力を感じる部分は多くあるが、
今回述べたことも魅力の一つであるとあたし思うんよ。
ここで述べたことを0か100で捉えないでね。
極端すぎる思考は不利に働くわよ。
賛否両論あってええもんやから。
こんなご時世やさかい、柔軟に生きていきましょ。
どの立場からもの言うとんねんって話ですな。
はい、前説終わり。
今回は W-NIKKOR 2.8cm F3.5 ニコンSマウントをご紹介します。
【ざっくりとしたスペック】
発売年 | 1952年9月 |
焦点距離 | 2.8cm(28mm) |
F値 | 3.5~22 |
最短撮影距離 | 3フィート(0.9m) |
重さ | クローム=約142g、ブラック=約97g |
レンズ構成 | 4群6枚(オルソメタータイプ) |
今回はニコンSマウントのみの解説です。
ライカスクリューマウント(Lマウント)ではございませんので、悪しからず。
このレンズはクロームとブラックの二種類が存在し、
先にクロームタイプが登場しています。1956年に軽量化されたブラックが登場。
距離指標がm(メートル)とfeet(フィート)表記が存在してます。
【作例】
【FUJICOLOR PRO400H】
![W-NIKKOR 2.8cm F3.5 + FUJICOLOR PRO400H](https://www.cameranonaniwa.co.jp/home/wp-content/uploads/2020/11/0004_original.jpg)
11月3日高野山で撮影しました。金剛峯寺というところで、オンラインからもブログを上げていただいている場所です。良くも悪くもあっさりとした印象。コントラストも高くも低くもない。色乗りも悪くない。基本に忠実な印象です。
![W-NIKKOR 2.8cm F3.5 + FUJICOLOR PRO400H](https://www.cameranonaniwa.co.jp/home/wp-content/uploads/2020/11/0025_original.jpg)
少しは寄って撮らないければと思い色づいた葉に寄り、F8.0で撮影しました。先月レビューしたW-NIKKOR 3.5cm F1.8より解像度は落ちますが、適度な解像度です。
【SUPERIA X-TRA400】
![W-NIKKOR 2.8cm F3.5 + X-TRA400](https://www.cameranonaniwa.co.jp/home/wp-content/uploads/2020/08/FH000035.jpg)
最短撮影距離の指入りで撮影。指を入れない合理的な方法が一つあります。純正のフードを手に入れることです。しかしそのフードを手に入れる難易度が高すぎて諦めがつくレベルです。指を入れないように構えることを意識しましょう。
【SUPERIA Venus800】
![W-NIKKOR 2.8cm F3.5 + SUPERIA Venus800](https://www.cameranonaniwa.co.jp/home/wp-content/uploads/2020/09/000017.jpg)
F/3.5 SS1/30秒 ISO800 神戸の折角堂さんで撮影。閉店間際に人でわんさかしておりました。写真右半分にゴーストのような謎の光が入りました。光線漏れには見えないですが、これがゴーストなのかは定かでないです。
![W-NIKKOR 2.8cm F3.5 + SUPERIA Venus800](https://www.cameranonaniwa.co.jp/home/wp-content/uploads/2020/09/000009.jpg)
F/3.5 SS1/30秒 ISO800 開放ですが、まったくクセを感じず、程よい描写とパースです。手前から竜崇縫靴店が作った象革のブーツ(別注)とTrial HI-01の色違い二色。ちなみにナニワYouTubeのロケであたくし履いているブーツも竜崇縫靴店が作った物です。彼らは最高の職人です。
【T-MAX P3200】
【TRI-X 400】
![W-NIKKOR 2.8cm F3.5 + TRI-X 400](https://www.cameranonaniwa.co.jp/home/wp-content/uploads/2020/08/000070380031-scaled.jpg)
モザイクをかけずとも、マスクを口から目にスライドさせればプライバシーを保護できる時代となった。こうなった経緯の本当の理由は笑ってるかどうかわからなかったのでマスクをスライドしてもらい撮影しました。めーっちゃ笑っていました。
いかがでしたでしょうか?
ニコンSマウントの広角レンズの中では手に入れやすいレンズです。
それ以上広角だと製造された数の少なさから
値段が跳ね上がってしまうため、よほどの理由がない限りは
2.8cmをおすすめします。
また、SP以外のボディだとファインダーにフレームが入っていないので、
外付けファインダーを用意する必要性があります。
当時の純正クロームのファインダーはいささか見づらいので、
旧製品ですが、Voigtlander製の28mmメタルファインダー(シルバーとブラック)や、
OEMのコンデジ用NH-VF28(フレームは4:3)が見た目的におすすめです。
あとはGRレンズのスクリューマウントの付属品とかかな。
手に入れやすさでいうとVoigtlanderのプラ製とかシグマやGRデジタル用の外付けファインダーかな?、、と結構28mmのファインダーは多いです。
そしてこのレンズのフードは見つけることがとても難しいです。
どこにあるの!!!!(血眼)
いやちょっとマジでホンマに見つからへんから困ってんねん。純正フードさえあれば指も入らんし、遮光できるし見栄え良くなるしで良いことしかあらへんのに、そのフードのハードルがエグいねん。
っていう感じで本当に見つからないです。
純正フードと一緒に買うことを推奨したいけど、無理過ぎて笑えてくるもんな。
まぁそんな感じで、素直な描写をすることをお伝えしたいけど、
それ以上に純正フードがなくて需要と供給に見合ってないことを言いたかったブログでした。