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オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS 使用レビュー

こんにちは。カメラ担当の池田です。

さて今回は、9月11日発売予定のオリンパスの新製品レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」の使用レビューをお届けいたします。

このレンズはマイクロフォーサーズ用ですので、35mm換算で200~800mm相当の超望遠ズームレンズとなります。

今まで、オリンパスのレンズは300mmが一番望遠でしたので、400mmが欲しいという方はボディがオリンパスであってもパナソニックの100-400mmを使用しているという方も多いのではないでしょうか。

このレンズの登場により、超望遠を含めてオリンパス製品だけでシステムを組むことが可能となりました。

またオリンパスの100-400mmには、PROレンズ用として発売されたテレコンバーターも使用可能で、2倍テレコンのMC-20を装着すると、35mm換算で400~1600mmと驚異の望遠レンズになります。

 

ここからは、この「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」の魅力を作例写真とともにご紹介していきたいと思います。

 

主なスペック

  1. 最短撮影距離はズーム全域で1.3m
  2. 最大撮影倍率は400mm側で0.57倍相当(35mm換算)
  3. 手ブレ補正機能搭載で約3段分の補正効果
  4. 絞り羽根9枚の円形絞りを採用
  5. 保護等級1級(IPX1)の防滴性能
  6. 質量 1,325g(三脚座含む)/1,120g(三脚座除く)
  7. レンズ口径 72mm

 

以上が主なスペックとなります。

ここで気になるのが同じ焦点距離のパナソニックの100-400mm F4.0-6.3との重量差。両方ともレンズ口径は同じ72mmですが、三脚座を除く重量が、パナソニックは985g、オリンパスは1,120gとパナソニックに軍配があがります。また、レンズの全長、最大径も少しだけパナソニックが小さくなっています。

でも、重量やサイズ感で写真を撮るのではありません。私が所有している富士フイルムのXF100-400mmは1,375g(三脚座除く)もあります。このサイズで800mm相当の超望遠になる事を考えると、それほど重くも大きくもないのです。実際、E-M1 MarkIIIに装着するとバランスは良いように感じました。

ここからは作例をご覧くださいませ。

 

作例

1/400秒 F10 ISO800 400mm(35mm換算800mm相当)

1/100秒 F14 ISO800 800mm(35mm換算1600mm相当) ※MC-20使用

超望遠レンズという事で、満月に近い月を撮影してみました。

1枚目は400mmで撮影。2枚目は2倍テレコンバーターMC-20を装着して撮影しています。

400mmでも35mm換算で800mm相当になりますので、月のクレーターがハッキリ確認できるくらいの大きさで写ります。

さらにテレコンバーターを取り付けることで、35mm換算で1600mm相当の超望遠レンズとなり、大迫力の写真を撮ることができます。写真をご覧いただければわかりますように、トリミングなしでこの大きさで写すことができるのです。

テレコンバーター使用時の注意点としまして、開放F値が暗くなってしまう事です。2倍テレコンバーターを装着した場合、望遠側での開放F値はF13となってしまいます。

 

1/500秒 F8 ISO200 400mm(35mm換算800mm相当)

1/500秒 F13 ISO200 800mm(35mm換算1600mm相当) ※MC-20使用

今度は太陽を月で撮ったのと同じように撮影してみました。

撮影したのは夕陽とは言え、本来であれば光が強すぎて写真にならない事が多いのですが、この日は空気が霞んでいて、このような写真を撮る事ができました。

月の写真と同様に、これだけの迫力のある写真が撮れます。

霞んだ空気のおかげで、ゴーストやフレアも出ることなく、キレイに撮影することができました。この太陽の前を飛行機が通過してくれたら最高だったのにと、欲は増すばかりです。

周辺の風景を入れて、水平線に沈む夕陽を撮影する場合などは、テレコンを装着せずにレンジ単体で使用し、「だるま夕日」など太陽をメインで撮影する場合はテレコンを使用すると良いのではないでしょうか。

 

1/4000秒 F6.3 ISO800 400mm(35mm換算800mm相当)

1/800秒 F6.3 ISO400 400mm(35mm換算800mm相当)

被写体を蓮の花に変えて撮影。

蓮の花は池の遠くに咲いていることも多く、望遠レンズが必須となります。この写真の蓮池も手前に花はなく、少し遠い場所にキレイに咲いた蓮の花がありました。400mmで撮影してこの大きさなので、どれだけ離れた所に咲いていたか想像できるかと思います。

2枚とも開放F値のF6.3での撮影ながらも、解像感ある描写となっています。F8やF11くらいまで絞るとさらに解像感は増すことでしょう。ここでは、背景のボケを優先してF値開放で撮影しています。

 

1/1000秒 F7.1 ISO250 400mm(35mm換算800mm相当)

このレンズの特長の1つとしまして、近接能力が高いことが挙げられます。

ズーム全域で最短撮影距離は1.3mで、400mm側では35mm換算で0.57倍のテレマクロ撮影が可能です。今回はテストしませんでしたが、2倍テレコンを装着すると1.15倍のマクロ撮影が楽しめます。

作例の写真は砂浜で見つけた小さなカニです。このカニ、体長が1cmくらいしかない、とても小さなカニです。このレンズの近接能力も凄いですが、このカニを見つけた私もなかなか凄いでしょ(笑)

そんな小さなカニですが、このレンズを使用して撮影すると、まるで大きなカニのように見えてしまいます。生き物を撮影する場合、近くに近寄ると逃げてしまう可能性もあるので、最短撮影距離1.3mで約0.5倍の撮影倍率が得られるのは大きなメリットだと思います。

昆虫撮影においては、大きな武器となることでしょう。

 

1/13秒 F8 ISO800 314mm(35mm換算628mm相当)

日本海の夏の風物詩、漁火です。

日没直後、船の集魚灯が点灯し始めます。そんなシーンを手持ち撮影で挑みました。

この写真のシャッタースピードは1/13秒で、焦点距離は35mm換算で628mm相当ですが、手ブレせずに撮影することができました。

このレンズには手ブレ補正機能が内蔵されており、その補正効果は約3段となっています。しかし、ボディの「5軸シンクロ手ぶれ補正」には対応しておらず、ボディ側の回転ブレだけが加わるだけで、スペック上では約3段の補正効果ということになります。

しかしこの写真を見る限り、3段の補正効果ではないだろうと思ってしまいます。これだけの超望遠撮影でありながらスローシャッターでも手ブレせず撮影できるのは、オリンパスさんの手ブレ補正技術が優れているからでしょう。

 

1/1000秒 F5.6 ISO640 100mm(35mm換算200mm相当)

1/1000秒 F6.3 ISO800 200mm(35mm換算400mm相当)

背後からやって来る列車を後追いで撮影。

列車は1枚目の左側に見える林の中に入っていき、2枚目の場所に出てきます。

この場所では、レンズのテレ端400mmまで使用することはありませんでしたが、ズーム幅もありますので、同じ撮影場所から違った2枚の写真を撮影することができました。

このようにズーム幅があることで、迫力のある写真だけでなく、色んな表現を楽しむことができます。

動く被写体を撮影する場合、重要となってくるのがオートフォーカスのスピードですが、リアフォーカス方式を採用しており、高速かつ精度の高いオートフォーカスを実現しています。実際に鉄道を撮影してみて、オートフォーカスは快適そのものでした。

 

1/2000秒 F8 ISO200 400mm(35mm換算800mm相当)

1/320秒 F8 ISO200 400mm(35mm換算800mm相当)

1枚目の写真は夕陽が照らされ、光かがやく大海原。望遠レンズならではの圧縮効果で迫力ある1枚となりました。

2枚目は港から出てきた漁船と夕陽で輝く海を狙ってみました。この船は突如現れ、その時カメラはバッグの中でした。すぐにカメラを取り出し何とか撮影に成功いたしました。起動時間の速さや操作性の良さ、高速AFが、一瞬の光景を逃さないのです。

 

1/2500秒 F5.6 ISO200 138mm(35mm換算276mm相当)

1/500秒 F8 ISO200 100mm(35mm換算200mm相当)

夏と言えば入道雲。雷は怖いですが、被写体としては夏らしくて良いものです。

そんな入道雲を望遠で切り取ってみました。周りの風景を入れて撮影するのも良いですが、入道雲のカタチの良い部分だけを狙うのも迫力があっておもしろいです。

雲の質感描写も素晴らしく、満足のできる仕上がりとなりました。

 

 

まとめ

オリンパスのE-M1 MarkIIIやE-M1X、E-M5 MarkIIIは動く被写体を撮影する事を大きく意識して設計されたカメラであります。

動く被写体の代表と言えば、野鳥や飛行機、鉄道などが挙げられます。今回の作例写真には鉄道しかありませんが、これらを撮影する場合どうしても欲しくなるのが望遠レンズです。

特に今回ご紹介しました「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」のような超望遠レンズを使用して撮影することで、思い描いていた写真が撮れるのはもちろんの事、今までに体験した事のない超望遠レンズの迫力のある世界を楽しむ事ができます。

もちろん、動く被写体だけではありません。最短撮影距離も短いことから、花の撮影などにも使えます。

また、このレンズの手ブレ補正機能の補正効果は約3段だけですが、数値以上に補正効果が得られ、オリンパスの手ブレ補正は優秀だと改めて実感いたしました。

そして、防滴性能もE-M1 MarkIIIと同じ保護等級1級ですので、雨などの悪天候下でも安心して使用できます。このレベルになると防滴ではなく、防水の域に達していると思ってしまいます。

描写力も十分満足のできるもので、質感といい、防滴性能といい「PROレンズ」を名乗っても良さそうなものです。

 

このレンズで超望遠の世界へ飛び込んでみてはいかがでしょうか。

今まで撮影できなかったシーンが撮影できるかも??

 

発売日・・・2020年9月11日予定

希望小売価格・・・198,000円(税込)

 

この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで

 

 

 

 

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