こんにちは、カメラのナニワ なんばマルイ店 「しっかりデジタルカメラ世代」のまつおです。
今回は、カラー現像できるモノクロフィルムのひとつ、『ILFORD XP2 super 400』のご紹介です。
1.カラー現像ができる理由とメリット
フィルムはリバーサルフィルムとネガフィルムがありそれぞれにカラーフィルムとモノクロフィルムがあるのですが、フィルムが違えば当然、現像方法も変わってきます。
恥ずかしながら私自身、最近知ったのですが、一般的によく使われるカラーネガフィルムとモノクロネガフィルムでは現像処理が違います。
一般的なモノクロ現像だと多くの場合、専用ラボでの現像になるため手に届くのは数日後になってしまうのですが、今回ご紹介する『ILFORD XP2 super 400』はC-41といわれるカラー現像処理に対応しているので、多くのお店で当日受取りが可能になるというわけです。
2.描写検証
まずは、どんな仕上がりになるか見ていきましょう。
私は普段はおよそ月に1度の頻度で、ソニーα7IIIで風景写真を撮影しています。
フィルムカメラの撮影経験は、コンパクトを数回、一眼レフを数回といった具合です。
【使用した機材】
カメラ⇒ニコンFM2/T
レンズ⇒ニコンAi 35/F2.0
神社の境内にある灯篭がいい感じに苔むしていたので撮影しました。
もう少し絞りを絞って撮影してよかったなと後悔しています。。
ただ、今回はフィルムのレビューですのでピントの来ているところ(画像向かって左側の角の部分)を見てみましょう。
苔の立体感がよく表現されているように見えませんか?
もともと、このフィルムを使う前にコントラストが低いという情報があったので、苔の質感が出せるか少し不安だったのですが、いやいや、しっかり出ていましたよ、池田さん。
岩の質感、いい感じじゃないですか?
ただ、ここにも苔がむしていたのですが、それが少しわかりにくいですね。
完全に文字と一体化してしまっています。
ちがうフィルムだったら描写できたのか?
苔に今にも体を支配されそうな狛犬様。不思議と表情も苦しそうに見えてしまいます。
あまり苔には詳しくないので名前はわかりませんが、白い葉っぱのような見た目の苔が生えていました。
やはり、コントラスト(明暗差・色相差など)の低い被写体を撮ると、どうしてもこうなってしまうようです。
空を写してみました。
露出は空の方に合わせています。
雲がうっすらと写っていますね。
この日は曇り気味の空模様だったのですが、この時は晴れ間がのぞいていました。
暗い場所ではどうでしょう。
溝の中で比較的明暗差が大きい所を撮影しました。
露出は明部に合わせています。
明部から暗部への階調がなめらかです。
このあたりも、コントラストが低いフィルムならではでしょうか。
3.作例
4.まとめ
冒頭に記述したように私自身、フィルムはほとんど初心者で、フィルム一眼を持ち出すのは人生で片手で数えられるほどでした。
モノクロフィルムも使うのは初めてで、事前情報としてコントラストが低いという事だけを踏まえて撮影をしました。
露出はほとんど適正、もしくはオーバー目で撮影しました。
まずは、ネガティブなお話から。
正直に言いますと、モノクロフィルム、難しいです。
今回も、紅葉の時期ということもあり、普段デジタルを使う感覚で色彩豊かな被写体にシャッターを切りまくってしまいましたが、どうなるかはみなさんお分かりですよね……。
私も撮りはじめは意識していたのですが、やはりモノクロで撮影していることを忘れてしまう瞬間があり、こうなってしまいます。
続いてポジティブなお話です。
それは、意外に簡単。という事です。
ん??どっち?と、思われるかもしれません。
そうなんです、実は私自身もどっち?という感覚です。
というのも、難しいわりに失敗が少ないんですよね。
たしかに、明暗が~コントラストが~といえばそうなんですが、反面、まあまあ見られる写真には落ち着くかなという印象です。
感度400で、日中ならばスローシャッターの必要もなく手持ちで撮影できましたし(F2.0のレンズだからというのもありますが笑)、個人的には満足です。
階調が広いので、夜もライトアップなど、明部に露出を合わせてしまえばそれなりに撮影できるのではないでしょうか。
5.どんな人におすすめ?
ここまでを踏まえて、このフィルムはこんな人におすすめします。
- はじめてモノクロフィルムを使う人
- フィルムカメラに慣れてきた人
- 当日仕上げで現像したい人
以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。