ついにこのブログを書くときがきたようだな、、、と独り言。
なんだかんだいっろんな要素を含め、中判で一番良いカメラだと思う。
そう、結果的にいろんな中判カメラ触ってきて、一番しっくりきたのが67だったからね。まぁ、これは人によるし、一概に言えへんけどな、、、
ということで長いからゆっくり時間あるときにでもご覧ください。
↓ホンマに長いので目次を作りました。
1. 【こんな人にオススメ!!!】
2. 【PENTAX67シリーズの良いところと悪いところ】
3. 【ざっくりとしたスペック】
4. 【初代6×7からの67Ⅱまでの変更点】
5. 【愛称はバケペン?ロクナナ?】
6. 【フィルムの装填方法】
7. 【露出計の使い方】
8. 【唯一守らなければいけない所作】
9. 【ファインダーの着脱方法】
10. 【ストラップ留具取り付け方法】
11. 【木製グリップ取り付け方法】
12. 【作例】
13. 【まとめ】
【こんな人にオススメ!!!】
- 中判カメラを始めてみたい人
- 中判に憧れている人
- 35mm判からステップアップしたい人
- 一枚一枚丁寧に撮影している人
今でこそ、67に憧れる方や欲しがる方が増えている気がします。
フィルムカメラがここまでブームにならなければ
知られることはなかったと思います。
【PENTAX67シリーズの良いところと悪いところ】
良いところ
- 一眼レフであること
- 機動性に優れる
- フォーマットが67判
- 圧倒的な立体感
- ファインダー交換可能
35mm判の一眼レフをそのまま大きくしたようなカメラで、
35mm判の一眼レフユーザーであれば感覚的に扱うことができます。
一眼レフで基本がアイレベル(目線の高さ)での運用になるので
他の中判カメラより機動性の高さがあります。
もちろん細かな点で気をつけなければいけない部分はありますが、
他の中判カメラより扱いやすいと思います。
67というフォーマットが意外と万能な画面サイズで
長方形だが、正方形に近いのでトリミングに対応しやすい。
また、ファインダースクリーンが大きく見やすいため
細部まで確認することができます。
ファインダーを覗いた時の圧倒的な立体感もテンションが上がります。
悪いところ
- ミラーショックが大きい
- めちゃめちゃ重たい
- ブラックアウトがある
- バッグに入れずらい
一眼レフをそのまま大きくしただけあって、
シャッター切ったときのミラーショックが半端ないです。
その分シャッター音が良いという人もいますが、、、
ペンタプリズムファインダーとレンズを付けた状態が
だいたい2kgを越えるので、筋トレに使えるぐらい重たいです。
一眼レフの宿命と言っても過言ではないブラックアウト。
これは仕方がないです。
ペンタプリズムファインダーを付けてレンズも付けると
まぁまぁいびつな形で、収納しづらさが半端ないです。
バッグに入れる際は、それぞれバラすと入れやすいです。
【ざっくりとしたスペック】
6×7初代(ミラーアップなし)
発売年月 |
1969年 |
シャッター | 電子制御式フォーカルプレーンシャッター B・1~1/1000秒 |
ファインダー | 交換式(アイレベルは視野率90%、ウエストレベルは視野率100%) |
露出計 | TTL平均測光式〔Cds〕ファインダー内定点合わせ式 |
6×7(ミラーアップあり)
発売年月 |
1976年 |
シャッター | 電子制御式フォーカルプレーンシャッター B・1~1/1000秒 |
ファインダー | 交換式(アイレベルおよびTTLファインダーは視野率90%、ウエストレベルは視野率100%) |
露出計 | TTL平均測光式〔Cds〕ファインダー内定点合わせ式 |
67
発売年月 |
1989年 |
シャッター | 電子制御式フォーカルプレーンシャッター B・1~1/1000秒 |
ファインダー | 交換式(アイレベルおよびTTLファインダーは視野率90%、ウエストレベルは視野率100%) |
露出計 | TTL平均測光式〔Cds〕ファインダー内定点合わせ式 |
67II
発売年月 |
1998年 |
シャッター |
電子制御式フォーカルプレーンシャッター |
ファインダー | 交換式(アイレベルおよびAEファインダーは視野率90%、ウエストレベルは視野率100%) |
露出計 |
TTL分割測光式(6分割測光、中央重点測光、スポット測光) |
なぜこうも細かく分けたか、、、
それはマイナーチェンジが行われたからです。
6×7~67までは基本的に同じ性能だと思ってもらって構いません。
67Ⅱはそれらの後継機種となり、性能も違います。
以下に詳細を綴ります。
【初代6×7からの67IIまでの変更点】
6×7初代(ミラーアップなし)
AOCoの刻印にASAHI PENTAXのロゴが6×7共通のファインダーです。
スプール受けは指圧式でお世辞にも交換しやすいとは言えません。
このギザギザしている部分を親指で押しながら回すと、
この部分が手前に出てきますので交換ができます。
また、フィルムカウンターを動かすための操作部分もなく、
空シャッターが切れませんでした。専用のシャッター作動板があれば可能でしたが、、、
120/220切り替え圧板に120/220の表示がなく、
裏蓋中央の小窓で把握する必要性がありました。
壊れていますが、フィルムカウンターを切り替える部分で
120/220フィルムそれぞれで撮影可能な枚数の表示でした。
6×7(ミラーアップあり)
6×7初代からマイナーチェンジされた個体です。
ミラーアップレバーがミラーボックス右側に配置され、
ミラーアップでの撮影が可能になった。
スプール受けがクランク式となり、交換しやすくなった。
フィルムカウンターを手動で操作できるようになり、
簡単に空シャッターが切れるようになった。
フィルム圧板に120と220の文字が入り、裏蓋を見なくても把握できるようになった。
撮影可能枚数から入れるフィルムの表示に変わりました。
67
上記した6×7と基本性能は変わらず、
ボディ外観と各ファインダーのロゴデザインが一新された。
AOCoの刻印はなくなりました。
TTLファインダーがCdsからSPDに変更された。
67II
絞り優先AEを備えた67の後継機種。
67のファインダーではロゴが彫られていたことに対し、
67IIはエンボスになりました。
↑67II用の折りたたみピントフード(ウエストレベルファインダー)です。
このように他のファインダーも変更されています。
AEペンタプリズムファインダーを装着した場合に絞り優先AEが使用可能です。
測光方式は切り替えが可能で下から6分割測光、中央重点測光、スポット測光の3種類。
巻き上げレバー側にホールディング性を高めるグリップを備え、
グリップの底から電池を入れるようになりました。
電池はCR123Aが二本必要です。
巻き上げレバー真横にLCDパネルがあり、
フィルム巻き上げ表示、フィルム終了表示、フィルムカウンター、
ISO感度、電池消耗警告などを表示します。
また、巻き上げレバー上にあるのは多重露光用レバーです。
そんな感じでまだまだ細かい部分はありますが省略します。
67IIは67以前と大きく違うことがわかります。
【愛称はバケペン?ロクナナ?】
いささか余談です。化け物みたいに大きい、化け物のようなサイズ、のペンタックスのカメラを略され【バケペン】、そしてフォーマットサイズをそのまま呼ぶ【ロクナナ】の愛称がある。
【バケペン】は若い子や最近フィルムカメラを知った人に浸透している。
【ロクナナ】は当時の現役で使用していた人が使う呼び名である。
最近の方々は【バケペン】という愛称を略し【バケ】と呼ぶ人もいる。
もうこうなってくると最終は【バ】と呼ぶ人も現れるのではないだろうか。
あたくし個人としては【ロクナナ】が馴染みゆえにこの略称には抵抗がある。
【フィルムの装填方法】
※フィルムの出し入れは直射日光を避けて、必ず日陰で行いましょう
6×7および67のフィルム装填
※電池がないとシャッターは切れないので、撮影する場合は電池を入れてください。
- 裏蓋を開く
裏蓋を開きます
2. スプール受けを引き起こす
クランクを起こし
オレンジの点を白い点の方向に回します。
そのままスプール受けを引き起こします。
3. フィルム室にフィルムをセットする
スプール受け軸に差し込みセットします。
スプール受けを戻し、フィルムを固定します。
4. リーダーペーパーを差し込み巻き上げる
リーダーペーパーを空スプールの方へ引っ張り
空スプールの溝に差し込み巻き上げていきます。
5. スタートマークを合わせ蓋を閉じる
巻き上げていくとスタートマークが現れます。
装填したフィルムに合わせてオレンジ色の逆三角形にスタートマークを合わせます。
120フィルムであれば左側、220フィルムであれば右側の三角に合わせます。
スタートマークを合わせたそのままの状態で蓋を閉じます。
巻き上げレバーが完全に巻き上がった状態でなくても問題ありません。
6. 巻き上げて1枚目にセットする
フィルムカウンターが1になるまで連続で巻き上げます。
この時シャッターは切れないので巻き上げるだけで大丈夫です。
見づらいですが、0の右の棒が1枚目です。
その下のオレンジのマークが現在の枚数を示します。
これで写真撮影が可能です。
7. 撮影後フィルムの取り出し方
120フィルムは10枚撮りとなりますので
フィルムカウンターが10を過ぎてからフィルムを巻き送る必要性があります。
巻き送りはシャッターが切れなくなりますので連続して巻き上げましょう。
10枚撮影後およそ4~5回の巻き上げで巻き上げる感覚が軽くなります。
フィルムカウンターが15になったときが目安です。
その後裏蓋を開けます。
裏蓋を開けて、このようにフィルムが巻物のようになっていれば
完璧です。
スプール受けのクランクを引き起こしフィルムを取り出しましょう。
中判フィルムは遮光のためシールを貼る必要性があります。
ペーパーの先端を必ず内側に折りシールを貼ります。
シールは剥がせば貼れるタイプと水分を付けるタイプがあります。
使用フィルムによってことなりますので撮影後確認してください。
フィルムカウンターは自動復元式で裏蓋を開くと自動でリセットされます。
67IIのフィルム装填
- 裏蓋を開く
裏蓋開閉レバーを下に押し下げて、、
裏蓋を開きます。
2~5(フィルムセットからスタートマーク合わせる)までは上記した6×7および67と同じですので、省略します。
6. 巻き上げて1枚目にセットする
巻き上げレバーが中途半端になったまま裏蓋を閉めても問題ありません。
閉めた後は巻き上げレバーを最後まで巻き上げます。
最後まで巻き上げレバーを巻き上げ、レバーを元に戻すと
LCDパネルにフィルムを巻き送る表示が表れます。
この➡が表示されているので
LCDパネルのフィルムカウンターが1になるまで巻き上げを行います。
↑の写真が1枚目にセットできた状態です。
これで写真撮影が可能です。
7. 撮影後フィルムの取り出し方
この部分も上記した6×7および67ほとんど変わりません、
アナログ表示か液晶表示の差です。
10枚目を撮り終えるとが➡点滅し、フィルム枚数表示が消え--が点滅しながら表示されます。
そのままEndが表示されるまで巻き上げます。
Endが表示されたら蓋を開けてフィルムを取り出します。
液晶で終わりを表示してくれる機能はありがたいです。
取り出して最後にシールをしましょう。
【露出計の使い方】
6×7および67ペンタプリズムTTLファインダーの露出計
まずは電池を入れます。
6×7と67は4LR44もしくは4SR44です。
4LR44は生産終了していますので、4SR44を使用します。
電池室はボディの底中心部にあります。
スプール受けと同じようにクランクを引き起こし回すことで
電池ケースを取ることができます。
電池室は+と-がわかりやすく表示されています。
電池ケースに電池を入れます。
そのまま+と-を確認し、電池室に電池ケースを戻します。
次に、ペンタプリズムTTLファインダーのシャッタースピードダイヤルをつまみ上げながら回し、入れるフィルムと同じISO感度に変更します。
ISO感度を400から100に変更しました。
次にファインダー内で露出計を確認します。
電池を入れていないと指針が下がったままです。
ファインダー接眼部右側に露出計のスイッチがあります。
このスイッチをONの方向に回すと露出計が一時的に作動します。
露出計のスイッチをONにすると指針が振れます。
+と-の間の黒く突出した部分にこの指針を合わせると適正露出になる仕組みです。
レンズ側の絞りとボディ側のシャッタースピードで指針を動かします。
適正露出はこんなイメージです。
あくまでしっかりと精度が出ている前提でのお話です。
精度を確認したい場合はデジタルカメラや単体露出計を用いて比較しましょう。
67II AEペンタプリズムファインダー
まずは電池を入れます。
電池はCR123Aを二本使用します。
電池室はグリップの底部分にあります。
ここをコインで回し開けます。
電池蓋と電池ケースが一体となっています。
電池ケースには電池を入れる向きが表記されています。
電池蓋を底に下とき、+を上向きに重ねて入れます。
一本目の電池は電池室に入れ、二本目はケースに入れて蓋をします。
蓋をする際、反発力がありますので、しっかり押しながらコインを回して蓋をしましょう。
次にフィルム感度設定ボタンとフィルム感度レバーで
入れるフィルムと同じ感度に合わせます。
上から見るとこんな感じ
フィルム感度設定ボタンを長押しすると、
写真ではわかりづらいですが、ISOの表示が点滅します。
その状態でフィルム感度レバーを上か下に動かして
ISO感度を変更します。
長押しすると上限もしくは下限まで数値が変わっていきます。
これは下側に長押しをしたので、最小ISO感度6まで下がりました。
上側に長押しをすると上限の6400まで感度が上がりました。
一回ずつ押して変更も可能です。
次にファインダー内表示です。
シャッタースピードダイヤルをAにした状態のファインダー内です。
TTL測光で出されたシャッタースピードが表示されています。
シャッタースピードの右隣の表示が現在の測光方式を示します。
フィルムを入れると測光方式の右隣に現在のフィルムの枚数が表示されます。
先ほどの状態から露出補正を+1に変更しました。
露出補正マークと補正値のバーグラフが表示されます。
右がプラス左がマイナスです。露出補正は1/3段ずつで±3段まで可能ですので
それぞれ3段まで表示されます。
今回は+1段ですので右側1つ目のメモリに印があります。
測光方式をスポット測光に変更し、露出補正を-3に変更しました。
中央のスポット測光と露出補正でシャッタースピードが大幅に上がりました。
マニュアル露出の場合、
バーグラフで適正露出かどうかを確認することができます。
上の写真は3段以上暗いことを示しています。
バーグラフ上段の棒が中央のみに表示されていれば適正露出となります。
【唯一守らなければいけない所作】
6×7および67でTTLファインダーを使用する場合の話です。
ファインダーを取り外した後に必ず守らなければいけない所作があります。
ファインダーを外した後は
必ずボディからレンズを外してTTLファインダーを取り付けてください!!!!
以下画像とともに解説
ボディにはTTLファインダーと連動するためのチェーンが備わっています。
このチェーンがないと露出計が使えません。
ファインダー側の爪とボディ側の左端の黒い部分が噛み合い連動します。
何かしらの理由でチェーンがありません。
この場合TTLファインダーを装着しても露出計は使えません。
ファインダーを外した後にレンズを装着するとチェーンが動いてしまい、
ファインダー側の爪と連動せず、露出計が使えません。
このままファインダーを装着するとボディ側のチェーンが切れる可能性があるので、
必ずファインダーを装着した後にレンズを装着してください!
【ファインダーの着脱方法】
6×7および67の場合
ファインダー着脱ボタンが両サイドにあります。
押したまま外してファインダーを交換してください。
67IIの場合
67IIは二段階ロックになっています。
写真は片側のみ写していますが67シリーズと同じように
両サイドにファインダー着脱ボタンがありますので、両サイド同時に行ってください。
ファインダー着脱ボタンを半時計回りに回し
オレンジの点を合わせた状態で
押し込んでロックを解除し、ファインダーを取り外して交換します。
ファインダーを装着する際は、カチッと音がしたらOKです。
【ストラップ留具取り付け方法】
これがストラップ留具です。
留具の中にあるロック板を矢印の方向に押し込み、ロックを解除します。
ロックを解除した状態でユニバーサルフックにはめ込みます。
はめ込んだ状態でロック板を矢印とは逆方向に押し込みロックします。
ロックした後、ストラップ留具が外れないか確認をし、
ストラップを通して使用します。
留具を外す場合はロックを解除して取り外します。
ロックの解除はコインを使用することをおすすめします。
【木製グリップ取り付け方法】
アクセサリーとして木製のグリップが全シリーズ通して販売されていました。
そのグリップの取り付け方法です。
※グリップはシャッタースピードダイヤル側に装着します。
まずはグリップ側の穴をボディ側のユニバーサルフックに通します。
こんな感じです。
その状態でグリップを上に引き上げ固定します。
カチッと音がすればOKです。
クランプノブを時計回りに回して固定して完了です。
外すときはクランプノブを半時計回りに回し、
クランプノブを引いて上にスライドして外します。
写真に写っているのは6×7、67用です。
67Ⅱ用はグリップにシンクロコード接続部とホットシューに接点が追加されました。
グリップとボディを繋ぎストロボを使用することができました。
【作例】
今回はボディの紹介でしたが、一応作例も載せておきます。
※6×7、67、67II、どのボディを使用しても
同じレンズ、同じフィルムを使えば写りは変わりません。
※フィルムスキャナーでスキャンもしくはX-Pro2で複写からRAW現像を行った写真ですので、いろんな写真があります
【PORTRA400】
【PRO400H】
なんで生産完了なん?ぴえん案件
【E100 エクタクローム】
【ACROS 100】
【まとめ】
とにかく、
一眼レフでアイレベルで6×7判である
このカメラは使いやすいです!
その分大きく重く、代償はありますが、それに見合う写真が撮れると思います。
SNSのおかげで67ユーザーのめちゃめちゃ良い写真を見ることができます。
それであたくしは毎日眼福でございます。海外の写真もいいよね。
その写真を見て購入動機になる方がいるんかな~って思ったり。
それが若い世代に起こっている現象だと勝手に思っています。
やったら長く語ってきましたが、誰かの手助けになれば幸いです。
また、6×7~67までを解説した動画をYouTubeに載せておりますので
合わせてご覧ください!
あっ!最後に
折りたたみピントフードを用いた #WLVF (ウエストレベルファインダー)は
いいぞおぉ~!