こんにちは。なんばマルイ店の池田です。
今シーズンの冬は、寒くなり雪も多いのと予想されています。そうなれば、雪景色との遭遇率もあがります。
そこで今回は、雪景色をキレイに撮るためのちょっとしたコツをアドバイスさせていただきたいと思います。
準備編
雪景色を撮影する上で、とても大切なのがその準備です。どんな準備が必要なのか、私のこれまでの経験も踏まえて挙げていきます。
①服装は風を通さない暖かいものを用意
「雪景色=気温が低い」です。氷点下なんて当たり前。
そんな状況の中で撮影するのですから、服装がとても大切になってきます。寒さに耐えれなくなると、もう撮影する意欲もなくなってしまいます。上着、ズボン、靴下など、暖かいものを用意しましょう!
②靴は防水性のある暖かいものがオススメ
降雪中やその直後であれば、新雪の中を歩くことも多くなります。
その際、防水性の優れた靴ですと快適に撮影に挑めます。積雪量が多い場所へ入っていく場合は、スパッツを併用し、雪の侵入を防ぎましょう。
③念のため、滑り止めも用意
信州や標高の高い所など冷え込みが厳しい場所では、雪がなくても、凍結している事が多々あります。
車から降りた瞬間にツルっと滑って、何度も転びそうになった事があります。そのため、靴に簡易的に取り付けできる滑り止めがあると良いでしょう。雪山へ登る場合はアイゼンが必携となります。
④カメラの雪対策もお忘れなく
雪景色の撮影となると、当然のことながら雪が降っている中での撮影という事もあります。むしろ、その方が多いかもしれません。
雪も融けてしまえば、雨と同じ水ですので、カメラの雪対策は必須となります。カメラ用のレインカバーなど、カメラが極力濡れないように注意しましょう。
防塵防滴仕様のカメラでしたら、悪条件での撮影でも多少は安心です。
⑤車の装備も万全に
雪道の強い味方は、何と言ってもスタッドレスタイヤ。
タイヤチェーンでも良いのですが、チェーンの場合は装着するタイミングが難しいのです。
特に夜間走行では雪がなくても凍結している場合もありますので、スタッドレスタイヤの方が安心して運転できるのです。
でも過信は禁物。四駆にスタッドレスタイヤでも、ツルツルに凍った路面では注意が必要です。
それでは、準備ができたところで本題に入りましょう。
雪景色をキレイに撮影する5つのポイント!
①露出補正で明るさ調整をしよう
「雪景色の撮影と言えば、露出補正!」というくらい大切な項目です。
カメラの露出計を信じてそのまま撮影すると、雪のキレイな白色が濁った灰色のような色で写ってしまうことが多々あります。
そのためキレイな白色を表現するためプラス側への露出補正が必要となってきます。
なぜ、そのような事が起こってしまうのかは詳しく説明すると長くなってしまいますので、省略させていただきますが、簡単に言いますとカメラ内蔵の反射光式と呼ばれる露出計では、白い物は薄いグレーに、そして黒い物は濃いグレーに写ってしまいます。
雪は白い被写体ですから、基本的にはプラス側への露出補正が必要となってきます。
上の2枚の写真は、露出補正なしとプラス補正(+0.7)で撮影した画像の比較写真です。
露出補正なしの写真は、露出アンダーで写し出され、氷瀑や雪の白色が濁って見えます。そこでプラス側に露出補正すると、2枚目の純白に近い色を再現できるのです。
どのくらいプラス補正をしたら良いのかは、その撮影シーンや構図、カメラの測光方式によって変わりますので、一概には言えません。
私が気をつけているのは、白の階調が飛ばないようにする事です。白の階調がなければベタっとした立体感のない写真になってしまい、またRAWデータで撮影していても階調を再現させる事は困難です。
撮影時に電子ビューファインダーや液晶で確認、調整しながら撮影すると良いでしょう。
また、雪景色=プラス補正と決めつけるのも禁物。構図の中で雪の積もった部分より山や渓流など黒っぽい部分が多く占める場合はマイナス補正となる場合もありますのでご注意を!
上の写真は背景の山が影で暗くなっていますので、-0.3EVのマイナス補正をしています。
②ホワイトバランスを調整しよう
デジタルカメラのホワイトバランスの初期設定は、基本オートホワイトバランス(AWB)となっています。
一般的な撮影であればオートホワイトバランスで問題ないのですが、雪景色を撮影する場合はホワイトバランスを変更してみましょう。
なぜオートホワイトバランスじゃダメなの?って思う人も多いのではないでしょうか。決してダメではありません。日中の雪景色であればオートでも問題なく撮影できます。
しかし、早朝や夕方においてはオートホワイトバランスだと日の出前や日の入後のブルートーンの色を抑えてしまいます。また日の出後、日の入前はオレンジ色を抑えてしまうのです。
そこでホワイトバランスの設定を変更です。
おすすめは私も良く使用する「太陽光」。
この設定だと、日の出前のブルートーン、日の出後のオレンジ色をキレイに再現してくれます。
また、日中でも晴天時の日陰での撮影においては、青味がかかり寒さ、冷たさを表現できます。
上の2枚の写真は、ホワイトバランスによる仕上がりの違いの作例です。
1枚目はオート、2枚目は太陽光です。オートの方が好みの方もいらっしゃるかもしれませんが、太陽光で撮影した写真の方が、影の部分がブルーになり冬の寒さが伝わる写真となりました。
この2枚の写真もホワイトバランスによる仕上がりの違いの作例です。
太陽光で撮影した写真は青味がかかり、氷瀑のできる厳冬期をイメージするに相応しい仕上がりとなりました。オートの写真でも悪くはありませんが、冬を表現するならホワイトバランスは太陽光を選択するのがベターでしょう。
しかし、日中や曇天の日は太陽光に設定しても青くなりにくく、そんな状況でもブルートーンにしたい場合は、色温度設定でケルビン数を4000前後にすると良いでしょう。
上の写真は太陽光で青味を表現できなかったので、色温度設定で4300K(ケルビン)に設定して撮影したものです。
このようにホワイトバランスを変更するだけで、印象の違った写真に仕上げることが可能です。
③フラッシュを使用して降ってる雪を表現しよう
雪が降っている中での撮影では、せっかくなので雪を表現してみましょう。
大雪の場合は、普通に撮っても雪を写すことができますが、シャッター速度によっては雪が流れた写真になったりします。
上の写真は、フラッシュを使用せずシャッタースピード1/40秒で撮影したものです。この日はかなりの大雪でしたの雪の降っている感じを出せましたが、降雪量が少ない場合はこのようにはなりません。
しかし、フラッシュを使用することで手前の雪が白く光り、より雪の存在感を高めることができます。
フラッシュはカメラ内蔵のものより、別売の外付けの光量の大きいフラッシュがオススメです。内蔵フラッシュでも撮れない事はありません。
手前の雪がフラッシュで光り、降雪量が少なくても雪を表現できるのです。
④逆光で狙ってみよう
雪の撮影において、光線も大切です。
曇天や降雪時はどうしようもありませんが、晴天時は逆光や半逆光で雪景色を狙ってみましょう。
木の枝に付いた雪や雪原に積もった雪を逆光で見ると、キラキラ輝いて見えることがあります。それは順光では見ることができません。逆光だから見れる光景なのです。
また、逆光での撮影では、降り積もった雪の立体感も表現できます。
⑤最高の撮影タイムは早朝
雪景色を撮影する上で、カメラの設定も大切ですが、撮影する時間も重要です。
最高の撮影タイムはやはり早朝です。さらに撮影する日が晴れで、その前日が雪であれば、なお最高です。
夜に降った雪が、木々の枝の上に積もり、時には凍てつき、素晴らしい光景を見せてくれます。
その素晴らしい光景も、太陽が昇り気温が高くなるにつれて、枝から雪が落ちてしまい、まったく別の風景となってしまいます。
私が良く撮影に出かける滋賀県北部や兵庫県北部では、降雪時は別として、早朝(日の出の時間)から午前9時頃までが一番の撮影タイムです。
もちろん、気温や風の強さによっても大きく左右されますので、あくまでも目安です。
このように雪景色のベストタイムはとても短いので、効率よく撮影場所をまわる必要もあります。
しかし、ベストタイムが過ぎてからも雪景色は撮影できます。
木の枝に積もった雪を撮ることができなくなったら、雪原や田んぼなどにできる影や渓流の岩に積もった雪、滝が凍った氷瀑などを狙ってみましょう。
いかがでしたでしょうか。
少しでも雪景色の撮影の参考になれば嬉しく思います。
今シーズンは雪景色を撮影するチャンスも多そうですので、ぜひチャレンジしてみてください!
お出かけの際は、防寒対策、車の雪道対策をしっかりしてくださいね。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラのナニワ なんばマルイ店 池田まで