撮影テクニック カメラのナニワ なんばマルイ店

ミラーレス一眼は鉄道写真に向いてる?それとも向いてない?

こんにちは。カメラのナニワ なんばマルイ店の池田です。

私がこれまでに書いてきたブログをご覧いただいた方はご存知だと思いますが、私は鉄道ファンです(笑)

フジフイルム X-T3で撮影 福井県北陸本線

メインの被写体は風景写真ですが、風景は少し遠出が必要となってきます。そこで、近場で手軽に撮影できるのが鉄道なのです。そんな感じで、休みの日に暇さえあれば鉄道を撮っています。

そして、その撮影現場でいつも感じる事があります。

それは・・・

「ミラーレス一眼で鉄道を撮っている人は少ないなぁ~」って事です。

私はフジフイルムのミラーレス一眼「X-T3」を使用していますが、撮影現場で出会う周りの鉄道ファンはほとんどが一眼レフです。もちろんミラーレス一眼をお使いの方もいらっしゃいますが、断然一眼レフユーザーが多いです。

私は毎回、肩身が狭い思いをしています(笑)

ミラーレス一眼のシェアが高まってきているのに、鉄道の分野においては何故これほどまでに一眼レフユーザーが多いのか?

ミラーレス一眼は鉄道撮影に向いていないのか?

今回はそんな疑問を解決していきたいと思います。


一眼レフが愛される理由

鉄道ファンに人気のあるキヤノンEOS7D MarkII

一眼レフは光学ファインダーであり、レンズを通して入ってきた実像を見ながら撮影できます。そのため、鉄道のように動いている被写体を撮影しても、ミラーアップで一瞬暗くなるものの、ストレスなく鉄道を追い続けて撮影する事ができます。

キヤノン EOS7D MarkIIで撮影 滋賀県湖西線

上の写真のような流し撮りでは、一眼レフが圧倒的に優位とされてきました。

また、オートフォーカス性能も長年にわたって培われた技術がエントリーモデルにも搭載されるようになり、カメラのオートフォーカス性能は本当に信頼のおけるものとなりました。

レンズ選びについても、一眼レフの歴史は長いため、各メーカーより数多くのレンズが発売されており、中古市場にも数多くのレンズが出回っている為、自分の予算に合わせて商品を選べる、探せるのも嬉しいところです。

 

一方、ミラーレス一眼は電子ビューファインダーであり、連写で撮影する場合は残像感があり、リアルタイムにファインダーに表示されない事があり、流し撮りなど追従して撮影する場合にはストレスを感じる事がありました。

オートフォーカス性能についても、フォーカススピードも遅くなる機種が多く、特に暗いシーンでの撮影での走行写真は厳しいものがありました。

ここまでの内容を考えますと、断然一眼レフが有利となります。

上の文章(ミラーレス一眼のところ)で「ありました」と過去形にしたのは、それはもう過去の話だからです。

私もフジフイルムX-T3を購入するまでは、今でも鉄道ファンに人気のキヤノンEOS7D MarkIIを使用していました。

買い替えた理由は、オートフォーカス性能の向上と残像感の減少です。つまり、動く被写体に対して強くなったからです。

これはX-T3に限らず、オリンパスE-M1 MarkIIIやソニーα9やα7IIIなど、動きものに強くなった機種が多く発売されています。

 

では、ここでミラーレス一眼を使うメリットを考えてみましょう。

①鉄道写真では必要不可欠。連写速度が速い。

フジフイルム X-T3で撮影 兵庫県山陽新幹線

一眼レフのEOS1DXやD6などのプロ用機種を除くと、ニコンD500やキヤノンEOS7D MarkIIなどが秒間10コマを実現しています。エントリーモデルになると秒間6~7コマ程度となります。ミラーレス一眼の上位モデルではメカシャッター時では10コマ前後ですが、電子シャッター時は20コマ前後の撮影が可能となります。エントリーモデルもメカシャッター時で約8~11コマ、電子シャッター時はさらに速い連写が可能となります。

連写性能にこだわらない方もいらっしゃいますが、やはり動く被写体の撮影においては、連写スピードが速いと有利です。

 

②測距エリアが広いので、置きピンがしやすい。

フジフイルム X-T3で撮影 福井県越美北線

フジフイルム X-T3で撮影 岡山県伯備線

フジフイルム X-T3で撮影 京都府山陰本線

鉄道写真を撮影する上で、「置きピン」と呼ばれる手法を良く使います。

これはあらかじめ、列車の走るレールなどにピントを合わせておき、列車がピントを合わせた場所を通過するタイミングでシャッターを切るというテクニックです。

その際、一眼レフの測距エリアだと、ピントの合わしたい部分に測距点がない場合も多々発生し、ライブビューに切り替えてピントを合わせたり、近くの測距点でピントを合わせてから、マニュアルフォーカスに切り替え、構図を決定するなど、面倒な動作が必要となります。

しかし、ミラーレス一眼の場合ですと、測距エリアは画面の約90%程度と非常に広く、画面の端っこの方にピントを合わせておく事も可能です。この部分は本当にストレスフリーです。

上の3枚の写真はすべて「置きピン」で撮影しています。これらの写真のピント位置は、画面の隅の方にあったり、下の方にあったりと、ほとんどの一眼レフの測距点ではカバーできません。しかし、ミラーレス一眼だと測距エリアに入っており、フォーカスロックなどの手法を使わなくても済むのです。

 

③露出を確認しながら撮影できる

フジフイルム X-T3で撮影 岡山県柵原ふれあい鉱山公園

上の写真は保存車両です。このシーンを見た時、「レトロなイメージで撮ろう!」と決めました。モノクロ設定にして、そこから少し温かみのある色調に調整して撮影しました。

これは鉄道写真に限った事ではありませんが、ファインダーで露出や色調などを確認しながら撮影できるのはミラーレス一眼の大きなメリットです。これは鉄道写真においても同じで、一眼レフでの撮影の場合、列車が来る前に数回シャッターを切って、液晶で露出を確認するといった動作をします。これは光学ファインダーだから撮影してみないと結果がわからないので、そのような動作が必要となってしまうのです。

ミラーレス一眼だと電子ビューファインダーですので、撮影時に露出や色合いまでもが反映されていますので、ダイヤルやボタンで瞬時に数値の設定・変更ができるのです。

液晶での確認だと、日中の陽射しが強い時には正確な露出を判断できませんが、電子ビューファインダーならそれが可能となるのです。

 

ミラーレス一眼の弱点

ミラーレスのメリットを書いてきましたが、弱点もあります。

それは、バッテリーの消耗が早いこと。一眼レフと比較すると、びっくりするくらい消耗が早いです。1日の撮影でも予備に最低2個は持っておきたいところです。

ここ最近発売された機種の中には、バッテリー消耗がかなり改善された機種もありますが、それでも一眼レフには敵いません。

 

 


結論

ミレーレス一眼は鉄道写真に向いてます。

確かに一眼レフの方が優れている面もありますので、どちらが良いかという判断は正直なところ難しいです。

しかし、ミラーレス一眼だからこそ、快適に撮影できるのも事実です。実際に私がキヤノンEOS7D MarkIIからフジフイルムX-T3に乗り換えて、まったく後悔はしていませんし、ミラーレス一眼の便利さから、もう一眼レフには戻れません。

ミラーレス一眼登場時から数年前までの機種は、動きものに弱く、鉄道写真を撮るには信頼ができませんでした。その概念を覆したのが2016年に発売されたオリンパスOM-D E-M1 MarkIIの登場だと個人的には思っています。

それ以降、ミラーレス一眼の動く被写体への追及が高まり、今では鉄道写真を撮る上で信頼できる機種が各社から多数発売されていますし、今後はさらなる進化が期待できます。

ミラーレスシェアはどんどん高くなり、レンズの種類も豊富になってきました。

ミラーレス一眼は鉄道写真に向いていないと思っている方。

次に買い替えるならミラーレス一眼ですよ!

フジフイルム X-T3で撮影 兵庫県播但線

この記事に関するお問い合わせは・・・池田まで

 

 

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