【コラム】カメラ今昔物語 【コンタックス Gシリーズ 編】

カメラ今昔物語

こんにちは心斎橋本店の たつみ です

しばらくお休みしておりました当コラムも満を持して再開!(笑)

引き続きよろしくお願い致します。

さて今回は、今もなお熱烈なファンがいる コンタックスGシリーズ

まつわるお話です


世界的老舗ブランド 【コンタックス】

カメラの歴史が始まって以来、それこそ数多くのメーカー・ブランドが世の中

に誕生しましたがその中でも最も有名なのが『ライカ

そして双璧をなすのが『カールツァイス』でしょう。

永遠のライバルと言って過言でない両社。

設立はツァイスの方が古く西暦1846年!
(日本はまだ江戸時代。。あのペリー提督率いる黒船が来航する7年も前の話!)

ドイツの光学職人であった『カール・ツァイス』氏が光学機器製作所

(主に顕微鏡を製造)を立ち上げたのが元々の由来。
(あのバルナック型ライカの生みの親『オスカー・バルナック』氏はもともと
こちらの出身。。)

その後、この製作会社を祖として1889年に『カール・ツァイス財団』を

設立。

それから時は流れて1932年。

財団の傘下にあったツァイス・イコン社がブランド名『コンタックス

を冠したカメラを発売します。

以降、戦争などを挟みながらもシリーズの製造を続けたものの、1961年を最後

にコンタックスブランドは休止され、しばらく日の目を見ない年月が経ちます

『このまま歴史に埋もれてしまうのか? もったいなくね?』

と誰も言ってはないと思いますが、その由緒あるブランドを再興する為に立ち

上がったのが日本のヤシカ社。

時に1975年。

ポルシェ及びツァイス財団と共に新『コンタックス』として特に一眼レフの

製造を手掛けていくことになります。
(ヤシカは1984年に京セラに吸収合併されますが。。)

それから迎えるいわゆるバブル景気にのり、たくさんのカメラを開発・製造。

トップメーカーほどの売れ行きではなかったものの、非常に特徴のある機種

を連発!

特に1990年に発売された『コンタックスT2』は未だに高い人気を誇り、

現在では当時の新品価格以上で中古品が売買されているのは周知の事実です

※このあたりは2019年3月のブログにて
https://www.cameranonaniwa.co.jp/blogs/2220549442/


レンジファインダーカメラでAF化!

様々ないきさつで日本のメーカーに製造を託される事になったコンタックス。

レンズ性能においては世界一厳格といわれるカール・ツァイスの品質管理の

基で、多くの写真家・愛好家にその実力を認められるのですが、時代はどん

どん進んで、気が付けば世の中はAF一眼時代を迎えます。

もちろん京セラも手をこまねいていた訳ではなく自社ブランド名でAF一眼を

開発し発売します。

某社の怪物級カメラが全然手に入らずたまたま京セラモデルを買ったお父さん

も数多くいたのですが、レンズやシステムがライバル社に対して非常に乏しく

見る見る衰退。。

結局は数年で撤退となりAF化の波にすっかり乗り遅れてしまいます。
(技術的に出来なかったともツァイスが首を縦に振らかなかったとも噂があり
ましたが真相は。。後年にボディ内で焦点位置を変えるという奇襲で『AX』を
発売しますが鳴かず飛ばずで)

さてどうするコンタックス!(てか京セラ。。(苦笑))

そのモヤモヤした空気を一気に払い除ける機種が登場します。

それが1994年にレンズ交換式レンジファインダー機(以下RF機)としては世界初

となるAFカメラ『コンタックス G1』を発売します

レンズ開放値に左右されることなく常に明るいファインダー。

一眼レフに比べて小型化でき、ミラー駆動に伴う画面喪失が無いなどがRF機の

最大の魅力!

外装は当時京セラが最も得意としていたチタン素材で高級感と堅牢さを実現!

機能面は絞り優先AE及びマニュアルのシンプル設計。

RF機だけに望遠レンズは残念ながら用意されなかったものの、28・45・90ミリ

の3本を用意。

風景やスナップ撮影を主とした多くの愛好家に支持され、さらにレトロカメラ

ブームも相まってG1はスマッシュヒットします。

さらに京セラは追撃の手を緩めません。

G1発売から2年後の1996年。カール・ツァイス社150周年の記念すべき年に改良

モデルとなる『コンタックス G2』を世に送ります

先代モデルでの経験と幅広く改良の為の意見を聞き入れられた新型機種。

シャッタースピード及びシンクロ同調の高速化。(MAX1/6000&X1/200)

パッシブ&アクティブ両方式によるAFのスピードUPと精度向上

フォーカスダイヤルを増設し特にマニュルフォーカスの操作性が向上

撮影趣向に合わせて16・21・35ミリ及び35-70ズームを加えラインナップ強化!
(ちなみにこれらのレンズをG1で使用する際にはROM改良が必要となりました。。
 中古品の場合、パトローネの場所に緑シールが貼られていれば改良品)

これらの事はインパクト大で、G1からG2への買い替えされるユーザーも多く

同じく人気モデルの道を歩むことになります。


最後に。。

AF創世記に躓いてしまって京セラ。

他社との競合を避け独自化した結果に掴んだGシリーズでの成功。

しかし時代はまたもや待ってはくれません。

今度はデジタル化という大きな波にカメラ業界が飲み込まれます。

主役の座はどんどん奪われフイルムカメラは衰退の一途をたどります。

一時代を築いたGシリーズも京セラのカメラ事業撤退と共に製造・販売が2005年

に全て終了。。

またもや『コンタックス』ブランドは休止の憂き目に。。

そして今年で16年目。

再びこのブランドを復活はあるのか!

その時を信じて静かに待ちたいと思います。。 (了)

お知らせ。。

再びブームとなっているフイルムカメラ。
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