クラシックカメラ カメラのナニワ 心斎橋本店

【コラム】カメラ今昔物語 【キヤノン AE-1 PROGRAM 編】

カメラ今昔物語

こんにちは!心斎橋本店のたつみです

前回のCL&CLEのコラムが思わぬ反響で大変嬉しく思っています

(その前回コラムとやらはこちらから・・)
https://www.cameranonaniwa.co.jp/blogs/2220573036/

毎回自分なりに好きなように書いてますので『それちょっと違うんちゃうん?』

みたいな箇所もあるやも知れませんがそのあたりはご容赦の程を。。(^^;

さて今回は。。当時のカメラ小僧達の手番カメラ

キヤノンAE-1プログラム』についてのお話です


AE時代の申し子達

それは今から遡ること45年前。。

1976年に後に世界的なヒット商品となる新型一眼レフが発売されます。

その名は キヤノン『AE-1

それ以前の一眼レフと言えば、あたかも鉄の塊。

どうして使うのか分かり難い玄人の道具。
(家族から『絶対に触っるな!』とキツイお咎めを受けた先輩諸氏も多いはず)

そんな訳も分からない機械がボコボコ売れる訳ではなく、いつか買えたら良い

よね~とうい憧れの代物でありました

そのような時代においてとっか現れたのがAE-1。

小型で軽量で低価格。シャッター優先AEを搭載し、ワインダーを取り付ける事で

連写も可能!(キャッチフレーズの『連写一眼』はCMにもなりました)

世のニーズを押さえに押さえたこの新型モデルは瞬く間にメガヒット商品となり、

そこから始まるキヤノン『Aシリーズ』の快進撃の幕が切って落とされます

2年後の78年には早くもシリーズ最高峰機『A-1』を発売!
(とにかくキヤノンのネーミングのセンスは抜群です。。)

このようにして70年代後半から盤石の体制を築いていくことになります。。
⇒このあたりの話は2019年1月のブログにて
https://www.cameranonaniwa.co.jp/blogs/2220547226/

誰もが気軽に、簡単に、

A-1で世界初完全自動プログラムAEを実現させ勢いにのるキヤノン。

もちろん競合各社も手をこまねいていた訳でもなく
(もちろん指を咥えていた訳でもなく)

次々と思惑の機種をどんどん世に放ちます。

この頃一眼レフの出荷台数は年々右肩あがり。

かつてのデカくて、重くて、高くて、触れば怒られる(笑) ことなど,どこかに

吹っ飛びます。

誰しもがもっと写真を気軽に楽しめるようになるにはどうしたものか。。

トップメーカーに踊りでたキヤノンの開発陣は考えます。

手元にあるのは大ヒットカメラ『AE-1』と高級機『A-1』。。

『この2つ合体させたら良い感じじゃねぇ?』とは誰も言ってはないと思いますが、

かくしてさらに写真ファン拡大に向けたプロジェクトがスタートします。

まず掲げられた新型機のコンセプトは。。
・使いやすい操作性 → 抜本的なレイアウト見直し
・AEの充実 → プログラムAEを搭載
・速写性の向上 → モータードライブへの対応
・コストパフォーマンスの追求 → 部品の共通・共有化

これらのことを踏まえ、そしてさらに世間のニーズを組みとることにより開発が

すすめられた新型機種が1981年4月についに誕生します

与えられた名前は『AE-1 PROGRAM』(以下 AE-1+P)

80年代カメラ小僧の定番中の定番機種として走り始める事になります

おそらく良いカメラ。。なんだけども。。

このコラムを良くお読み頂いている方々にとってもドはまりされたであろうAE-1+P

を振り返ってみたいと思います。

名前の通り 初代AE-1の改良モデルとして登場したAE-1+Pですが各部において

ユーザーからの改善への声に大きく応えていきます

①シャッターダイヤルと感度ダイヤルの移設
②メインスイッチの独立化
③AEロックの新設
④A-1で好評を得たパームグリップの採用
⑤フォーカシングスクリーンのユーザー交換を可能に
などなど。。


これらの項目は開発コンセプトと合わせてAE-1+Pの大きなアイデンティティと

なります

それでいて価格は標準50ミリF1.8付で82,000円とリーズナブルプライス!

高校生が必死にバイトすればどうに買えるとあっては売れない訳がない!

先代のヒットを引き継ぐようにAE-1+Pも売れに売れます。。
(非公式ながら世界累計で2台合わせて800万台強!だそで。。)

一方で、見送られた機能も色々ありまして。。
◆まさか!ファインダー内でシャッタースピードの表示がされない。。
◆まさか!露出補正増設断念。。
◆まさか!高速シャッター1/1000止まり。。
◆まさか!後々にシャッター鳴きが発生する。。
などなど

コスパ&低価格実現を優先した結果、非常に出来上がりの良いカメラに仕上がった

一方でそれが故に見送られたしまった数々の機能。

それらを見越してか各社ライバル機はAE-1+Pを凌駕する機能を搭載し反撃します。

販売面で頭ひとつ抜け出しながらも突き抜ける事が出来なかった要因になろうとは。

またもや技術陣は考え、Aシリーズとは全く新しいコンセプトをへと向かいます。

が、これが思わぬ落とし穴になろうとはその時はキヤノンは気づいていませんでした


最後に。。

世の中に支持され、愛されたAE-1+P

多くのカメラ小僧を虜にし、写真の楽しみ方を広げたAE-1+P

後々『未完成』との誹りを受けながらも、ライバル機に性能面で劣り色褪せながらも

こつこつ製造は続けられたAE-1+Pは昭和から平成に変わろとしていた1988年に

完了となり、それと共に大ヒットとなった『Aシリーズ』も合わせて幕を引くことに

なったのでした

(了)


さて今回のコラムはいかがでしたでしょうか?

ところで何を隠そう(別に隠すほどのことでも無いのですが。。) 筆者が初めて

手に入れたカメラがこのAE-1+Pでした。
(ちなみに画像のカメラは筆者所有。。(^^;)

カメラが欲しくて欲しくて仕方がなかった中学生の頃に同級生が持っていたのが

これでした。

しかし当時に我が家は超極貧家庭でカタログを眺めるしか術がありませんでした。

迎えて高校生となり、夏休みに初めてバイト(当時時給500円)に精を出し、親の

静止を振り切り全額を使ってAE-1+Pを買いに行きました
(さすがに新品は無理で中古でしたけどね、、)

それからは写真のことは全てAE-1+Pが教えてくれました。。

もっともっと良いカメラは存在しますが、ボクにとって今でも生涯No1カメラです
(でもここしばらくは全然つかってませんけどね。。)

もうあれから35年ばかり経ちますが、しっかり管理すれば今でもちゃんと動きます

あなたも生涯のお気に入りの一台を見つけにナニワに来ませんか?

お待ちしてますね。

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