カメラ今昔物語
こんにちは! 心斎橋本店のたつみです
毎回熱狂的なファンに大ウケ(だと勝手に思っている)の当コラム。
特に筆者の少年時代の思い入れのあるフイルムカメラを中心に気ままにお話し
ております (^^;
今回は本線をお休みさせて頂き番外編。
デジタル一眼レフの創生期に圧倒的なインパクトを残した『キヤノン EOS D30』
にまつわるお話です
現在ではごく一般的となったデジタル一眼レフ。
昨今ではミラーレス機が主力となったり、動画機能が拡充されたりと改良・改善
の進歩は限りなく進んでいるのはご承知のとおり。。
インターネットのニュースでも度々出荷台数やメーカー占有率(シェアー)が
取りざたされていたりします
その中で今年の3月末にキヤノン公式HPから発信されたのが
【18年連続でレンズ交換式デジタルカメラの世界シェアNo.1を達成!】
\(^o^)/オメデトウゴザイマス
記事によりますと
・2003年~2020年まで足かけ18年に渡り世界シェアー1位を獲得!
・2019年にはEOSシリーズの累計生産台数が1億台を突破!
などなど『これでもか!』と言わんばかりの華やかな功績の数々。。
フイルムAF一眼レフ黎明期にボロ負けした黒歴史はどこ吹く風。
1987年からEOSシリーズを投入すると瞬く間にトップを奪い返しその後も魅力溢れ
る機種を次々と発売。
このあたりは過去のコラムでどうぞ
→https://www.cameranonaniwa.co.jp/blogs/2220561033/
90年代は並み居るライバル社と切磋琢磨し業界をけん引。
2000年以降のデジタル化以降も波に乗り前述のとおり20年近くも首位をキープ。
まさにプロサッカーリーグの〇崎Fのような圧倒的な強さ。
( ゚Д゚)ダントツヤン。。
この勢い、まだまだ続きそうな感じです。。
デジタル時代幕開け”前夜”。。
90年代後半から各メーカーにおいて次世代の一眼レフとしてデジタル化の取り組み
が本格化する中1995年(平成7年)7月、キヤノンはコダックと共同でデジタル一眼
レフの初号機となる『EOS DCS 3』を発売します。発売価格は破格の198万円!
技術的にも今とは比べ物にならないレベルの当時は、既存のカメラボディにデジタル
ユニットを合体させるやり方が主流。
キヤノンも『EOS-1N』ボディを基に130万画素CCDセンサー(20.5×16.4ミリ)を組み
込み、コダック製ユニットを下側にくっつけるいわば荒業で第1歩を踏み出し、さら
に同年暮れには上位モデルとなる600万画素CCDセンサー(27.6×18.4ミリ)搭載の
DCS 1(360万円)を相次いで投入しますが、まだまだデジタルへの理解がまだまだ
低い時代。
一部の大手新聞社などで導入されたぐらいで、一般的には大きな話題とはなりません
でした。
そこから3年後の1998年(平成10年)に小型化(といってもまだまだデカイ)を図っ
た後継機をそれぞれ同価格でモデルチェンジを図りますが状況を一変するまでとは
いきません。
・高い!(高級車1台分)
・重い!!(本体のみで1650g)
・使い勝手がイマイチ!!!(PCカード&TIFFフォーマット)
まだまだ一般アマチュアカメラマンが手に入れるだけの代物ではありませんでした。
(まぁ~基が業務需要機だけに出回らっなかったのもあるんですけどね。。)
そうしたなんともジリジリとした状況の中1999年9月ニコン『D1』が65万円で発売
されると人気機種となります。(当時は常識破り!とまで言われた価格設定)
さらに追い打ちを掛けるように富士フイルムが長らく共同開発を手掛けてきたニコン
とファインピクスS1PROを完成させ2000年7月に37万円で販売し低価格にも乗り出
します。
※ニコン フイルム一眼レフ F60がベースボディ
にわかに活気づく市場において大きく遅れをとってしまった感のキヤノン。
ニコン&フジ連合に屈するのか!?と思われた同年10月それまでの沈黙を打ち破る
かのように衝撃の新機種が誕生します。
既存の機種をベースとしないニューフェイス『EOS D30』が投入されたのでした
驚きばかりのニュ-フェイス
満を持して世に送られた『EOS D30』を振り返ってみましょう
先ずボディ構造はステンレス合金を骨格として外装にキヤノンお得意のエンジニア
プラスチックを組み合せ小型軽量を実現します(780g)
そして特筆すべきは現在では当たり前となったCMOSセンサー(22.7x15.1ミリ・
325万画素)を世界で初めて民生機に導入。
CCDよりも消費電力を抑えられ製造コストも下げられるのが最大のメリット。
これにより最大の課題であった省電力化と低価格化を図ります。
電源は扱いやすいリ充電式リチウムイオンバッテリーを採用。
また操作系はこれまたキヤノン一眼レフでお馴染みとなったモードダイヤルを装備。
従来機種と遜色なく扱えることにより使い勝手も大幅に向上。
後は使いながらデジタル要素を勉強するだけとユーザーにとっては大変親切な出来
栄え。
今までとは明らかに一線を画す内容と新技術を搭載しながらも販売価格は35万8千円
と革命的プライス!
瞬く間に人気機種となり、ライバル社とのアドバンテージを一気に縮めたのでした。
※当時はAPS-Cサイズセンサー用のレンズ【EF-S】は発売されておらずレンズ指標
はEFレンズ用の赤ポイントのみ。。
最後に。。
またもや衝撃的な性能と価格により世間の度肝を抜いたキヤノン。
もちろん追撃の手を緩めることはしません。
2002年3月には早くもD30の後継モデル『EOS D60』(630万画素CMOSセンサー
35万8千円)を、そして冒頭にお話した世界シェアーNO1になる最初の年2003年には
それ以降の中心モデルとなる中級機シリーズの初号機 EOS10D(630万画素CMOS
センサー 19万8千円)と入門者用の定番機種として愛される事となる KISS DIGITAL
の初代機(630万画素CMOSセンサレンズキット12万8千円)すると人気爆発!
以降現在まで続く快進撃が始まるのでした
(了)
さて今回は番外編をお届けしました
ほんの少し前だと思ってたのにもうに既に20年も経ってるんですね
あの当時、最新鋭と言われたEOS D30ですがさすがに超旧式モデルになってしまい
ました。(と言うか化石級? ^^;)
画素数はもとより、色調や絵作りなど、ま~あ『とりあえず写ってる』というレベル
になりました。
特に全体的に青み掛かった色調はお世辞にもキレイとは言い難い。。
(青空の青みを強調するのにはもってこいかも。。)
こうして振り返ってみると、この間の技術革新はすさまじく、今や第2次デジタル
革命(動画機能の拡充)とも言われています
皆さんのご質問も多岐多様化しお答えするのも四苦八苦しています (^^;
乗り遅れないように勉強に励みます。。(笑)