こんにちは!梅雨明けと同時に晴れが続き、連日の猛暑で溶けそうなレモン社池袋店の宮です。
今回ご紹介するのは、高級コンパクトフィルムカメラのNikon 35Ti!
35Tiは、ニコン唯一の高級コンパクトシリーズとして1993年に発売しました。
描写の良いニッコールレンズは逆光にも強く、露出精度の高さも定評があります…!
チタンボディにアナログ表示、露出時にクルクルと動く指針は見ているだけでも楽しく、今なお高い人気があります。
スペック・詳細については過去ブログでも一度取り上げましたが、今回は使い方をメインに書いていこうと思います!
【ボディ各部名称】
①フォーカスボタン
②セルフタイマーボタン/イルミネーターボタン
③露出補正ボタン
④アナログ表示部
⑤セレクトダイヤル
⑥シャッターボタン
⑦コマンドダイヤル
【撮影モード】
撮影モードは⑤のセレクトダイヤルを回し設定します。
P…プログラムAEモード
シャッターボタンを半押しすると、ピント・絞り・シャッタースピードが自動で設定されます。あとはシャッターボタンを押し込むだけで撮影できます。
A…絞り優先オートモード
コマンドダイヤルで絞りをセットできます。シャッターボタンを半押しすると、自動でピント・シャッタースピードが決まります。
絞り値(数字)が小さいほどピントの合う部分が狭くなり、ボケ感が強くなります。
T…長時間露出(タイム)モード
コマンドダイヤルで絞りをセットし、シャッターボタン半押しでピントを合わせたあとボタンを押し込むと露光を開始します。フィルムカウンター指針の秒針を見ながらもう一度シャッターボタンを押すと露光を終了します。
背面のパノラマ切り替えスイッチで、フィルムの上下がトリミングされたパノラマ撮影も可能になります。 |
【アナログ表示部】
上:フィルムカウンター/長時間露光用の秒数カウンター
シャッターを切ると指針が1つ進み、撮影枚数を表示します。
②セルフタイマーボタン/イルミネーターボタンを押しながらコマンドダイヤルを回すと、セルフタイマーの設定ができます。
"T"で撮影中はシャッターを押すと秒針の役割も果たします。
下:露出補正
③の露出補正ボタンを押しながらコマンドダイヤルを回すと、1/3ステップで+2〜-2段までの露出補正が可能になります。
右:絞り値
撮影時、コマンドダイヤルを回すことで絞りの調節ができます。
左:撮影距離
指針が一番上の位置でAFが作動します。
①のフォーカスボタンを押しながらコマンダーを回すと指針が動き、自身でピントを合わせる距離を選ぶことができます。
【撮影準備】
①電池を入れる
②デート機構(日付け入れ機能)設定
初期設定は35Ti発売日の「'93 1 1」となっていますので、電池を入れたらまず日時を合わせましょう!(2021年7月23日に設定してみます)
MODEを押すと真ん中の月(Month)が点滅するのでSETを押して月を設定。
さらにMODEを押すと日数が点滅するので、日付けを設定。
最後にもう一度MODEを押せば、日付けを合わせた「'21 7 23」に日時の変更が完了します!
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MODEを押すと、今度は表記が「7 23 '21」に変更されます。
↓
もう一度MODEを押すと表記が「'21 7 23」に変わるので、そのままMODEを長押しすると、今度は時刻の設定(年数と時間表示)ができるようになります。
SETを押して0〜24で時間を設定。
MODEを押すと分が点滅するのでSETを押して00〜59までの分数を設定。
最後にMODEを押せば時刻の設定は完了です!
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デート機構はセレクトダイヤルがOFF状態の時、MODEボタンを押すごとに「OFF(表記しない)」「年・月・日」「月・日・年」「日・月・年」「日・時・分」で表記の変更が可能です。
写真を撮る時々によって変えてみましょう!
③フィルム装填
ISO感度はフィルムに付いているDXコード(フィルムに付いているバーコード)による自動設定になります。
※DXコードが付いていない場合、ISO100に設定されます。
あとは蓋をして、セレクトダイヤルをP、A、Tいずれかにしてシャッターボタンを半押しすれば、自動で巻き上げが完了します。
カメラ上部の液晶が「1 」になっていれば、無事にフィルムの装填は完了です!
※「E」表示の場合、フィルムがうまく巻き取れていません!再度裏蓋を開けてフィルムを装填し直してください。
④フィルム取り出し
フィルムをすべて撮り終えると、自動でフィルムの巻き取りが始まります。
フィルムカウンターが"E"に戻り、巻き取りが完了したら再び裏蓋を開け、フィルムを取り出して現像に出し、データ化してもらいましょう!
【撮影】
"P"モードでしたら、ファインダーを覗いてシャッターボタンを押すだけで撮影が可能なので、はじめて撮影する方にオススメです!
※最短距離は40cmなので、それより近いとピントが合いません!近付きすぎないように注意しましょう。
シャッターボタンを半押しすると、ボディ上部のアナログ表示指針がクルクル動いて露出がオートで決まります。
※左の赤いライトは、暗い中でも指針が見えるように自動点灯します。
アナログ表示部を確認するクセを付けると、今どんな設定(露出)で撮っているのか、被写体までの距離がどれくらいになるか意識するようになると思います…!
この感覚を掴んでおくと後々のマニュアル操作がわかりやすくなるので、是非チェックしながら撮影してみてください!
●ボディ背面のファインダーを覗くと
上のボタンを押せば、強制発光できます!
※個体によっては、プッシュ式のボタンではなく28Tiの切り替えスイッチに改造されているものもあります(そちらの方が使いやすいです)!
【作例】
使用フィルム:富士フィルム 35mmフィルム SUPERIA PREMIUM 400 36枚撮 36EX
まずは外でテスト撮影。湿度低めでクリアな写り!
明暗差のある被写体だと、ややコントラストが高めになる印象です。
透明感〜!!繊細な写りでジッと見てしまいますね…
シャッタースピードがやや遅めでしたが、息を潜め、手持ちでなんとか撮れました。
タイルの微妙な色合い、ハイライトの階調も綺麗です。フラッシュもそこまで強くないので、嫌な光や影は出ませんでした。
ショーウィンドウの食品サンプルたち。上部がブレてますね…!
発光禁止のボタンを押しながらシャッターを切るのはなかなか難しいです…
発光禁止しながらの撮影はこんな感じ。手が大きいとさらに押さえづらいと思います…
(シャッタースピードがいくつであろうと)もちろん息は止めていますが…ブラさず取れるよう、さらなる修行に励もうと思います笑
【まとめ】
Nikon 35TIは見た目の可愛さもさることながらスッキリとした繊細な写りで、まさに"大人が持って歩きたくなる"高級コンパクトカメラでした!
初めてでも安心のPモードからちょっとステップアップしたAモード、長時間露光まで、手に入れれば1台で長く楽しめる愛機になりそうです。
※1993年発売故に、個体の状態はかなりバラつきがあります。購入の際は、モルトの劣化がないか・指針が正常に作動するか、店頭でよく確認しましょう!