こんにちは。なんばマルイ店の池田です。
さて今回は、OMデジタルソリューションズから発売されました新製品レンズ「オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO」の使用レビューをお届けしたいと思います。
このレンズは35mm換算で16-50mm相当の超広角ズームレンズでありながら50mm相当の標準域もカバーし、開放絞り値はズーム全域でF4.0と、この2点だけでも魅力を感じます。
これまでオリンパスブランドの超広角ズームと言えば、「7-14mm F2.8 PRO」「9-18mm F4.0-5.6」の2本が発売されていますが、今回の8-25mmはこの2本の間に入るレンズとなります。
7-14mmの描写は「これぞPROレンズ!」と思わせる素晴らしい描写性能ですが、一般的な丸型フィルターが装着できないという欠点もありました。
9-18mmについては、小型軽量で機動力抜群のレンズですが、小型軽量にしたがために、チープ感があるのも事実であり、また防塵防滴仕様になっていない事から、E-M1シリーズやE-M5シリーズのユーザーにとっては物足りなさを感じていたと思います。
そんな中登場した8-25mmはPROレンズであり、防塵防滴仕様にもなっており、フィルターも装着できるといった多くのメリットがあります。
今回はそんな「オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO」の魅力に作例写真とともに迫ってみたいと思います。
主な仕様
焦点距離 | 8-25mm ※35mm換算 16-50mm相当 |
レンズ構成 | 10群16枚 |
防塵防滴性能 | 保護等級1級(IPX1) |
最短撮影距離 | 0.23m (ズーム全域) |
最大撮影倍率 | 0.07倍(Wide)/ 0.21倍(Tele) |
フィルターサイズ | 72mm |
質量 | 411g (レンズキャップ、フードを除く) |
今回は機動力を優先して、E-M5 MarkIIIに装着して撮影してきました。
作例
まずは超広角8mmで撮影した写真です。
超広角レンズの特徴と言えば、遠近感を強調することができること。メイン(主役)となる被写体に近寄ることで、遠近感を表現することができます。
この写真では、空とヒマワリとのバランスを考えながら、右側のヒマワリにグッと近寄って、遠近感を出しています。
この写真は標準域の25mmで撮影したものです。
ここではミツバチを主役にするため、25mmにして接近して撮影しています。
このレンズの特長のひとつとして、最短撮影距離がズーム全域で0.23mと接近できることです。25mm側での撮影倍率は0.21倍で、マクロレンズほどではないものの、接近戦にも強いレンズとなっています。
この写真も25mmで撮影しています。
先程の写真とは違い、少し遠景で狙っています。
これは25mmまでズームができるからこそ撮れた写真です。超広角ズームの倍率と言えば、2倍ズーム程度で広角域しかカバーしていないものがほとんどです。
しかしこのレンズは25mmまでカバーしているので、レンズ交換なしに1本のレンズで同じヒマワリ畑でも変化に富んだ写真を撮ることができます。
場所が大きく変わって原生林。ここの森は苔が美しく、この場所にいるだけで癒される空間でした。
そんな空間を8mmの超広角で撮影したのがこの写真です。
これ以上後ろに下がれない状況でありながら、苔も樹木の葉っぱも入れて撮影したいという欲求を満たしてくれました。これも超広角レンズだからできる事です。
この写真は25mmにして、木の根っこの苔むした部分だけを切り取って撮影しています。
ヒマワリの作例のところでも書きましたが、レンズ交換なしに標準域が撮れるのは本当に便利です。この写真を撮影した場所は、水分を多く含んだ斜面で足元は悪く、カメラバッグを置いてレンズ交換なんてできる状況ではありませんでした。
8-25mm、たったの3倍ズームと思われがちですが、広角側の3倍ズームは画角の変化も大きく、メリットも大です。
この写真は開放F値4.0、焦点距離8mmで撮影しています。
ここでご覧いただきたいのは描写性能です。開放F値での撮影ですが、解像感は高く、さすがPROレンズと言った感じです。画像周辺部においても、像の流れなどもほとんどありません。
開放F値から、高い描写力を発揮してくれます。
苔むした巨木の根っこ部分を8mmで撮影しています。
この写真は被写界深度を深くするためF8で撮影しています。F8で撮影することで、開放F4.0よりも解像感が高くなります。特に周辺部の描写力は一気に良くなる印象を受けました。
開放F値でも高い描写性能を持っていますが、少し絞ることでワンランク上の画質を得ることができます。
逆光耐性はどうか。
1枚目は8mm、2枚目は25mmで撮影しています。
画面の中に、まともに日中の太陽を入れると、ゴーストが間違いなく出てしまいますので、木々や葉っぱの隙間から顔を出す太陽を入れて撮影してみました。
結果、わずかなゴーストは見られますが、逆光に強い「ZEROコーテイング」のおかげで、画面全体を通してクリアな画像を得ることができます。
8mmで撮影した1枚目の写真の中央の上部に、ゴーストらしき写り込みがありますが、これは小さな水滴がレンズ表面についていたものです。超広角レンズで絞って撮影する場合は、標準や望遠レンズでは写らないレンズ表面の水滴やホコリが写り込んでしまう場合がありますので注意が必要です。
最初の方でも書きましたが、このレンズの魅力は接写にも強いということです。
この写真は25mmで、苔の上の生えた植物を0.23mの最短撮影距離付近で撮影したものです。
ピント面はとてもシャープで、撮影時には気づかなかった葉っぱの裏にいる昆虫まではっきり写っています。
この8-25mmは25mmでもF4.0ですので、決して背景のボケを出すことが得意なレンズではありませんが、最短撮影距離あたりまで近寄ることで大きなボケ表現も可能です。
原生林を流れる渓流をPLフィルターを使用して撮影しています。
渓流や滝を含む風景写真においてはPLフィルターを装着して撮影することが多いのですが、超広角レンズの場合前玉が大きくて一般的なフィルターが装着できないものもあります。
オリンパスで言えば、7-14mm F2.8はフィルターを装着できません。
しかし、この8-25mmは一般的な超広角ズームレンズよりズーム倍率も高いにもかかわらず、フィルターを装着することができますので、自分の意図した作品に仕上げることができます。
まとめ
超広角ズームという位置づけながら、標準レンズとしても楽しめる新しいタイプのズームレンズであり、これ1本でバリエーション豊かな写真が撮れました。
超広角が欲しい場面が多い風景写真の分野では活躍できること間違いなしです。フィルターが装着できるのもプラス材料です。
描写力もPROレンズの名に恥じない実力で、解像度だけでなく、逆光耐性も素晴らしいと感じました。
その他、防塵防滴仕様になっていますので、E-M1シリーズやE-M5シリーズとの組み合わせで使っていただきたいレンズです。
オリンパスユーザーでまだ超広角ズームレンズを持っていないという方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
個人的には満足できる1本でした。
この記事に関するお問い合わせは・・・なんばマルイ店 池田まで