こんにちは、鹿児島天文館店の吉冨です。
今回ご紹介するのは、LAOWA(ラオワ)の単焦点マクロレンズ「LAOWA 100mm F2.8 2X Ultra Macro APO」です。
LAOWAさんのマクロレンズをレビューさせていただくのは今回で2回目になります。
1度目は「LAOWA 60mm F2.8 Ultra-Macro」焦点距離60mmの2倍ウルトラマクロレンズでした。
こちらの100mmマクロも同じく2倍マクロということですが、どんな写りなんでしょうか。
作例を交えてご紹介していきます。
1.最大撮影倍率2倍とは
最大撮影倍率が「2倍」なので、一般的なマクロレンズより2倍大きく被写体を写すことができます。
一般的なマクロレンズは最大撮影倍率が「1倍」で、カメラのセンサー面上に被写体と同じ大きさ(1:1)で投影することができます。
これに対し当レンズは最大撮影倍率が「2倍」なので、センサー面上に被写体を2倍の大きさ(2:1)で投影ができます。
2.レンズの特徴
- フルサイズ/APS-Cフォーマットに対応しています。
- ピント合わせはマニュアルフォーカスになります。
- 対応マウントは「キヤノン EF/ キヤノン RF/ ニコン F/ ニコン Z/ ソニー FE/ ペンタックス K/ ライカL」の7種類があります。
- 2倍マクロでありながら他社製の100mmマクロレンズクラスと同等のサイズ感です。
- 無限遠までシャープな画質でマクロレンズとしてだけでなく風景やポートレート等、様々な撮影に対応します。
そのほか詳細なスペックはこちらから⇒LAOWAさんの製品ページ
キヤノンEFマウントには電子接点があり、カメラ側から絞り値の設定ができるようになっています。
キヤノンEFマウント以外はレンズ側に絞りリングがついている設計になっています。
ピントリングのローレットは大きく操作性がいいので、マクロ撮影で必要なシビアなピント合わせも難なく行えます。
3.作例
こちらの写真、ある花を2倍マクロで撮影したのですが何かわかりますか?
正解は「ヒマワリ」でした!花の中央部分を2倍マクロで撮影した写真です。
2倍マクロで接写する場合、ワーキングディスタンス(レンズの先端から被写体までの距離)が約7cmほどと、被写体との距離が近くなる為ぶつからないよう注意が必要です。
続いては「サルスベリ」です。1mm程度と小さな雄しべですが2倍マクロでこれだけ大きく写せます。
近接撮影時は被写界深度は浅くなりピント合わせが、かなりシビアになるので三脚に据えての撮影がおすすめです。
無限遠の撮影も開放F2.8からシャープに写すことが出来ます。
今回、絞り値別で描写に違いが出るのか「F2.8・F11・F22」でテストを行いました。
結果は、絞り値F11で最もシャープでF22まで絞り込むと、小絞りボケの影響でシャープさが損なわれます。
小絞りボケで解像力が低下するので絞り過ぎには注意が必要です。
逆光耐性は高く、撮影中に気になるフレア・ゴーストはあまり出てきませんでした。
夕日や朝日など逆光になりやすい時間帯でも安心してお使いいただけるのではないでしょうか。
稀に、作例写真のようにフレアで少し白っぽくなることはあるのですが、レンズフードをつけることで防ぐことができます。
開放付近では周辺光量落ちが目立ちます。
絞り値F5.6まで絞り込むと周辺光量が目立たなくなるので、気になるシーンでは少し絞りこむか、RAWで撮影をおこない後処理で対応することができます。
キヤノンEFマウントには、電子接点がありEXIF情報の記録・カメラ側でのF値入力に対応していますが、周辺光量補正に必要なレンズの補正データのやり取りは行っていません。
ピント面は芯がしっかり残っており、ボケは前後ともクセが少なく、とてもなめらかです。
なめらかで美しいボケ味と、大きな背景ボケを生みやすい100mmという焦点距離でポートレートにも最適ではないでしょうか。
4.最後に
一般的な100mmマクロレンズと同等のサイズ感で最大撮影倍率2倍まで撮影ができる、これまでにない画期的なレンズです。
お値段も純正の100mm/F2.8と比べて安いのでマクロレンズを使ったことのない方にもおすすめです。
ピント合わせはMFのみですが、被写界深度が浅くピント合わせがシビアなマクロ撮影は、もとよりMFの方が多いのではないでしょうか。
マクロレンズで重要視される“ピントの合わせやすさ”も上々で、大きく回しやすいピントリングで程よい重さもあり、ストレスなく撮影に挑むことができます。
これからマクロ撮影を始めてみたい方、等倍マクロレンズを持っているけどもっと大きく写したい方におすすめの一本です。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 吉冨まで