Nikon Ai 50mm f/1.4SとFUJIFILM X-T4でクラシックな写りを楽しむ【お写んぽ】

カメラのナニワ京都店の阿部です。

Ai Nikkor 50mm f/1.4Sは、1981年に発売されたMFのニコンFマウント用のレンズ。

ニコンF3の直後に発売されてから約40年もの間販売され続け、ついに生産完了となりました。

Ai-Sの50mmといえば他にもコンパクトなF1.8、Fマウント最高の明るさを誇るF1.2もあります。

しかし、その間をいくF1.4は性能、コスパ共に優秀でスタンダード中のスタンダードとなりました。

筆者もニコンのフィルムカメラを使用する時は必ず持っていくレンズです。

もちろん現行のニコンデジタル一眼レフでも普通に装着できるがゆえに、あえて富士フイルムのミラーレスカメラにつけるメリットはあるのかというところですが……。

これがなかなかどうして良かったため今回記事にしました。

使用するカメラはFUJIFILM X-T4。K&F Conceptのマウントアダプター経由で装着しました。F1.4と大口径ながら小ぶりなサイズ感が良いです。

富士フイルムとニコンって結構親和性高いのではないかと個人的に思っています。

かつてはデジカメの共同開発もしてたぐらいですから、両社のフィロソフィーに何か共通する部分があるのかもしれません。X-T4とニコンFAを比べてみるとボディデザインもちょっと似てませんか?
絞りの向きは一緒なのにシャッタースピードダイヤルの向きは逆なので、2台持ちするとちょっと混乱します。


まずは雨上がりの早朝に近所をお写んぽです。

使用するフィルムシミュレーションはクラシックネガ

くっきりとしたコントラストに、フィルム・SUPERIAを模したという色味。

何よりも私が好きなのは明るくなりすぎない、豊かな緑色です。

こちらは開放付近で撮影しましたが、レンズの描写を見ると雨粒のツヤ感、葉脈の立体感と、見事の一言です。絞りでの描写の違いですが、F1.4はひたすら甘く柔らかい写り。

APS-Cセンサーの画角でも少~し周辺減光が見られるでしょうか。口径食によりややラグビーボール型に近い玉ボケに。F2.8にするとシャープさが出てきます。絞り羽根7枚で円形絞りではないので、7角形のボケとなります。 地面が濡れてる時は特に身体を下につけたくないですよね。こういったローアングルではX-T4のバリアングルモニターが活躍します。

モニターとピーキング機能でピント合わせもしやすく、フィルムカメラではなかなか撮れない写真です。APS-Cにつけるとフルサイズ換算75mm程度になり、ポートレートに向く中望遠レンズとなります。

ここでは電柱を人に見立ててポートレートテストしてみました。(そのため背景選びがテキトーですみません)

開放付近で撮ると二線ボケの傾向が見られますが、フィルムで撮ったようなレトロなボケがなかなか良いではありませんか。

ここでは皆様の妄想力を発揮していただきたいのですが、砂浜で麦わら帽子の女の子とか撮ったら超映えそう。 AF前提の現代レンズではフォーカスリングに粘りがあることが多いのですが、このレンズのフォーカスリングは(個体差もあると思いますが)回し心地が適度に軽いです。

さっとピントを合わせることができるので、スナップで使いやすいです。
最短撮影距離は0.45m。なかなか寄れます。逆光時はふんわり柔らかな描写となりますが、極端なフレア・ゴーストはここでは見られず、レンズの優秀さが垣間見えます。 遠景や絞った時も立体的で良いですね。 昼間の撮影ではX-T4の設定をクラシックネガ、彩度を+2、カラークローム・エフェクト(ブルー)をONにして、青空を少し強調してみました。

彩度が上がっても「生」っぽさを感じられる色味でうっとりします。ちょっとだけ絞って撮ったように記憶しておりますが、被写界深度がよくわかる写真。

ざわっとしたボケがなんだか迫りくるような感覚を演出しております。 いかがでしたでしょうか。

Ai Nikkor 50mm f/1.4Sは適度な解像感と柔らかくレトロなボケ味、オールドレンズの中でもとても扱いやすいレンズです。

それがFUJIFILMの色味と組み合わされることで、デジタルでもクラシカルな写りを楽しむことが出来ました。

想定していないボディにつけるとレンズ本来の実力を発揮できないと言われております。

確かにそうかもしれませんが、こんな化学反応を楽しめるとあっては、やってみずにはいられない、カメラのナニワ京都店の阿部でした。

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