数十年前は「フイルムは生ものです」とよく耳にした覚えがあります。
どのフイルムにも有効期限がありますので、購入時のチェックをお薦めします!
【①フイルムの有効期限】
現在、デジカメ用メモリーカードには特に有効期限がありませんが、銀塩フィルムはパッケージに必ずスタンプされています。
今回は、レモン社の数店より回収ができた有効期限切れフイルムを紹介します。
期限こそ切れていますが全て未撮影品なんです!
中古の買取時に、お客様から「もう使わないので」と、ご提供頂いた物がほとんどですが、店ではありがたくカメラのフイルム装填確認、初心の方への装填説明などに使用させて頂いております。
食品の賞味期限と同様に期限が切れると品質は徐々に落ちてきます。
ちなみに、どのように劣化するかと言いますと
◦カラーバランスが崩れる(発色が変化してくる)
◦コントラストが低下する(ハイライト、シャドーの締りがなくなり眠い画像になる)
◦フィルムの感度が落ちる(表示の感度で撮影しても暗くなる)
◦粒子が荒くなりザラつく(ザラザラした画像となりシャープでなくなる)
一般的にはこの様に言われています。ですので大事な撮影ではおススメできません。
【②回収できたフイルムの種類】
「そんなの知ってるよ」という方も多いと思いますが、よろしければ、お付き合い下さい。
◦135フイルム(35mm)
言わずと知れた世界中の誰もが知る王道フイルムで、現在もカメラ専門店では販売されています。
ここ数年はデジタルカメラの圧倒的な普及により生産される種類、感度が限られてしまいました。
また価格も残念ながら以前よりかなり高騰していますが、最近はデジカメ世代でカメラ歴の長くない若い層などに特に支持され続けています。
◦120フイルム
おもに中判カメラ(ハッセル、マミヤ、ローライなどの二眼)で使用されますが、カメラによりフォーマットが6×4.5cm、6×6cm、6×9cm…などと違いがあります。
このため撮影枚数がカメラにより異なります。また、以前は1本単位で販売もしていましたが、現在は5本パックのみです。
更に、フイルムに裏紙が無い220という倍の枚数が撮れるフイルムも以前にはあり、一部のカメラには120と220フイルムが撮影前に切り替えられるカメラも存在しました。
◦APS(アドバンストフォトシステム)フイルム
撮影中に画像の比率切り替え(3種)ができ、カートリッジを見るとフイルムが撮影済かどうかも確認が可能と、当時は新鮮でした。
ですが、プロなどには使用されず、2012年にはフイルムメーカーから生産完了が発表されました。
◦ミノックス判フイルム
カメラ、フイルム共に小型化されていて、スパイカメラとしても世界的に知られました。
日本でもミノックスクラブという会もあり、コアなファンが多かったカメラでしたが、こちらのフイルムも現在は生産が終了しています。
◦110(ワンテン)フイルム
1972年にコダックが導入した規格でしたが、使用カメラは主に安価なカメラが多く80年代半ばにはほとんどのカメラが生産を中止され2009年にはフイルムも生産終了。
その後、現在はロモグラフィーが復活させた製品が販売されています。
◦サイズ比べ
ボルタ判、127などもあり、最後にサイズ比べをしてみました。
【③期限切れフィルムで実写】
あえてフイルム感度はDX対応で露出補正も出来ない機種を新宿店の中古の在庫より選びました。
また近所をブラブラして撮影した中から色気などの劣化が分かり易いカットを紹介します。
同プリは今回も知人がいるDPE店で、通常仕上げと補正有とでプリントとデータをお願いしてみましたが、残念ながら現像代も、この9月から若干の値上がりがあった様です。
上が補正無し、下が補正有です。思った以上に補正は有効で、何となくアート写真の一歩手前のような仕上がりになったと思うのですが!?
【最後に】
わたしが所有している誕生年(1966年)のカメラ年鑑です。
長々となってしまいましたが、何か参考にして頂けましたでしょうか?
ちなみに期限切れフィルムを現像する際には追加料金が発生する場合があります。
弊社のネット現像サービスですと、330円が追加でかかりますのでご注意を。
https://cameranonaniwa.jp/shop/g/g2999991081199/
それでは、皆さまもいろいろなフィルムを楽しんでください。