こんにちは、鹿児島天文館店の吉冨です。
今回ご紹介するのは、2021年10月13日発売の新製品LAOWA(ラオワ)の大口径単焦点レンズ「Argus FF II 35mm F0.95」です。
開放F0.95と非常に明るいため暗い場所での撮影や大きなボケ味を活かしたポートレート撮影に最適なレンズです。
フルサイズミラーレス対応で、キヤノンRF、ソニーE、ニコンZマウント用がラインナップされています。
1. 外観・操作性
重さは約755g、最大径×全長は約76.8×103mm
ずっしりと重みがあり、安定した撮影ができます。フォーカスリングの回転は滑らかで適度な重さもありピント合わせしやすく操作性は良好です。
切替可能な絞りリングのクリック
絞りリングのクリックの有無を切り替えできるようになっており、動画撮影時にはクリックを無くすことでスムーズな絞りの変更ができます。
2. APS-Cフォーマット対応CF33mmとの比較
左側が「Argus CF 33mm F0.95 APO」、右側が「Argus FF 35mm F0.95」
同社LAOWA Argusシリーズから、APS-Cフォーマット対応の33mm F0.95がラインナップされています。こちらの2本で比較撮影した写真が以下の写真です。
「Argus FF 35mm F0.95」
「Argus CF 33mm F0.95 APO」
「Argus FF 35mm F0.95」
「Argus CF 33mm F0.95 APO」
33mmと35mmともにレンズ構成は9群14枚、ボケ味など写りの特性はよく似ています。
大きさ重さの違いはありますのでAPS-Cフォーマットのカメラをお使いの方は33mm、フルサイズフォーマットのカメラをお使いの方は35mmを選ぶとよいのではないでしょうか。
3. 実写
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7ⅱ
大口径ならではの大きく溶けるような美しいボケ味です。ピント面もシャープ過ぎず優しい写りです。
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/6400秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7ⅱ
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/8000秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7ⅱ
絞り開放での撮影時、背景との距離によっては個性的なボケ味を見せてくれます。
メインの被写体だけでなく背景のボケ味も意識して撮影すると、他のレンズでは撮影できない面白い写真を撮ることが出来ます。
【逆光撮影】絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/2500秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7ⅱ
強い光源に向けるとオールドレンズのようなふんわりと優しいゴースト・フレアが現れ、温かみを感じる印象的な写真を撮ることができます。
4. 作例
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/6400秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7ⅱ
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:800 / 使用機材:SONY α7ⅱ
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7ⅱ
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:800 / 使用機材:SONY α7ⅱ
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/5000秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7ⅱ
絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:100 / 使用機材: 使用機材:SONY α7ⅱ
絞り:F8 / シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:1000 / 使用機材: 使用機材:SONY α7ⅱ
絞り:F16 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:100 / 使用機材: 使用機材:SONY α7ⅱ
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100 / 使用機材: 使用機材:SONY α7ⅱ
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:800 / 使用機材:SONY α7ⅱ
5. 最後に
開放F0.95の被写界深度はとても浅く、マニュアルフォーカスでのピント合わせは少し慣れが必要です。
しかし、ライブビューの拡大表示、ピーキングを活用して撮影すると、それほど難しい操作ではありません。
夜間のスナップ撮影や大きなボケ味を活かしたポートレート撮影では他のレンズでは表現できない個性的な写真を撮ることができる唯一無二のレンズです。
鹿児島天文館店 吉冨