チリ・クモリ・拭きキズ【難あり⁉】レンズ試写!

皆様こんにちは!寒くなるにつれ、食欲・睡眠欲・購買欲が日々増しております レモン社池袋店の宮です(v)

中古レンズのコンディションを見ていると、“チリ” “クモリ” “拭きキズ”という表記を見かけることがあると思います。

実際写りにどのような影響があるのか…今回は手持ちのNIKKOR-S Auto 35mm/f2.8で検証してみます!


【コンディション】

表面は拭きキズが多く、チリもそこそこ混入、クモリもありますね…


【レンズ内のチリ・クモリ・拭きキズはどうやって発生するの?】

レンズ内のチリは製造の過程で混入してしまうことも多く、使用するうちにレンズの隙間から入り込んでしまいます。

拭きキズは字のごとく、レンズ面を乾いた布やティッシュなどで拭いてしまい、隙間に挟まった埃や粒子でレンズ面を傷付けてしまった状態。

クモリはレンズ内の水蒸気、溶剤や油の揮発に伴い発生した気体によるものです。

レンズのチリ・クモリはレンズ内部なので分解しないかぎり除去は難しく、知識の無いまま分解してしまうと元に戻らない…という悲劇が起こります。

レンズによっては修理業者に依頼すれば取れる場合もありますが、多少でしたら実写にはそこまで影響はありません。

過去ブログでも、そのほかコンディションに難アリのレンズの撮影(実験)を取り上げていますので、こちらも参考にしてみてください(・∀・)!

レンズの傷に関しても、自己判断で研磨すると(表面上は綺麗になったように見えても)表面を削りすぎて光の屈折率が変わってしまうことがあるのでプロにお願いしたほうがよさそうです…!

※レンズの製造年代によっては当時のコーティング剤が今はもう無かったりするので、キレイになっても別物のレンズになってしまう可能性はあります…


さて、クモリ・拭きキズが多いこの個体、どんな写りを見せてくれるのでしょう…!さっそく撮影してみます!↓↓

【実写】(1/400秒 F11 ISO800)

絞った状態の近景。コントラストが強い被写体のせいもあってか、そこまで気にならない…?

(1/320秒 F16 ISO3200)

絞った状態の遠景。光の当たったビル部分がフワッとした写りになっていますね。

(1/500秒 F5.6 ISO200)

絞りを開けると影の部分もやわらかくなってきます。

(1/320秒 F8 ISO800)

(1/320秒 F5.6 ISO640)

日陰での撮影。光の当たったところが印象的に浮き上がります。

(1/1250秒 F8 ISO800)(1/1600秒 F8 ISO320)

日向では白昼夢のよう(・v・)

(1/3200秒 F2.8 ISO800)

開放・ハイキー気味で撮るとフィルム風にも見えます。

(1/160秒 F8 ISO1250)

(1/160秒 F8 ISO800)

(1/500秒 F5.6 ISO500)

光を意識しつつ、ボケ感(空気感)を取り込むつもりで撮影すると楽しいかもしれません。


(1/200秒 F5.6 ISO3200)

(1/125秒 F5.6 ISO1600)

夜間撮影。暗い中ではより一層ムードが増しますね ( ・∀・)

(1/80秒 F5.6 ISO5000)

喫茶店でもフィルター加工要らず!


【まとめ】
レンズ全面やコーティングまで剥がれた拭きキズがあるものは、やはり写りに大きく影響することがわかりました…!

しかし、高画質ゆえに“ハッキリと写りすぎる”写真に飽きてしまった人、雰囲気のある写真を撮りたい人にはピッタリかもしれません(`・v・)

良いコンディションのものに比べてお値段を抑えられるのも高ポイント!

表現によっては状態のいいものすべてが“良いレンズ”とは限らないので、みなさんも是非、遊びや作品作りに、“チリ・クモリ・拭きキズのあるレンズ”をお試しください!