こんにちは。なんばマルイ店の池田です。
さて今回は新製品レンズの使用レビューです。
2021年1月オリンパスからOMデジタルソリューションズに社名が変わり、そして10月27日に「OM SYSTEM」という新ブランドの立ち上げが発表されました。
今回は、その新ブランド「OM SYSTEM」の名称が初めてついた新製品レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO」の使用レビューをお届けいたします。
発売日は2021年12月10日。
このレンズはマイクロフォーサーズ規格ですので、35mm換算では40mm相当の画角になります。これまでオリンパスからは17mm、25mmは発売されていましたが、20mmは初めてのレンズとなります。
40mmという画角ってどうなんだろうと思いながら、OM-D E-M5 MarkIIIに装着して撮影してきました。
主な仕様
焦点距離 | 20mm(35mm換算 40mm相当) |
レンズ構成 | 10群11枚 |
防滴性能・防塵機構 | 保護等級1級(IPX1) 防塵設計 |
最短撮影距離 | 0.25m |
最大撮影倍率 | 0.11倍(35mm換算 0.22倍相当) |
絞り羽枚数 | 9枚(円形絞り) |
フィルターサイズ | 58mm |
質量 | 247g(キャップ・フード除く) |
レンズの質量がPROレンズでありながら、247gと軽量コンパクトなので、OM-D E-M5 MarkIIIとの相性は抜群です。
作例
秋らしい雲がキレイな滋賀県の琵琶湖。
このような風景写真を撮影する場合は、少し絞り込んで撮影するものですが、ここでは開放F値の1.4で撮影しています。
開放F値で撮影した場合、周辺光量の低下などが見られる場合もありますが、このレンズに関しては絞り開放でも周辺光量落ちは見られません。
また画質についても、ピントを合わせた手前の木はしっかり解像しており、絞り開放からでも高画質が得られます。
絞り開放でも解像感の高い画質が得られますが、やはり被写界深度を深くする機会も多くあります。やはり少し絞り込むことで解像感は上がり、PROレンズの名に恥じない素晴らしい描写力を発揮してくれます。
この写真においても、画像中心だけでなく周辺部まで、紅葉したモミジがしっかりと描写されており、レンズ性能の高さがうかがえます。
逆光耐性はどうか。
太陽の光がクロスになるように、絞り込んで撮影しています。
この2枚の写真からはゴーストやフレア見られません。逆光に強くするためのZEROコーティングが効いているのでしょう。
もちろん太陽の位置や光線の強さによっては、多少のゴーストやフレアは出てしまいますが、逆光に強いレンズと言っても過言ではないでしょう。
このレンズの特長として、「美しくにじむボケ」が得られることにあります。
このボケ味はこれまでに発売されているM.ZUIKO PRO 1.2シリーズがベースとなっています。ピント面はシャープでありながら、にじむように滑らかにボケていくのが特長です。
上の写真の点光源のボケは硬いボケではなく、周辺がにじんだような柔らかいボケになっています。
また、開放絞りで点光源を撮影した場合、画像の周辺のボケがレモンのような楕円形のボケになってしまう「口径食」が出てしまうのが一般的ですが、このレンズはその口径食がとても少ないと感じました。
またAF性能も申し分なく、魚のように動きの速い被写体においてもオートフォーカスは瞬時に合い、E-M5 MarkIIIのAF性能をしっかり活かしてくれます。
このレンズの最短撮影距離は25cmで、最大撮影倍率は0.11倍(35mm換算で0.22倍相当)となっています。
決して近接撮影性能が優れているとは言えませんが、近接撮影することで「美しくにじむボケ」を味わうことができます。
2枚目のキノコは本当に小さいものですが、この大きさで写すことができます。
あまり料理の写真は撮らないのですが、ちょうど作例撮りのタイミングでフランス料理店へ行ったので撮影してみました。
ボケ味が良いのは、これまでにご紹介してきた通りですが、35mm換算40mmという画角が料理の写真を撮る上で、いい感じの画角でした。
広くもなく、狭くもなくと言った感じで、とても撮影しやすく感じました。
その他の作例
まとめ
日頃、ズームレンズばかり使用している私にとって、単焦点レンズで撮影するのは何かと不安が付きまといます。
しかし、実際に使用してみると35mm換算40mm相当の画角がとても使い勝手が良いと感じました。35mmだと少し広すぎで、50mmだとちょっとだけ狭い。その中間の40mmが私にはピッタリでした。
今回撮影した被写体は風景やスナップ、料理など、このレンズでバリエーション豊かな作品づくりが楽しめました。
PROレンズということもあり、素晴らしい描写力を得られるだけでなく、単焦点ならではの「美しいにじむボケ」には大きな魅力を感じました。
高画質と美しいボケを両立させた「M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO」は小型軽量ということもあり持ち運びにも便利で、今回使用したOM-D E-M5 MarkIIIとの組み合わせでも約660gと機動力も抜群です。
単焦点レンズの沼にハマってしまいそうです。
この記事に関するお問い合わせは・・・なんばマルイ店 池田まで