今回は未開封のAPSフィルムが手に入ったのでそれを試した企画です。
未開封のAPSフィルムにも興奮が抑えられず今年いっぱいは興奮しっぱなしです。
年の瀬ぐらい落ち着きたいところですが、そうも言ってられないぐらい興奮するものがあります。
その興奮はブログでお伝えしたいと思っておりますのでいつかのブログで興奮を解き放ちます。
誰が興味あんねんっていう類のブログ(今回もそう)。
【伝えたいこと】
- APSフィルムというフィルムが存在していたこと
- CONTAX Tixというカメラのこと
- 期限切れのフィルムの写り
この三点をご紹介していきたいと思います。
ちなみに、先にお伝えしておくと、APSフィルムは約10年前に生産完了しており、ほぼ入手不可能です。
また、手に入れたとしても、確実に期限切れとなっています。
APSフィルムの現像やプリントは自店で処理できないことが多く、外注となっておりますのでご注意ください。
ややこしい話は置いておいて、作例だけ見たい方はこちらをどうぞ。
【APS=アドバンストフォトシステム】
英語直訳で「先進的な写真機構」
つまりは新しいフィルムのフォーマットでした。
名称が時代の最先端を行く画期的なシステムって感じがしていつの時代に聞いてもかっこいいですね。
皆の衆は「APS」と聞くと何を思い浮かべますか?
今の時代だとダントツで「APS-C」に関することが多いと思います。
APS-Cセンサーや、そのセンサーを搭載したカメラ、少数派だとAPS-HセンサーやライカM8、キヤノン1Dシリーズがいるかな。
ちなみにデジタルのAPS-CやAPS-Hは、フィルムのAPS-C、APS-Hとまったく同じではないのでご注意ください。
重ねてみると横幅の長さが明らかに違うのがわかると思います。
ややこしい話
筆者が今の時代だからこそややこしいと感じたお話です。
当時、APSフィルムを使用していた方なら理解されていることだと思いますのでスルーしていただいて結構です。
何があったかと言うと、ファインダー内のブライトフレームが3:2の状態で撮影しました。
現像後データ化された写真の比率は約16:9だったのです。
上の画像のようにファインダーで見ている範囲は線内の3:2の比率で、データ化された写真はフィルム1コマの全体16:9の比率で、ファインダーで見た光景より左右が広く写っていました。
当時、APSフィルムは撮影後プリントする際に16:9のH、3:2のC、3:1のPが選べるようになっており、ほとんどの方が3:2でプリントをされていたそうです。
方法は16:9の長辺を切り、3:2でプリントをする。
ですので、3:2の前提で使用するカメラだった。
しかし、APSフィルムは撮影すると16:9(フィルム全面積)で露光されます。
データ化をするとそのまま16:9比率のデータになります。
当時はL判プリント(3:2が多い)、現在はデータ(16:9)で乖離が発生していたのです。
ホント今だからややこしくなるお話でした。
後々知ったのですが、CONTAX Tixは
ですので、アタクシの認識不足と知識不足により余計ややこしく感じてしまいました。
ちなみにそれぞれのクロップ係数は以下の通りです↓
APS-H=16:9
クロップ係数は1.25倍 35mm判換算35mm
APS-C=3:2
クロップ係数は1.51倍 35mm判換算約42mm
APS-P=3:1
クロップ係数は1.37倍 35mm判換算約38mm
【CONTAX Tix】
ざっくりとしたスペック
レンズ | Sonnar T*28mm F2.8(4群6枚) |
撮影距離 | 0.35m~∞ |
シャッター |
15秒~1/1000秒 |
露出制御 | プログラムAE、絞り優先AE |
使用電池 | CR2リチウム電池(1個) |
大きさ | 幅100.5×高さ60.5×奥行き33mm |
重さ |
225g |
1997年に発売されたカメラでAPSフィルムを使用する唯一の高級コンパクトフィルムカメラ。
T2のようなチタン外装でT3のようなコンパクトさでルックスが大変すばらしい◎
ショーケース内に並べているとよく声がかかります(結局使えないことを案内するしかないけど)
絞り優先AEとプログラムAEが使用できる使いやすいカメラです。
日付・時刻設定、タイトル、撮影時の露出を磁気情報として記録することができました。
日付印字は4種類で
月・日・年
日・月・年
年・月・日
時・分
の4種類と印字なしが選択できます。
これらはプリントの際に写真の両面か裏面のみに印字するかを選択できました。
タイトルはいわゆるキャプションと同じで6か国語、9種類のタイトルを設定可能で日本語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語の6か国語。
オメデトウ、アリガトウ、アイラブユー、
パーティ、タンジョウビ、ケッコン
メリークリスマス、アケマシテオメデトウ
ソツギョウの9種類のタイトルです。
これらはプリントの裏面のみに印字されます。
余談ですが、今回撮影した際に
Joyeux Noël
(フランス語のメリークリスマス)や
パーティや露出設定を磁気記録しました。
しかしながら、これらはすべてプリントされるときに印字されるものであり、今回のデータ化では無意味でした。
せめて露出記録だけでも見たかったな……。
仮に情報を記録できたとしてもプリンター側が壊れている可能性もありますので、必ず印字できると思わない方がいいです。
その逆パターンもあるのでね、、、
20年も経過してますしね、、、
隠しフードギミック
そして、Tixで最もスタイリッシュだと思ったところが
フードが内蔵されている機構です。
この隠しフードのギミックがかっこよすぎてツボなんですよね~
コンパクトなのにこういう機構もあってよくできているカメラですね。
【作例】
※カメラはCONTAX Tix Sonnar T* 28/2.8二台体制
※使用したフィルムはnexia 400 25枚撮り
※2009年5月に期限切れ
※スキャン時に自動補正有
補正アリナシの比較
12年前に期限が切れているので、自動補正アリと可能な限り補正を外したものを比較したいと思います。
こんな感じで12年も経過しているとまともではないですね。
しかしながら、写真にもよりますがスキャナーの自動補正は結構綺麗に補正してくれますね。
スキャナーには感謝です。
ここからは自動補正アリの作例のみです。
いかがでしたでしょうか?
いろいろ長々と書きましたけど
- APSフィルムについて
- Tixについて
- 期限切れフィルムの写り
それぞれ伝わりましたか?
今さらAPSフィルムを使ってブログ書く人なんてほとんどいないと思うのであえて書きました。
自分が生まれた頃の歴史を知れて個人的には満足です。
少しでもこういう「コト」、「モノ」があったことを知っていただければと思います。