こんにちは。なんばマルイ店の池田です。
コロナに振り回された2021年もまもなく終わります。2022年は良い年となることを願うばかりです。
さて今回は、「初日の出を撮ろう!」ということで、朝陽の撮り方をご紹介させていただきます。
2022年の素晴らしい幕開けを撮ってみませんか? ちょっとしたコツで、素敵な写真になりますよ。
初日の出だけでなく、これから出会う朝陽や夕陽の撮影時にも使える内容ですので、ぜひ参考にしてください。
【準備】
5つのポイントの前にまずは準備です。私が必ず用意している準備物をご紹介いたします。
準備物
・カメラ本体
・レンズ(広角~望遠まであると良い)
・三脚(日の出前の暗い時間の撮影では必須)
・レリーズ・リモートコード
・予備バッテリー(冬場は消耗が激しい)
・手袋
・ヘッドランプ(または懐中電灯)
その他、冬場の早朝は冷え込みますので、防寒対策はしっかり行ってください。
①撮影ポイント選びと時間
まず大事なのが撮影する場所。朝陽なので、東の方向が開けていれば撮影はできます。
しかし、ただ単に東を向いて撮れば良いというものでもありません。せっかくならキレイに撮りたいものです。
オススメの場所としては海や湖、川や池など水のあるところです。
例えば琵琶湖。琵琶湖の湖西からなら、色んな場所から撮影することができ、私も良く撮影に出かけます。
大阪で近場ですと、淀川の河川敷なども良いでしょう。
なぜ水のある場所が良いのかと言いますと、太陽の光が水面に反射してとてもキレイだからです。
もちろん山の頂上から見る朝陽も最高ですが、そこまでのアクセスも大変なので、今回は水辺をオススメさせていただきました。
そして、もう一つ大切なのが時間です。
出来れば日の出の1時間前、遅くても30分前までには撮影地に着いておきましょう。
その理由は、太陽が出る前の空がキレイに焼けたり、グラデーションがキレイだったりと、朝陽以上にキレイなシーンを見れる可能性があります。
朝陽だけなら日の出時間の少し前に到着すれば良いのですが、せっかく早起きをするなら頑張って早い時間からスタンバイしましょう。
日の出の時間や方角を知りたい場合、私は「日の出日の入時刻方角マップ」というサイトで確認します。リンクを貼っておきますので参考にしてください。
撮影場所と日の出の時間が決まれば、次は撮影です。
②ホワイトバランス
朝陽や夕陽を撮影する時はホワイトバランスの設定を変更しましょう。
デジタル一眼を含め、デジタルカメラ購入時のホワイトバランスの初期設定は「AWB」、オートホワイトバランスになっています。
オートホワイトバランスの機能というのは、白いもの白く撮るためにカメラが自動でフィルターをかけて補正するようなものです。
朝陽や夕陽の撮影時にオートホワイトバランスのままで撮影すると、赤みが弱く表現されてしまうことがあります。
そこで、ホワイトバランスは「太陽光」にすることで、キレイな赤みを表現することができ、また夜明け前のブルートーンの空もキレイに撮影することができます。
太陽光にセットして思うようにならない場合は、色温度(ケルビン)設定で調整すると良いでしょう。
ホワイトバランスをオートから太陽に変更するだけで、雲の色が黄色からオレンジ色になり、朝陽に相応しい色再現となりました。
③仕上がり設定
仕上がり設定とは、撮影シーンや撮影意図に合わせて色再現を設定することで、この機能はメーカーによって呼び名が変わります。
主なメーカーの呼び名は以下の通りです。
キヤノン・・・ピクチャースタイル
ニコン・・・ピクチャーコントロール
ソニー・・・クリエイティブスタイル
フジ・・・フイルムシミュレーション
オリンパス・・・ピクチャーモード
ペンタックス・・・カスタムイメージ
各メーカーとも初期の仕上がり設定はスタンダードが多くなっています。
スタンダードは派手でもなく、地味でもなく、一般撮影に向いた色再現になっています。
この仕上がり設定を発色が少し派手になる「風景」や「鮮やか」などにすることで、日の出のドラマティックなシーンをキレイに表現することができます。
仕上がり設定をスタンダードからビビッド(鮮やか)にすると、発色が鮮やかになり印象的な写真となります。
実際の見た目の色はスタンダードで撮影した色に近いですが、人間はドラマティックなシーンに出会ったとき、実際の色より鮮やかに記憶する性質があります。
このような事から、仕上がり設定は鮮やかにするのがベストです。
【色表現の変化を比較】
ここで、これまでに書いたホワイトバランスと仕上がり設定について、初期設定状態から、ホワイトバランスを太陽光、仕上がり設定をビビッド(鮮やか)にするまでの変化をみていきましょう。
これがほとんどのカメラの初期設定状態です。
ホワイトバランスを変えることで、少し赤味が出てきました。
最後に仕上がり設定をビビッド(鮮やか)にすることで、空やススキのの色が鮮やかになり、インパクトのある写真となりました。
④露出補正
露出補正については、日の出撮影に限った機能ではありません。日頃の撮影においても良く使用される機能です。
日の出や朝焼けを撮影する上で大切なのは、太陽のカタチが崩れないことや空の色が白飛びしたり、明るくなりすぎないように注意することです。
空気が澄んだ日の朝陽は陽射しも強烈で、太陽が顔を出した瞬間からカタチを表現できない場合もあります。
そんな時は空の色がはっきり再現できているかチェックしながら撮影すると良いでしょう。
また朝陽は1日の始まりですので気持ち明るめに、夕陽は1日の終わりですので少しアンダーにして撮るのがオススメです。
1枚目はプラス補正。2枚目はマイナス補正。
1枚目の写真は朝の爽やかな雰囲気の伝わる1枚。2枚目は太陽や空の色が濃くなり、また太陽のカタチもしっかり再現されています。
どちらも間違いではありませんが、個人的にはマイナス補正で撮影した写真が好みです。
1枚目の写真はこれ以上プラス補正すると、太陽のカタチが無くなり、水面の反射や空の色も白っぽくなり、締まりのない写真になるでしょう。
⑤シルエットになるものを意識する
先ほどまでは、色味や明るさなど色表現についての内容でした。
次は構図に関することです。
撮影場所の見つけ方と言ったほうが良いかもしれません。
日の出を撮影する場合、太陽と空だけを撮っても、ただ単にキレイな写真で終わってしまいます。
そこで少しスパイスを効かせてあげましょう。
そのスパイスとはシルエットです。
日の出を撮影する場合、モロ逆光状態となりますので、太陽の手前にあるものは基本シルエットになります。
シルエットになるものをフレーミングの中に入れることで、遠近感や立体感などを表現できます。
例えば、琵琶湖なら湖岸の木々、淀川河川敷なら梅田のビル群、山からなら手前の山々の稜線などです。
これらのシルエットとなるものをバランス良く配置することで、素敵な1枚になります。
上の2枚の写真は同じ日に撮影したものです。
1枚目は普通に朝陽と琵琶湖を撮影したもので、キレイな日の出写真ですが単調な写真です。
そして2枚目は遠近感を表現するため、手前にシルエットとなる木を入れて撮影しています。
木のカタチが悪いので写真的にはイマイチですが、このようにシルエットになるものを画面に入れることで写真は大きく変わってきます。
この写真も湖岸の木をシルエットにしています。このようにカタチの良い木だと絵になります。
琵琶湖に行った時、昼間の時間帯は朝陽の撮影に向いている場所はないか、カタチの良い木などがないか、運転しながら探しています。
日頃からロケハンとまではいかなくても、常に撮影できそうなポイントを探す目を持つことも大切だと思います。
【朝陽・夕陽ギャラリー】
熊野灘をから昇る朝陽を撮影。大台ケ原の正木峠にある立ち枯れの木をシルエットにして撮影しています。
雲海を求めて出かけたものの、強風で期待した雲海は出ず。しかも雲が多く朝陽を期待できる状況ではありませんでした。。
しかし、わずかな雲の隙間から一瞬顔を出してくれました。
風が強い時は雲が流れているので、太陽が見られる可能性もあるので諦めてはいけません。
シルエットにするものが何もなく、場所選びを失敗した時の1枚。
普通にキレイな写真ではありますが、やっぱり物足りない。場所選びの重要さを改めて感じました。
ショッピングモールのある海岸から明石海峡に沈む夕陽を撮影。
橋全体を入れずに、望遠レンズで太陽の存在感を大きく表現してみました。運よく船が通過してくれ、良いスパイスとなりました。
飛行機と夕陽。この日は雲が多く太陽の光線も弱い。雲が多い時は素晴らしい夕焼けになることもあるのですが、この日は焼けずでした。
ここ千里川土手は有名ポイントで、いつも多くのカメラマンで賑わっています。時期により飛行機と太陽を絡めて撮影できますので、ぜひ狙ってみてください。
いかがでしたでしょうか? 少しは参考になりましたでしょうか?
日の出は1日の始まりであり、初日の出は1年の始まりでもあります。
素晴らしい1年の始まりを撮影してみましょう!
朝陽が見れたなら、きっと早起きして良かったと思えるはずです。
今回のブログの内容は、初日の出だけでなく、普段の日の朝陽や夕陽撮影にも使える内容となっていますので、参考にしていただければ幸いです。
ホワイトバランスや露出補正などは、ほとんどのスマホにも搭載されている機能ですので、デジタル一眼をお持ちでない方はスマホで一度チャレンジしてみてください。
※2021年12月15日現在、駐車場より湖岸へ渡れなくなっています。ご注意くださいませ。
この記事に関するお問い合わせは・・・なんばマルイ店 池田まで。