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「バブルボケ」って結局なんなのさ?【作例多数】

こんにちは~。
ナニワグループオンラインの中村です。

今回のテーマはこちらでございます。

「バブルボケ」

オールドレンズを使っているとよく聞くこの単語、皆さん好きですよね?

特に、イルミネーションの時期である冬は「玉ボケ大収穫祭」の時期。

まん丸で綺麗なボケへのあこがれを抱いている方は多くいらっしゃることでしょう。

今回は、そんなみんなの憧れの「バブルボケ」について解説して参りたいと思います~。

【バブルボケの2つの条件】
まずは、「バブルボケ」とは端的に何なのか?というお話から。

よく言われる条件としては、次の2点を満たしているもの。

「玉ボケに口径食が出ていない」
「玉ボケの輪郭に縁取りがあるもの」

具体的にはこういうもの。
上の写真を踏まえたうえで詳しく解説していきましょう。

まず「口径食」とは、レンズそれ自体の鏡胴が写りこんでしまうことを指します。
これにより、玉ボケが「食われて」しまい、くし形になります。

具体例は以下のとおり。使用したレンズはヤシカ・コンタックス プラナー50/1.4 AEJです。
右部分の玉ボケがレモンのような形になっているのが分かりますね。

周辺部の玉ボケの変形には、いろいろな原因がありますが、口径食はその中の大きな要因の一つです。

しかし、口径食が出ていないだけでは、「バブルボケ」の条件としては不十分なのです。次の写真を見てください。
こちらはFUJIFILM XF 16-55/2.8 R LM WRにて撮影したものです。

口径食はほぼ出ておらず、綺麗な玉ボケですが、すこし物足りませんね?

次に、以下の写真をご覧ください。
同じ位置から、バブルボケが出るレンズのMeyer Optik Görlitz Diaplan 80/2.8で撮影したものがこちらです。

画角が違うので一様に比較はできませんが、玉ボケの輪郭がくっきりしてシャボン玉のようになっていますね。

詳しく説明する力量はありませんが、球面収差の補正を過剰にしている、アンバランスな収差補正をしているレンズは、玉ボケの輪郭にこのような「縁取り」が出ることが多いとのこと。

XF 16-55/2.8 R LM WRといえば、FUJIFILMが誇る最高ランクのズームレンズ群「レッドバッジ」の中の一本です。

当然、光学性能は素晴らしく、どんなシチュエーションでも綺麗な描写とボケを発揮してくれます。

一方、Diaplan 80/2.8は、そもそも写真撮影用のレンズですらありません。
プロジェクター用レンズを改造し、写真撮影に転用したもの。絞りもなく、F値は2.8固定。

しかし、そのような光学性能の低いレンズであるがために、「よく写るレンズ」ではあり得ないような写真を撮ることができるというわけです。

オールドレンズならではの、じつに面白い話ではありませんでしょうか?

【バブルボケの撮り方】
バブルボケを撮影するには、いくつか条件があります。

まず、バブルボケを撮るのに適したレンズを使うこと。具体例は、後程ご紹介いたします。

また、バブルボケは、基本的に「後ボケ」にしか発生しません。なので、とりあえずピントリングを最短撮影距離に動かして、点光源を思いっきりぼかしましょう!

その際に注意することは、弱い光源では「玉ボケ」はできても「バブルボケ」を作るのは難しいということ。木漏れ日程度では、なかなか発生させることが難しいです。

そのため、バブルボケを撮るのにいちばんおススメの被写体は、ずばり「イルミネーション」です。

バブルボケを出せるレンズで、ピントリングを最短撮影距離に動かしてイルミネーションを思いっきりぼかせば、ほぼ間違いなくバブルボケを作ることができます!
とはいえ、シャッタースピードによっては、イルミネーションの点滅とタイミングが合わずに写真が暗くなってしまう場合もあります。その時は露出を変えてみましょう。

【バブルボケが出るレンズ】
① Trioplan 100/2.8それでは、実際にバブルボケを出せるレンズをご紹介していきます。

まさしく「バブルボケ」の代名詞とも言えるのが、こちらのレンズMeyer Optik Görlitz Trioplan 100/2.8です。

マウントはM42およびエキザクタのものが多いです。

100mmという少々使いづらい焦点距離もあって、かつては安価に入手できるレンズだったとのこと。

しかし、このレンズを使った作例が海外で発表され、人気が沸騰!
現在では、かつての相場の10倍近い値段で取引されるようになりました。
開放F2.8での撮影。ふんわりした写りで、花を撮るのにも適しています。
1枚目は開放F2.8、2枚目は1段絞ってF4です。
開放と比べると一気にヌケがよくなってすっきりした写りになる、優秀なレンズです!

安かったころに手に入れたかったぜ……

なお、2014年には、netSE社が製造元として「Meyer Optik Görlitz」ブランドが復活しました。Trioplan 100/2.8も、リニューアル版が製造されています。

しかし、netSE社の倒産に伴い、2018年には一時販売停止に……。

このまま再販売の見込みは潰えたかのように見えましたが、OPC OPTICS社(ドイツ・バートクロイツナッハ)のもとで生産再開され、2021年7月に販売が再開されました!

※2021年12月現在での情報。詳しくは日本での販売元である、ケンコープロフェショナルイメージング様の公式ページをご覧ください。

https://www.kenko-pi.co.jp/brands/cat135/meyer-optik-gorlitz-2.html


② Diaplan80/2.8
バブルボケ撮ってみたいけどTrioplanは高すぎるヨ……」という方におすすめなのが、先ほども触れたMeyer Optik Görlitz Diaplan80/2.8です。

プロジェクター用のレンズをヘリコイドチューブに移植したものなので、Trioplanと比べると格段に手頃な価格で入手できます。M42マウントです。
プロジェクターレンズとはいえ、非常に個性的で面白い写りをしてくれます。

こちらもふんわりした写りですが、Trioplanと違って絞りがないため、描写を変えられないのが残念……。

とはいえ、ヘリコイドチューブ直付けのおかげで、Trioplanよりも接写に強いのが利点です。

③ Jupiter-8 50/2
安価なロシアレンズとして、オールドレンズ入門にもよくオススメされる一本。

前述の2本ほど派手なバブルボケは撮れませんが、シチュエーションを選ばず安定した描写を楽しめます。

ほかのスタッフによる紹介・作例は以下をご覧ください。

→人気オールドレンズ 【ジュピター8 50mm/F2】レビュー 作例あり

→【撮影地情報】ミラーレス初心者がオールドレンズでイルミネーション撮影してみた。

SMENA 8M T-43 40/4
「バブルボケ」が出るレンズは、構成が「トリプレット型」のものが多いです。
レンズが3枚しか入っていない単純な構成のため、安価なレンズに多いです。

こちら、旧ソ連製のコンパクトカメラ「SMENA 8M」のレンズを改造したもの。マウントはライカスクリュー(距離系非連動)です。

界隈では、「安いのによく映る」とのことで評判のレンズです。
海外モールで試しに5000円で買ってみましたが、コントラストがよく出ていますね!
なかなか侮れないヤツです……。

ちなみに、ボディ本体もわたしが過去に作例を公開しています。

→【新入荷情報】旧ソ連製トイカメラ SMENA8M

④ Color skopar 50/2.8
こちらもトリプレット型のレンズ。
Made in GermanyのVoigtländerです。

中古で5000円で売っていたので買ってみました。デッケルマウントのレンズのため、M42に変換できるアダプターを装着して撮影。

なんかまた怪しいマウント出てきたな……」と思ってもスルーしましょう。

いずれ機会があれば、デッケルマウントのディープな世界につきましてもご紹介いたします。

【バブルボケレンズはまだまだある!】
いくつかご紹介して参りましたが、まだまだたくさんバブルボケが出るレンズはあります!

「バブルボケ」が出せるレンズは、基本的にレンズ構成が単純で安価なレンズが多いです。

他には、以下のようなものが有名。

Meyer Optik Görlitz Domiplan 50/2.8
フジノン 55/2.2

案外、お手持ちの安いレンズでも「バブルボケ」が撮れるかもしれませんよ?
皆様、いろいろと試してみてくださいませ。

それでは、最後までお読みいただきましてありがとうございました。

また次回のブログでお会いしましょう~。

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