どうも、皆様こんにちは。
ナニワグループオンラインの中村です!
今回は、キヤノンフォトハウス大阪様にお邪魔して新製品のテストをさせていただいてきました~。
触ってきたのはこちら。
12月24日に発売予定の「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」でございます!!
2個のレンズがくっついた形状に、まず驚かされることでしょう。しかし、このレンズ、「変わり者」なだけではございません。
従来のワークフローから比べると、180°VR動画作成が格段に簡単になる、画期的な製品でございます!
それでは、詳しくご紹介していきましょう~。
【なぜレンズがふたつ?】
まず、誰もが真っ先に思いつく疑問から。
「なぜ、わざわざレンズを2つくっつける必要があったのか?」
それにお答えするには、まず従来のVR動画がどのように作られていたかをご説明して参ります。
今まで、180°VR動画を作成する場合は、「2台の別々のカメラを設置し、それぞれ録画したデータを編集でくっつける」というやり方が一般的でした。
しかしそうなると、「立体的な映像に仕上げられる」ように、まず2台のカメラを適切に設置しなければなりません。位置がずれていたら編集でつなげるときに苦労しますね。
また、それぞれカメラのイメージセンサーやレンズの状態や個体差によって、記録された映像の明るさや色味に違いが出る恐れがあります。
このあたりも、きちんと機材の同期がとれていないといけないわけです。
すでにこの時点でもうめんどくさいですね!
まさしく、この2つの問題への回答が、こちらの「DUAL FISHEYE」なわけです。
2つのレンズが一体化していれば、まず機材の配置に困ることはありません。
マウントにこちらのレンズを装着すれば良いだけ、後はそのまま録画開始すれば良いだけです。
また、記録するイメージセンサーも1つならば、動画ファイルも最初から1つで済みます。そのため2台の機材同士の設定・同期は不要!
このように、撮影時点の手間が大幅に省かれるというわけです!!
【EOS VR Utilityで編集もカンタン】
先ほど述べた通り、従来のVR動画は、2つの動画を「継ぎ目なく」繋ぎあわせる作業が必要でした。こちらは「スティッチ」と呼ばれます。
わたくし、VR動画作成はもとより、通常の動画編集すらおぼつかない人間ですので、実際にこちらの作業をやったことはありません。
しかし、ちょっと聞いただけでどう考えても簡単ではない作業なのが分かりますね。
素人がいきなりやろうとしても、絶対に「変なこと」になる未来しか見えません。
その点、編集作業も手間いらずなのが、今回のこちらの製品。
専用の編集アプリ、「EOS VR Utility」を使えば、すべてアプリが自動で仕上げてくれるのです!
まず、こちらが撮影して編集していない動画のスクリーンショットです。まん丸の映像が2つ並んで映っていますね。
こちらをEOS VR Utilityに取り込むと……。
こんな感じに自動で変換してくれます!
難しい言葉で言うと、「正距円筒図法」に変換しているとのことです。
Canonのご担当者様いわく、「地球儀を平面に直す」ようなことをやってくれているみたいです。また、自然に見えるよう、視差の補正も行ってくれています。
あとは、お好みで水平補正をかけて、「エクスポート」するだけ。
動画ファイルが書き出しされますので、VRゴーグルにデータを入れて、すぐに視聴できます。
ものすごく簡単!!!
なお、EOS VR Utilityは、Adobe Premiere Proのプラグインバージョンもあります。
2分までのエクスポートであれば無償で利用できますので、詳細につきましては以下をご確認ください。
https://cweb.canon.jp/eos/software/evu.html
【VR動画作成・視聴してみての感想】
繰り返しになりますが、とてもお手軽に180°VR映像が撮れます!
少なくとも、個人でのVRコンテンツ作成のハードルが格段に下がるであろうことは、間違いありません。
手軽にコンテンツ作成できるうえに、仕上がりも非常にクオリティが高いです。
Youtubeですでに撮影サンプル画像も公開されていますが、VRゴーグルで見た時の臨場感は圧巻の一言でした!
※VRゴーグルでの視聴を推奨
(YouTube公開動画つきまして、予告なく変更・削除が有り得ます)
ダンサーがぐっと寄ってきたときの迫力など、現実ではこのようなライブパフォーマンスを行うことができませんし、非常に新鮮な体験でしたね!!
また、公式撮影サンプルの、ウェディング映像バージョンも素晴らしいです。
※VRゴーグルでの視聴を推奨
(YouTube公開動画つきまして、予告なく変更・削除が有り得ます)
今回の製品発表により、個人のVR動画作成のハードルがかなり下がりました。
記念行事の際などに、大切な人の姿を生き生きと残せるようになります。
それにより、「記憶」や「記録」というもののあり方が、根本的に変わっていくのかもしれません。
※VRゴーグルでの視聴を推奨
(YouTube公開動画つきまして、予告なく変更・削除が有り得ます)
上の動画は、ライブハウスでのパフォーマンスを体験できるVR動画。
「その場にいる」という感覚を2Dの動画よりも伝えやすく、コンサート・ライブ・演劇などは、VRコンテンツが行きわたっていけば、ビジネスモデルが変わるかもしれませんね!
また、建築や医療などでは、「安全教育・研修」のためにVR動画を使っていこうという動きもあるとのことです!
なお、視聴したデバイスはOculus Quest2です。
Canonご担当者様も、こちらのデバイスでの視聴を推奨されていました。
スマートフォン取り付け型のVRゴーグルで、私用携帯(iPhone SE 第2世代)でこちらの動画を見てみましたが、臨場感はそれなりに感じられました。
とはいえ、やはり本格的なゴーグルで視聴した時ほどのインパクトはなく、少々残念です……。
試しにYoutubeのNANIWAチャンネルに編集後の動画をアップロードしてみましたが、VR動画として認識されて再生することは問題なく可能でした!
ゴーグルで視聴したコンテンツは、おおむね4K画質のもの。
EOS R5でこちらのレンズを使用することで、8K動画も撮影できます。
もし、8K再生できるデバイスが今後一般的になったら、今回見てきた映像よりもさらに鮮烈な体験できるというのは、末恐ろしい話です……!
【使用できるボディ】
まず、注意点として、こちらの製品は現在、「EOS R5専用」のレンズになります。
R6やR3など、他のRFマウントのボディでは使用できません。その点、ご注意ください。
※2021年12月24日発売時点。
EOS R5を2021年12月発売時点の最新のファームウエアにアップデートする必要があります
(EOS R5の対応ファームウェアは、既に12/2に公開されているVer.1.5.0以降であれば問題ありません)
※2022年1月追記
2022年1月19日に発表されたEOS R5Cにもこちらのレンズ使用可能とのことです! これから順次対応ボディが増えていく可能性がありますので、その都度こちら追記して参ります。
【アクセサリー類について】
前玉が傷つきやすいので、保護するためのフロントキャップもがっしりした造りです。
内側は、そこはかとなく「近未来感」のある形状。前玉にフィルターを取り付けることができませんので、後玉手前にゼラチンフィルターを装着できるスリットがあります。
動画に必須のNDフィルターはこちらで対応するかたちです。
「動画になぜNDフィルターがいるの?」が気になる方は、以下の記事をどうぞ。
動画の形式とシャッタースピードをマスターしよう「どうしよ!」vol.2
なお、当然ながらフードも装着不可です。
しかし、SWCが施されているので、逆光耐性は非常に高いです。解説は以下の公式ページをご覧ください。
https://cweb.canon.jp/ef/l-lens-j/technology/swc.html
【使用感について】
レンズ自体は約350gとのことですが、そこまで重量を感じません。
そもそも、三脚に固定しての撮影がほとんど前提になるようなので、携帯性はそんなに気にするポイントではないかもしれませんが。
また、AF機能はついておりません。
MFのみ撮影可となっております。
静止画の感覚で「5.2mmならそうそうピントなんか外さないだろ~?」と思っていると、意外とVRにした後でピントが外れているのが顕著に分かってしまいます。
ピーキング機能等を活用して、きちんとピント合わせを行ってください!
【まとめ】
「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」について、以上長々と語って参りました。
いかがでしょうか?
何度も言うように、「こんなに簡単に180°VR動画が作れるなんて!!」と強烈に感動したというのが、一番の感想です。
Meta社(旧Facebook)がVRの普及を目指しているという話を、「何だか遠い話だなぁ」とぼんやり聞いていたわたくしですが、今回の体験で「VRが日常に行きわたる」未来を垣間見たような気分です。
現状、視聴するデバイスが限られるというハードルはありますが、いずれもっとVRが「当たり前」になっていくのかもしれません。
そうなった時に、時代を切り開いた製品として、このレンズが歴史に名を刻まれるのかもしれませんね!!
本気でそう思えるほど、すばらしい体験でした!
冒頭でも述べた通り、今回の記事はキヤノンフォトハウス大阪様に取材ご協力いただきました。
製品およびVRコンテンツは、東京・大阪のキヤノンフォトハウスにて触れることができますので、気になる方はぜひとも一度ご体験ください!
https://canon.jp/personal/experience/photohouse/osaka
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました~!!