こんにちは、鹿児島天文館店の吉冨です。
今回は、富士フィルムXマウントの等倍マクロレンズXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroを作例を交えてご紹介いたします。
1. 特徴
焦点距離 | 80mm(35mm判換算122mm相当) |
開放F値 |
F2.8 |
最短撮影距離 | 0.25m |
最大撮影倍率 | 1倍 |
レンズ構成 | 12群16枚 |
重さ | 750g |
最大径×長さ | 80mm×130mm |
フィルター径 | 62mm |
手振れ補正 | 有 (約5段分) |
防塵防滴構造 | 有 |
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X-S10とのサイズ比較
レンズの長さが130mm、重さが750gと焦点距離80mmのマクロレンズとしては大柄です。
大きさの感じとしては、他社製の100mmマクロレンズと似ています。
X-S10に装着して実写をおこなった際のフィーリングは、大きさ重さがあることでかえって、レンズ自体に重心がいく為ブレを抑えた安定した撮影ができます。
対応ボディで使用した場合、レンズ内蔵の手振れ補正約5段分が働きますので、さらに安心して撮影に臨めます。
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撮影距離範囲切り替えスイッチ
マクロレンズにはありがたい撮影距離範囲切り替えスイッチがあります。
このスイッチでピント位置に応じた範囲を選択することで、フォーカスの駆動範囲が絞られピント合わせが速くなります。
2. 実写・性能テスト
〈マクロ性能・AF性能〉
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最短0.25mで等倍撮影 < ISO:8000 SS:1/250 F:11 >
最大撮影倍率1倍で等倍マクロ撮影ができるので小さな蝶も迫力ある大きさで写し撮れます。
被写体の蝶まで25cmの距離でオートフォーカスを駆動させましたが、高速で静穏性に優れたリニアモーター搭載で逃げられることなく難なく撮影することができます。
なお、こちらの写真もふくめ、今回の作例はすべてX-S10にて撮影いたしました。
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< ISO:640 SS:1/640 F:2.8 >
ピント合わせの際、全長が変わらないインナーフォーカス方式なので、生き物の撮影で被写体に前玉が当たって逃げられてしまう、ということもないので安心して撮影に集中することができます。
〈逆光・玉ボケ〉
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< ISO:1600 SS:1/2500 F:2.8 >
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< ISO:1600 SS:1/2500 F:5.6 >
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< ISO:160 SS:1/4000 F:5.6 >
逆光性能テストのために、太陽光が強く入るように撮影しましたがゴーストはほとんど出ませんでした。
フレアは角度によっては多少出ましたが、コントラストは低下せずふんわり優しい雰囲気になるので、表現の一つとして使えます。
また、背景に強い光源があれば輪郭のはっきりした玉ボケが出ます。
開放F2.8では周辺部の玉ボケに口径食が強めに出るためF5.6程度まで絞り込むと比較的丸い綺麗な形の玉ボケになります。
3. 作例
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< ISO:160 SS:1/125 F:14 >
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< ISO:320 SS:1/320 F:2.8 >
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< ISO:320 SS:1/60 F:16 >
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< ISO:320 SS:1/800 F:2.8 >
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< ISO:1600 SS:1/2500 F:2.8 >
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< ISO:160 SS:1/800 F:2.8 >
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< ISO:160 SS:1/400 F:2.8 >
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< ISO:160 SS:1/500 F:11 >
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< ISO:160 SS:1/1000 F:2.8 >
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< ISO:640 SS:1/160 F:2.8 >
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< ISO:1600 SS:1/4000 F:2.8 >
4. XF 60/2.4 Macroとの違い
マクロレンズは「XF60mmF2.4 R」も出ているので迷われる方も多いのではないでしょうか。
XF80mmとXF60mmの大きな違いは、レンズ自体の大きさとマクロ性能(等倍マクロ or ハーフマクロ)です。
日常使いの中でマクロ撮影も撮ってみたいという方には気軽に取り扱えるハーフマクロのXF60mmがおすすめ。
昆虫や植物など小さい被写体を本格的にマクロ撮影がしてみたい方には等倍マクロのXF80mmを選ばれると良いと思います。
強力な手振れ補正・高速AF・トップクラスの描写性能と素晴らしいマクロレンズですので、最高性能を求める方はこちらをご検討されてみてはいかがでしょうか。
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