ローライ 35 始めませんか?【作例付きで使い方を徹底解説】

万人受けを狙うことが嫌いだ。

狙いにいくほどの能力があれば何かの分野に頭一つ抜けた強さを出していただきたい所存。

一部界隈でカルト的な人気を誇るほうが私的には良く見える。

しかし、万人受けをすると結果的には良いことをもたらすと思う。

特に昨今のYoutuberと呼ばれる人を見てそう思う。再生回数が増えて、ファンが増えてどんどん人気になる構図。

Youtuberだけじゃなく、飲食店やアパレルでもなんでもそう。

万人受けすれば成功し、勝ち組となる。

そんな気がしている。もちろん、全部が全部そうじゃないけど。

何が言いたいかって言うと『自分らしく芯を持って周りに流されずに続けること』ってすごくかっこいい。

万人受けを狙わず、自分のスタイルを貫き通すって本当にすごいこと。

いつか時代が追い付いて評価されるやつです。

冒頭からそんな時代の風潮に一石を投じましたが、今回のブログは万人受けを狙ったブログです。

It's a oversized boomerang : )

Let's 万人受け!

■目次
【こんな方におすすめ!!】
【フイルムカメラ界のグッドスタッフ】
【使用方法について】
・フイルム装填方法
・露出計の使用方法
・フイルム巻き戻し方法
・電池の交換方法
・レンズの沈胴方法
【使用上の注意】
【作例】
・GOLD200
・ULTRA COLOR 400UC
・CineStill 800T
・Cinestill Bwxx

【こんな方におすすめ!!】

  1. ローライ35の使い方を知りたい方
  2. 可愛いフイルムカメラが欲しい方
  3. コンパクトなフイルムカメラが欲しい方
  4. 軽いフイルムカメラが欲しい方
  5. 小さいフイルムカメラが欲しい方
  6. フイルムカメラのサブ機が欲しい方

サイズと重さは↓

重さは約370g

高さが約69mm、幅が約99mm、画像にはありませんが、奥行きはレンズを沈胴させた状態で約42mm、レンズを繰り出して約62mmです。

こんなに小さいのでポケットにもすっぽり収まってとても携行しやすいカメラです!
しかも見た目も最高👍


【フイルムカメラ界のグッドスタッフ】

まずはざっくりとしたローライ 35のスぺックから。

発売年月 1967年
①シャッター コンパーシャッター B,1/2~1/500秒

②レンズ

Carl Zeiss Tessar 40mm F3.5(後からSchneider S-Xenar 40mm F3.5が追加される)
②ファインダー ブライトフレーム式、倍率約0.75倍で後から約0.6倍(倍率に関しては諸説あり)
③ピント合わせ 目測式
④露出計 追針式、露出計〔Cds〕
⑤重さ 約370g
⑥電池 PX625、MR-9(H-D)現在は関東カメラサービスの電池アダプターにSR43で代用可 

ローライ 35は1966年にフォトキナで発表、翌年に発売され世界を驚かせたカメラです。
どのような点で驚かせたか↓

  • 当時世界最小のフルサイズ
  • シャッターはドイツのデッケル社のコンパーを採用
  • 露出計はドイツのゴッセン製を採用
  • レンズはカールツァイス製

というまさにグッドスタッフなカメラ。

ちなみにグッドスタッフとはカードゲームなどで用いられる用語で、単体で優れた性能を持つカードで構成されたデッキのことを指します。

今ではこの凄さが伝わりにくいかもしれませんが誇張してお伝えすると最強のシャッターを作る会社最強の露出計を作る会社最強のレンズを作る会社から部品を供給してもらって作られたカメラです。

当時世界最小のフルサイズ機でありながら、レンズが沈胴する巻き上げレバーが左側に配置されるストロボシューがカメラの底面にあるフイルム室内に電池室がある裏蓋が外れるなど多彩なギミックが詰められたカメラです。
そうしないと世界最小にはできなかったんでしょうね。知らんけど。


【使用方法について】

他のフイルムカメラと使い方が異なります。

画像付きで使い方を解説していきます

フイルム装填方法

ボディ底面にある裏蓋ロックレバーを動かし裏蓋のロックを解除します。

ロックを解除したら裏蓋を下にスライドして裏蓋を外します。

フイルム装填する前にフイルムを押さえる圧板を開きます。

フイルムをセットし、フイルムの先端をスリット(巻き上げ軸の溝)に差し込みます。

上手く差し込めたら圧板を戻し巻き上げレバーを使いフイルムを巻き上げます。

フイルム巻き上げが問題なく出来れば裏蓋をはめます。

裏蓋を取り付けることが出来れば裏蓋のフイルムカウンターを見ながら1枚目になるように巻き上げて空シャッターを切ります。

フイルムの装填方法は以上です。次は露出計に関してです。

露出計の使用方法

ボディの軍艦部を俯瞰した状態です。巻き上げレバーの右横に長方形の露出計読み取り窓があります。 この窓の中に針が二本あり、この二本の針が重なれば適正露出となります。

ISO感度変更ダイヤルを装填するフイルムの感度に合わせます。

ISO感度を設定出来たら、その外側にある絞り変更ダイヤルを回し絞りを設定します。

絞りが設定出来たら、対側にあるシャッタースピード変更ダイヤルを回してシャッタースピードを設定します。

最終的に画像のように針が重なれば適正露出となります。


撮影方法

適正露出を得られたら、レンズ先端にあるピントリングを回し目測でピント合わせます。

最後にファインダーを覗いて写る範囲を確認してシャッターを切ります。

次にフイルムを取り切ったあとの巻き戻し方法です。

フイルム巻き戻し方法

ファインダー接眼部横にある巻き戻しレバーを矢印の方向に上げます

底面にある巻き戻しクランクを引き上げ矢印の方向に回してフイルムを巻き戻していきます。

最後まで問題なく巻き戻せたら裏蓋のロックを解除し裏蓋を開けます。

そのままフイルムを取り出し現像に出すことができます。


電池の交換方法

フイルムをセットするところに電池室があります。

かなり狭いですが、1円や5円などの硬貨で電池蓋を回し開けます。

電池はMR-9変換アダプターにSR43を使用します。プラスとマイナスの向きを間違えないように電池を電池室に入れます。

電池を正しく入れた状態。

電池蓋を閉めて終了です。


最後にレンズの収納方法です。


レンズの沈胴方法

まずは巻き上げた状態(シャッターが切れる状態)にします。

シャッターボタンの横にあるレンズロック解除ボタンを押しながらレンズ鏡胴を絞りダイヤル側にひねってロックを解除し、フイルム室の方向に引っ込めます。

正しく引っ込めることが出来れば画像のような状態になります。


撮影する際は、レンズ鏡胴を引き出し時計回りに回しロックをします。そうしなければシャッターを切れないので注意してください。

これだけサイズを小さくして詰め込んだカメラなので故障も多いです。出来る限り丁寧に扱ってください。


【使用上の注意】

  • 水平取るの難しい(筆者だけかも)
    ファインダーを覗きながら水平合わせてシャッター押して撮るだけなんですがなぜか水平が取れておらず、やや傾いていました。

    修行が足りなかったのかもしれません。

  • 内面反射が起こる
    写真をご覧いただければわかるのでまずは写真を↓
    アタクシの首元あたりに写り込む黄色っぽい線が内面反射です。

    カメラの向いに強い光源があるわけではないのにこのような光が写り込むのは内面反射の影響だと思われます。(初期型に多い症状)

  • 逆光に弱い(フード必須)
    ローライ35にとって逆光はかなり厳しい撮影環境です。
    ↓の写真をご覧ください。
    三日月形の強い光が写真ど真ん中に写り込んでいます。

    だいぶ強い光ということもあるんですが、場合によっては盛大に写り込みますのでご注意を。

    かといってフード付けるとコンパクトさに収納性に欠けてしまうので難しい問題です。

  • 目測の為、写り込みに気づかない
    これも写真見てもらった方が早い↓
    写真左上の黒い写り込みは筆者の手袋です。

    目測ゆえに油断するとこのように写りこんでしまうのでレンズ付近には注意を払って撮影しましょう。

【作例】

※カラーネガの作例はカメラのナニワ梅田2号店で現像&データ化したものをそのまま使用しています

GOLD200

F/8.0 SS1/125秒 ISO200

とりあえず無限遠で保守的に撮影。四隅は流れる傾向にあります。

F/3.5 SS1/30秒 ISO200

最短撮影距離0.9mで絞り開放で撮影。40mmで最短0.9mなのでこれが最も寄ったことになります。基本的には引きの写真になります。

F/3.5 SS1/15秒 ISO200

鏡に向かって自撮りをしましたが、目測を失敗しました。左側の眼鏡にピントがきています。

ローライ35ユーザーはコレを許容するのがセオリー。知らんけど。

F/3.5 SS1/30秒 ISO200

鏡の中のサボテンにピントを合わせています。これはだいたい1mぐらいで撮影したと思います。引きすぎると被写体が小さくなるので、なかなか難しいところです。

F/8.0 1/2秒 ISO200

三脚を使用しました。しっかりと絞りを絞って目測すれば安心感があります。

ULTRA COLOR 400UC

※2010年4月期限切れ

F/8.0 SS1/125秒 ISO400

柵の影が鹿に被りシマシカが誕生しました。

F/8.0 1/125秒 ISO400

ピント位置は1mに設定。バッチリピントが合っていて気持ちがいいです。

F/8.0 SS1/250秒 ISO400

最短撮影距離0.9mで撮影。本音はもっと寄りたかったがこれが限界。

F/11.0 SS1/125秒 ISO400

興福寺中金堂です。スカッとした天気にテッサーがバチっときめてくれました。

CineStill 800T

F/8.0 SS1/125 ISO800

西日が当たる興福寺東金堂。フィルムとテッサーの相性がいいかも。

F/5.6 SS1/125秒 ISO800

山の上を走る電車からの光景を無限遠で気軽に撮影。広がる都会を一望できるうえにこの空の色、控えめに言って最高です。

F/3.5 SS1/15秒 ISO800

夜の街で撮れないことはないです。灯さえあればわりと写すことが出来ます。しかしながら車が被写体ブレを起こしている通りシャッタースピードは手ブレしないギリギリのスピードでないといけません。

F/3.5 SS1/15秒 ISO800

絞り開放目測ピント合致が成功した写真。こんなに気持ちいことはないね。

F/3.5 SS1/15秒 ISO800

手ブレしない限界ギリギリのスピードで撮影。最高のマジックアワーが撮れました。

Cinestill Bwxx

F/8.0 SS1/250秒 ISO250

Rollei 35のモノクロがまたええんです。手に入れたらぜひモノクロフイルムを使ってみてください。

フイルムの特性で結構写真が変わるのでいろいろ試していただきたい。

F/8.0 SS1/125秒 ISO250

逆光耐性の弱さがうかがえる一枚。

F/8.0 SS1/60秒 ISO250

絞ればこの距離感でもピントを外すことはありません。

F/5.6 SS1/125秒 ISO250

絶妙な距離感ですが、恐れず目測し、軽く絞ればイケちゃいます。濃淡が良いですね。

F/11.0 SS1/250秒 ISO250

目が痛くなるぐらいしっかりと解像してくれています。これぞ「鷹の目」です。


いかがでしたでしょうか?

デニムとシルバーアクセサリーがよく似合うねぇ~

本当に幅広い世代から支持を受けているフイルムカメラです。

その理由は

  • 見た目の良さ
  • コンパクトさ
  • 軽さ

でしょう。

女性からは可愛いと言われ、男性からはかっこいいと言われる、まさに万人受けな面構えです。

発表当初、ハーフカメラより小さいフルサイズとして騒がれたサイズは今でも通用するサイズです。コンパクトカメラ界に多大な影響を与えた素晴らしいカメラです。

軽さで言うと後々発売されたRollei B35やC35、35LEDあたりが100g以上軽いですがチープな印象はぬぐえません。

コンパクトでありながらしっかりと作られたチープさのない35はバランスの取れたいいカメラだと思います。

コロナが終わって気軽に旅行に出かけることが出来る世界になればこのカメラを連れていろんなところへ出かけてみたいものです。

ピントは∞に合わせてひたすら景色を撮影したい。

旅の思い出を残す可愛いメモとしても日常の何気ない瞬間を記録するカメラとしてもQOLが爆上がりするカメラです。

そんな万人受けするカメラを一家に一台いかがでしょうか?

以上、ワカでした。