カメラのナニワ京都店阿部です。
この度はSIGMA fpとともにバイクで出かけてみました。使用感、仕上がり共に素晴らしかったのでレビューさせていただきます。
SIGMA fpとは
2019年発売、有効画素数2460万画素、SIGMA初の"フルサイズ"ミラーレスカメラです。
これまで人気のFoveonセンサーではなく、ベイヤーセンサーを採用したことが話題になりました。また、メカニカルシャッターは搭載せず、電子シャッターのみ。
その恩恵と、可能な限り不要なものをそぎ落とした結果、フルサイズミラーレスカメラとしては世界最小・最軽量(※ 2021年3月現在、シグマ調べ)となりました。
ライカLマウントのため、同じLマウントのライカやパナソニック製のレンズも装着できます。
今回はキットレンズでもある45mm F2.8 DG DN Contemporaryとともに撮影を楽しみました。
京都は愛宕山にあります、桃原池という溜め池が今回の目的地です。
美しい木々が立ち並ぶ山奥ですので、SIGMA fpのカラーモードは「フォレストグリーン」を使用。どんな写りになるのか楽しみです。
ちなみに、ルートはこんな感じ。
車道が通っているものの、かなり細い道もあり、ところどころ荒れています。
バイクで行くならオフロードタイプの方が安心です。自動車なら軽でないと車幅がきついかもしれません。
川の上にある美しい駅、JR保津峡駅付近でひとやすみ。
フォレストグリーンの色味については、太陽の当たっているところはきらびやかな色に。
初夏になれば、新緑を撮りたいですね。
対して、陽の当たっていない場所では深い緑に表現してくれます。
これは目に優しい良い緑ですなあ。変に誇張することなく、森の緑をしっとりと表現。SIGMAによる見事な再現性です。
柚子の産地で有名な水尾を通りすぎ、どんどん細い道へ入っていきます。
「桃原池」に到着しました。
木々の緑だけでなく、池の水の色もフォレストグリーンは素敵です。
シャドウ部から水面のきらめきまで階調豊かに描写されていて、コンパクトなカメラとはいえ流石フルサイズです。
SIGMA fpにはシネマスコープと呼ばれるアスペクト比21:9での撮影も可能ですので、試してみました。
比率が変わるだけでも随分写真の印象は変化しますね。
横の広がりを表現する、情報を整理する、映画のようなワンシーンを撮影する、そんな時に使用すると普段とは全く違う写真を残せるでしょう。
明るい写真ももちろん撮れるのでしょうが、なんとなくSIGMAはこういう枯れた世界観が似合うような気がして、ついつい撮ってしまいます。
一枚だけモノクロも。う〜ん似合う!
CinemaDNGで動画撮影!
SIGMA fpを唯一無二たらしめる特徴のひとつとして、CinemaDNGでの内部動画収録可能なことが挙げられます。
CinemaDNGとは、デジタルシネマ用のRAW形式とでも呼ぶべきもの。
SDカード収録で4Kなら8bitに制限されますが、フルハイビジョンや外部SSD収録なら12bitでの撮影も可能です。
この価格帯で、フルサイズで、RAW動画が撮影できちゃうんですよ。ということで私今回初めてCinemaDNGを使用してみました。
注意点としては、動画ファイルではなく静止画として分かれて保存されること。SDカードのトップ階層は↓こうなっております。
「CINEMA」フォルダに撮影した動画が保存されています。(「DCIM」の方には写真が保存されています。)
「CINEMA」フォルダを開くとさらにフォルダ分けされていますが、録画→停止までのデータがそれぞれに分けられているようです。
現状(2022年2月現在)、SIGMA fpで撮影したCinemaDNGはAdobe Premiere Proでは読み込めないようです。
そのため、DaVinci Resolveを使った編集がメインとなるでしょうが、DaVinci Resolveにこのフォルダごと放り込むとひとつの動画として認識してくれます。
さらにひとつフォルダを開いてみると……。
このようにDNGファイルと音声ファイルが保存されています。
これ一枚一枚をつなげることで動画になるというわけですが、一つのファイルの大きさが今回は8.4MBでした。
フレームレート25pだと1秒に25枚だからこれを10分撮ったとしたら……と考えると膨大なデータ量になってしまいます。
最長2時間ムービー撮影できるカメラですが、CinemaDNGで長回しする際は外付けSSDが必須ですね。
CinemaDNGはRAWなのでそのままだと非常に眠たい映像となります。
そこでDaVinci Resolveでカラーグレーディングしてみました。
といっても無料のLUTを当てて微調整しただけですが、すぐそれなりに観れる映像になりました。
LUTとは「画像の色をどのように調整するか」を定義するものです。LOGやRAWデータを扱いやすくするプリセットのようなものです。無料のLUTも色んなところでダウンロードできるので探してみてください。
ファイルサイズがあれだけ膨大なのに、編集は止まらずにサクサク軽快に進められたのは驚きました。
また、大きく色味を変えても破綻せずに再現してくれるのはやはりRAWの強み。
仕上がった映像が↓になります。
雰囲気だけでも感じられると思います。よろしければ画質設定を4Kにしてご覧ください。
強風にあおられてグラついていたりNDフィルターを用意できなかったので少しカクついてたりしております……動画にNDフィルターってほんと大事。
とはいえ、水面のきらめきの見事な再現性、山の空気まで感じられるような精細な描写はさすがの一言。
ちゃんと凝って撮影すれば、風景だけでもずっと眺められる映像を作れそうです。
使い方は無限。ポケットからシネマまで
拡張性の高いカメラですから、その小ささを生かして軽快に撮影するもよし、アクセサリーを盛って本格的なシネマ撮影をするもよし。
個人的にはレンジファインダー用のオールドレンズをつけてスナップなんかも良いだろうと妄想しておりました。
用途に合わせていろんな姿に変えられて、その全ての機能がハイクオリティにまとまっております。
今回試したフォレストグリーンの他にもティールアンドオレンジ、パウダーブルーといった人気カラーモードがあり、SIGMAらしい色味はベイヤーセンサーでも健在。
ナニワグループオンラインでお取り扱いしておりますし、カメラのナニワ京都店では現在2台の中古品もございます。
■商品コード:2221140259778
(シグマ) SIGMA FP 45MM/F2.8 DG DN レンズキット
状態:AB
販売価格 ¥174,000
<付属品> 充電池 充電アダプター USBケーブル ストラップ 取説 SmallRigケージ 2518
■商品コード 2221070312277
(シグマ) SIGMA FP 45MM/F2.8 DG DN レンズキット
状態:B
販売価格 158,000
<付属品> ※充電器なし 元箱 バッテリー フード 説明書 F,R,Bキャップ
<商品状態> 上部アタリ センサー小キズ レンズ内ホコリ
※価格、在庫状況は2022年2月現在
新品はこちら↓
https://cameranonaniwa.jp/shop/g/g0085126937300/ https://cameranonaniwa.jp/shop/g/g0085126937317/カメラのナニワ京都店 阿部