こんにちは~! 広報担当 中村です。
今回は発売されたばかりの新製品をご紹介して参ります。
こちら、SZ 500mm F8 Reflex MFでございます!
CP+でも紹介されていたトキナー様の新製品で、つい先日2月25日に発売されました。
こちら、ミラーレンズと呼ばれる代物で、普通のレンズとはちょっと構造の違う特殊なレンズになります。
具体的に何がどう魅力なの?というところを解説して参りますので今回もどうぞお付き合いください!!
【①超望遠レンズなのに軽くて小さい】
【②お手頃プライス&マウント変換が容易】
【③特殊な光学系で個性的なボケが出せる】
【④撮影倍率1:2.86倍で比較的接写に強い】
【作例:天王寺動物園】
【作例:昆陽池公園 コウノトリ撮影】
【作例:伊丹スカイパーク周辺 飛行機撮影】
【①超望遠レンズなのに軽くて小さい】
上の写真を見ていただければお分かりいただけるように、こちらのレンズは500㎜という超望遠レンズでありながら手のひらサイズのコンパクトな仕上がりとなっております。
重さは本体のみで310g。コンビニで買ってきた抹茶ラテが500gぐらいでしたので、ペットボトル飲料より軽いと言えばイメージがつくでしょうか?
ついでに並べて撮ってみました。レンズ本体+アダプターでホットで大きいほうのサイズのペットボトル飲料と同じくらいの長さです。
ちなみに他社でふつうの500mmのレンズだと長さ約1.4m・重さ約3kgとかが普通なので、実に驚くべきコンパクトさ……!!
【②お手頃プライス&マウント変換が容易】
望遠レンズと言えば「デカい」「重い」に加えて「高い」が当たり前の世界ではございますが、こちらのSZ 500mm F8はなんと5万円ぐらいで買えちゃいます。
ふつうに500mmの超望遠レンズを買おうと思ったら中古で40万円とかは当たり前になってきますので、お手軽に未知の画角を試せるというのは嬉しい話ですね!
しかも、こちらのレンズはTマウントを採用しています。写真右のものはソニー EマウントーTマウントのアダプター。
天体望遠鏡にカメラを装着できるように使われているマウントですが、Tマウントから主要のカメラマウントに変換するアダプターが容易に入手できます。アダプターを変えて色々なメーカーのカメラで使いまわせるのもポイント。
ラインナップとしては、アダプター付きで以下の6種類が展開されています。
・ニコン Fマウント
・キヤノン EFマウント
・ソニー Eマウント
・富士フイルム Xマウント
・マイクロフォーサーズマウント
・ニコン Zマウント
その他、Tマウント変換アダプターなしでレンズ単体でもお求めいただけます。
【③特殊な光学系で個性的なボケが出せる】
冒頭でも述べたように、こちらはミラーレンズと呼ばれる特殊なレンズになります。
その名の通り、鏡筒の内側は鏡になっています。
出典:ケンコートキナー ミラーレンズ
こちらはトキナー様公式ページよりの画像引用です。
鏡筒内部の主鏡および副鏡で光を反射させて収束させることで、レンズのみで構成された光学系とは比べ物にならないほど小型軽量な作りを可能にしています。
また、レンズを透過させずに鏡で反射させて光を収束させているため、光の屈折率の違いから発生する色収差の解消がほぼ必要ないというメリットもあります。
この特殊な光学系によって、ミラーレンズ特有のリングボケというものが発生します。
具体的にはこんな感じ。玉ボケの真ん中の穴が開いてるような形です。レンズの真ん中を副鏡が遮っているので、このような特殊なボケが発生するわけです。
ちなみにドーナツボケと呼ぶ人もいますね。知人にイカリングボケと呼んでいる人がいましたが、これはごく少数派でしょう……。木漏れ日とか撮るとすごいことになります!! うまく使えば表現の幅が広がりますね~。
ちなみに、鏡を使った構造上、フレア・ゴーストが出やすいですが、それも不思議な出方をしてくれます。
神々しい……。なかなか使いどころは難しいかもしれませんが、こういう使い方もできます!
【④撮影倍率1:2.86倍で比較的接写に強い】
こちらのSZ 500mm F8、最短撮影距離1.7mで撮影倍率1:2.86と比較的近接撮影に強いのも強み。
撮影倍率1:2がハーフマクロレンズですので、それに近いぐらいのスペックがあります。
コンパクトなので普段から持ち歩きやすいですし、街中で気になった部分にフォーカスして撮影してみるのも面白いでしょう。
台湾料理店の天井に飾られていた提灯。ふつうの画角ではちょっと遠くて撮りづらい位置のものでもこんな風に切り取れます。
望遠レンズの圧縮効果を活かした一枚。見慣れた日常を不思議に切り取ってくれるので楽しいですよ~!
以上、こちらのレンズの魅力を4つのポイントに沿ってご紹介いたしましたが、続きまして作例もお見せしていきましょう!
【作例:天王寺動物園】
今回はソニーのα7IIIにつけてテスト撮影を行います! まずは天王寺動物園を訪れました。
ちなみに超望遠レンズなので、ボディ内手振れ補正機能があるのとないのとで使い勝手が全然違います。なるべく手振れ補正ありのボディで使ったほうが楽ですよ!!
今回の作例はほぼすべてシャッタースピード優先1/1000固定で撮影しております。絞りもそもそもF8固定なので、撮影データは割愛いたしますのでご了承ください。
まず、500mmという画角がいかにすさまじい望遠なのかをお見せしましょう。
こちらはIPhone SE 第2世代でテキトーに撮った通天閣。28㎜相当の画角で人間の視野より広く写るため、かなり小さく写ります。
これをSZ 500mm F8で撮ると……。
これだけアップで撮れます。ってか逆にクローズアップしすぎ!
もう一つ比較です。ライオンさん。手前にひとがいっぱいいてちょっと近付きづらいですね。
こんな時でもSZ 500mm F8があれば……。
この通り! 遠くのライオンがこんなに大きく撮れちゃうんです!! 古い世代のIPhoneとの比較になりますので今どきのは多少望遠側充実しているのでしょうが。
毛並みも綺麗に描写されていますし、光学性能もばっちり!
動物園は人混みでなかなか展示に近づけなかったり、そもそも展示されている動物との距離が離れていたりすることがしばしば。
先ほども述べた通り望遠レンズは全般的にデカい・重い・高いが一般的。これだけ遠くを撮れてコンパクトで取り回しの良いSZ 500mm F8は、動物園などで使うのにはかなりおすすめだと思います~。
それではいろいろな動物を撮ってきたのでお見せいたします。
サイ。分厚い皮膚の質感がきれいに描写されています。
キリン。首の毛がふさふさしてて触ったら気持ちよさそう。
なんの動物か分からなかったので天王寺動物園の公式サイトを見たらエランドという動物だそうです。
木立など、点光源になるものが多いシーンだと背景がざわつきがち。わたしは面白くていいと思いますが、こういうボケ方が気になる方は背景処理に工夫が必要です。
シマウマ。逆光気味のシーンだったので、1枚目は若干フレアが出ています。
とはいえ、たてがみのフサフサ感は十分出ています。チリーフラミンゴとベニイロフラミンゴ。
望遠レンズで前後を圧縮できるため、画面内に何羽も詰め込むことができるのがGood!
2枚目は背景が崩れ気味で絵画のような独特の画になっています。コフラミンゴ。マジで目が怖い……。
動物園の敷地内でメジロを発見!
大本命で期待していた展示コーナー「鳥の楽園」が高病原性鳥インフルエンザの予防のため閉鎖されていたので、偶然にも野鳥を撮れたのはラッキーでした!
ここでメジロを捉えることに成功したため、「もうちょっと野鳥が撮りたい……」という欲が抑えきれなくなってしまったわたくし。
ちょうど兵庫県の昆陽池にコウノトリが飛来してきているとのことで、翌日友人とともに撮影してきて参りました!
【作例:昆陽池公園 コウノトリ撮影】
というわけで兵庫県伊丹市の昆陽池公園にやってまいりました。
う~ん清々しい青空。こちらもIPhone SE 第2世代で撮影です。多少古いモデルでも今どきのスマホのカメラはなかなかよく写りますね。
α7IIIにはAPS-Cと同じ画角に変更して撮影できるSuper 35mmモードがありますので、さらに焦点距離を延長して約750㎜相当で同じ位置から撮ってみると……。
こんな感じ。対岸の木にとまるカワウの群れがこんなにも大きく写せます!
先ほども述べた通り、今回のお目当てはコウノトリですが、なかなかそれらしい鳥が見つからず……。
「見つからんなぁ」とぼやきながら歩くこと20分ほど。
なんかいた。明らかにほかの水鳥よりデカいし圧がすごい……!
スマホで焦りながら「コウノトリ」で画像検索して、嘴や足の感じからしてこいつに間違いないと確信!!
他の水鳥たちを蹴散らして我が物顔で闊歩しています!!
フナか何かを丸のみしている……。
せっかくなのでバッと羽を広げて動きのあるカットを撮りたかったのですが、やはりMFだと限界が……。
1枚目、露出調整失敗してだいぶアンダーになっています。真ん中のサギさえいなければいい感じのカットになったのに……。
野生の鳥ということで動きも予測が立たず、置きピンもできません。F8固定で被写界深度がそこそこ深いのが救いでしたが……。
だいぶ粘ってようやくそれっぽいのが撮れました!
こちらの昆陽池は伊丹空港に近いということもあり、撮影中頻繁に飛行機が上空をかすめていきました。反射神経で何とかそれっぽいのが撮れたのがこちら。
フレアがでてしまっていますが、MFでとっさに撮ったにしてはまあまあちゃんと撮れてるのではないでしょうか?
せっかく近くまで来たのでということで、伊丹スカイパーク周辺でも飛行機を撮影してきております!
【作例:伊丹スカイパーク周辺 飛行機撮影】
昆陽池でコウノトリを撮っていた時点でもバズーカみたいな長玉をがっちり三脚に据えて写真を撮っている人ばかりでしたが、伊丹スカイパークも皆様ガチ装備で撮影されている方ばかりでした……。
わたくし、飛行機の写真を撮るのは初めてでしたので「それっぽく」撮れたものはごくわずかですがご覧ください。
シーンによっては周辺減光のようなものが目立ちます。気になる方は、空など目立ちやすい被写体を撮影する際にはご注意ください。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
こちらのSZ 500mm F8 Reflex MF、リーズナブルでコンパクトながら撮影の幅をグッと広げてくれるレンズになります。
今回は作例撮れませんでしたが、月や花火などの撮影にも向いているでしょう。
一本持っておけばいろいろな被写体に対応できますので、是非ともご検討ください~!
最後に昆陽池で撮ったほかの鳥たちの写真を何枚かお見せしてお別れです。
今回も長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
また次回のブログでお会いしましょう~!!