こんにちは~。広報担当 中村です。
ちょっとした小噺。先日知り合って友人になったひとがFUJIFILMのX-T20を使っているということで、お決まりの質問をぶつけてみました。
「フィルムシミュレーション、いつも何を使ってます?」
かえってきた返答はまったく予想もしないものでした。
「……フィルムシミュレーションってなに?」
あまりにも予想外すぎてちょっと混乱……。
とはいえ、正直言って自分もフジのカメラ使い始めたころはフィルムシミュレーションの違いとかあんまり判ってなかったな……と率直に思うわたくし。
そこで今回は、「FUJIFILMのカメラ使い始めたけどフィルムシミュレーションとかよく分かんない!」という方々の参考になるかもしれないし、ならないかもしれない記事を書いてみようと思います。
わたくしはかれこれ2年ほどFUJIFILMのカメラを愛用しています。
そんなわたくしが普段よく使うフィルムシミュレーション5つ、そしてその特長をご紹介して参ります。
単なる一個人の意見ですが、簡単な見取り図があったほうが手を出しやすいと思いますので。
では、Let's go!!!!
【①ASTIA】
PROVIA・Velvia・ASTIAの3つは、かつて富士フイルムが販売していたリバーサルフィルムの写りを再現したフィルムシミュレーション。
この3つをわたくしは「ビビッド系」として分類していますが、そのなかで個人的に一番好きなのがこちらのASTIAです。
もともとFUJIFILMのカメラは青や緑などの記憶色がきれいに写るように作られていますが、日中の青空を撮るときはASTIAがいちばんきれいかな~とわたくしは思います。
Velviaはちょっと色が濃すぎる、PROVIAは少し物足りないかな……という感じ。
いかにも「真っ赤」な感じに撮りたいときは、Velviaを使うことをオススメします。
ちょうどいい作例がなかったのですが、屋外で風景と人物どちらも鮮やかに撮影したい、みたいな場合には一番向いているフィルムシミュレーションではないでしょうか。
【②クラシッククローム】
こちらは先ほどの3区分だとクラシック系の筆頭だと思います。
何でもない日常の一コマがドラマチックでノスタルジックに豹変しますので、FUJIFILMのカメラを触ったからには一度は使ってみていただきたいフィルムシミュレーションです!
少し褪せて濁ったシアンっぽい色になってくれますので、いわゆる「フィルムっぽい写り」を求めている方にはものすごくオススメです。
この前使ったPENTAXのカスタムイメージ「里び」は同じような系統ですが、他に何かあったっけ……。
オールドレンズをつけて発色の鮮やかなフィルムシミュレーションで撮ると「無理やり色を乗せてる感」が出がちですが、そういったミスマッチが起こりにくいのもメリットですね。
【③PRO Neg. Hi】
色の鮮やかさは控え気味ですが、コントラスト(明暗差)が強めの設定なので、白い花弁に陰影がついてくっきり写せるのがGoodです。
明るい色の場合、彩度(色の鮮やかさ)を上げるよりもコントラストをつけることで被写体を際立たせるほうがわたしは好きです。
彩度を上げてもそんなにはっきり違いが出ないわりに、葉っぱの緑も目立ってしまってメインの花が強調できなくなってしまうので……。
素朴でありながらも適度にメリハリのきいた感じがいいですね。
家の中で写真を撮ろうと思うと照明の色が被って肌の色が不自然になったりすることがありますが、発色が穏やかなのであまり強烈に色が偏ったりしません。
なので、家の中とかで人を撮るときには一番使いやすいのではないかと個人的には思います。
【④クラシックネガ】
カラーネガフィルム「SUPERIA」をベースにしているとのことで、深みのある色が印象的です。
というより、すこし写りの甘いレンズじゃないと画面の圧が強すぎるというか……。
こちらのブログで京都店の阿部がこちらのクラシックネガに特殊なソフトフィルター・K&F Concept ブラックディフュージョンを組み合わせて撮影していますが、かなり良い組み合わせだと思います。
ご興味あればぜひお試しください~。
【⑤ACROS】
こちらもFUJIFILMがかつて販売していた(そしてファンの要望に応えて再販された)モノクロフィルムの名を冠しています。
モノトーン系の代表的なフィルムシミュレーションがこちらですね。
https://fujifilm-x.com/ja-jp/stories/the-newest-film-simulation-acros/
FUJIFILMさま公式でこの2つの違いを解説していただいておりますが、かつてのACROSの写りを再現するためにかなり苦心して作られたフィルムシミュレーションのようです。
個人的に使っていてもACROSのほうが黒の諧調(グラデーション)が豊かで陰影がきれいな写真が撮れるのかな~と思ったり。
そのうちもっと細かく検証したいと思っているところです。
特定のカラーフィルターを装着していない「STD」のほか、3種類のカラーフィルターモードがあります。
・ACROS+Yeフィルター
黄色いフィルターを装着した状態を再現し、全体的にコントラストを高められる。
・ACROS+Rフィルター
赤いフィルターを装着した状態を再現し、青空を濃く写せる。
・ACROS+Gフィルター
緑のフィルターを装着した状態を再現し、赤色を濃く写せる。肌の血色や唇を強調できる。
わたしは基本的にコントラスト強めの写真が好きなので、ACROS+Rフィルターを使うことが多いです。
詳しい効果につきましては、池袋店の宮が解説してくれていますので、ご興味あられる方はこちらをご覧ください。
色の要素が削ぎ落されて、自分の撮りたかったものが何なのか、明確になるかもしれません。
少なくともわたしは、ACROSで写真を撮った時にしばしばそういう経験しました。
こちらはズミクロン M50/2 第3世代を購入した時に撮った一枚。ボケが暴れることなく全体的にシャープに結像していて実に優秀なレンズであることがよく分かります。
ズミクロンはかなり現代レンズっぽい優秀な写りを見せてくれますが、どうしても古いレンズは発色が弱かったり、経年劣化で色が偏って写ってしまったりします。
カラーで撮るとそういう部分が目についてしまうので、「素の解像力」みたいなのを見たいときにモノクロで撮ってみるのはなかなか効果的です。
まぁ焼き鳥をタレと塩の両方で食べてみるような感じです(?)
【まとめ】
いかがでしたでしょうか? わたくしの拙い作例でどこまで伝わったか微妙なところではありますが……。
繰り返しますが、今回の記事はあくまでわたくしの主観を交えながらの解説です。
すでにフィルムシミュレーションをバリバリ使いこなしている方からすると異論・反論等々ございますでしょう。
とはいえ、情報量が多すぎると処理しきれなくなって使うのをあきらめてしまうひとが多いでしょうから、そういう方の手助けになるような「見取り図」を示したいと思って今回筆を執った次第でございます。
ちなみに以下、わたくしが便宜的に分類した4区分の内訳です。
・ビビッド系
PROVIA
Velvia
ASTIA
・ナチュラル系
PRO Neg. Hi
PRO Neg. Std
・クラシック系
クラシッククローム
クラシックネガ
ETERNA
ETERNA ブリーチバイパス
・モノトーン系
ACROS(+カラーフィルター3種)
モノクロ(+カラーフィルター3種)
セピア
Xシリーズに搭載されているフィルムシミュレーション18種類(2022年3月現在)、それぞれ特有の魅力があります。
わたしの好みの関係上、コントラストが低めのETERNAやPRO Neg. Stdはあまり触れていないのですが、このあたりが好みの方も多いことでしょう。
また、コントラスト高い系でもETERNA ブリーチバイパスはうまく使いこなせていないのでちょっと使い方を模索中です。
こちらに加え、2022年3月現在ではGFX100Sにしか搭載されていないノスタルジックネガを加えた19種類のフィルムシミュレーションが存在しています。ご興味あればFUJIFILMさま公式の解説もご覧ください。
https://digitalcamera-support-ja.fujifilm.com/digitalcamerapcdetail?aid=000003156
こんなに種類が多いと正直分からん!と思う方が多いかもしれませんが、少しずつでもいろいろ試して使ってみていただければと!
弊社でもフィルムシミュレーションの違いを比較した記事ございますので、こちらもどうぞ。
【FUJIFILM X-S10】48枚でフィルムシミュレーション比較
また、加えてカメラ内設定を変更することで、さらに自分好みのカスタマイズをすることもできます! 参考例としてこちらもどうぞ。
※「ノスタルジックネガ」のフィルムシミュレーション解説は以下の記事をどうぞ。
【番外編:フィルムシミュレーションブラケット】
ちなみに、FUJIFILMのカメラには「フィルムシミュレーションブラケット」という機能があります。
1回の撮影で違う3種類のフィルムシミュレーションを適用して画像を得ることができる撮影モードが、こちらのフィルムシミュレーションブラケット!
X-T4などフラッグシップ系統の機種ですと、左肩のダイアルを「BKT」に合わせることで設定できます。
同じ画面の下から3番目「フィルムシミュレーションBKT」でフィルムシミュレーションの種類を選択できます!
最近の機種ではアクセシビリティが改善されていて設定しやすくなっていますね~。
補足が長くなりましたが以上です。これで複数のフィルムシミュレーションを比べてみると本当に楽しいのでぜひご活用ください~!!
さて、今回も長くなりましたが以上です。最後までお読みいただきましてありがとうございました~!
また次回のブログでお会いしましょう~!!