カメラのナニワ京都店 阿部です。
ハイエンド・ハイブリッド マイクロフォーサーズカメラ「LUMIX GH6 (DC-GH6)」が2022年3月25日に発売となりました。
動画性能の良さが好評だった「LUMIX GH5」の派生機種に「GH5S」「GH5II」がありましたが、ナンバリングが変わった機種が登場です。
GH6に関しましてもやはり動画性能の凄さが中心に注目されているので、「GH6ってどうせ動画機でしょ?」っと思われている静止画ユーザー様も多いと思いますが
安心してください、静止画もすごいです。
そこで今回はGH6の外観機能と静止画を中心にご紹介させていただきます。
【LUMIX GH6の外観およびGH5IIとの比較】
【チルトフリーアングル機構】
【LUMIXの気遣いが垣間見えるボタン・ダイヤル構成】
【作例】
【ハイレゾ撮影の検証】
【5軸7.5段の手ブレ補正と高感度耐性で夜も楽々】
【こんなに頼もしいカメラがあっただろうか】
【LUMIX GH6の外観およびGH5IIとの比較】
こちらがGH6の外観です。GH5IIとの比較は以下の通り。
(←GH6 GH5II→)
重量はGH5IIが約725gだったのに対し、約823gとアップしております。
流線形が特徴のGH5系統に対し、少し角ばったデザインになりましたね。
マイクロフォーサーズとしては大きいボディですが、グリップが深く非常に持ちやすいので、手に持つ分にはそこまで重さを感じません。
本体の大きさはやはり優れた放熱構造と手ブレ補正機構、そして注目のチルトフリーアングル機構を搭載するためには致し方ないのでしょう。
【チルトフリーアングル機構】
「チルトフリーアングル」とは、モニターをチルト式、バリアングル式のどちらの形態でも使用できるという優れモノ。
LUMIX S1Hに搭載されて好評だった機能が導入されました。
チルト式派とバリアングル式派の終わらない論争がこれで解決するのです。バリアングル式は様々な方向にモニターを動かすことができますが、光軸がズレてしまうのが難点です。
チルト式なら光軸をずらすことなく、スピーディにモニターを動かすことができますが、自撮りができない、縦位置では不便といった欠点があります。
チルト式、バリアングル式の両方のメリットが享受できる素晴らしい機能。
少しカメラが厚くなるというデメリットはありますが、実際に体験してみると静止画・動画撮影ともに相当便利。
このタイプのモニターがもっと流行ってほしいと私は願ってやみません。
【LUMIXの気遣いが垣間見えるボタン・ダイヤル構成】
GH6はほとんどのダイヤルが右手側に配置されており、片手で操作を完結できる構成となっております。
大きくて使いやすいジョイスティック、一目でわかる動画記録ボタンなど、ユーザビリティに配慮されております。
中でも静止画ユーザーに嬉しいのがドライブモードダイヤルにハイレゾモードが搭載されていることです。
ハイレゾモードとはカメラ内で自動合成処理をすることによって高画素高解像の撮影ができるもの。
オリンパスでは「ハイレゾショット」という名前ですが同様のものですね。
通常メニュー奥まで入り設定変更しないとハイレゾ撮影できないのですが、GH6の場合はダイヤルを回すだけ。
「ここぞというときだけハイレゾ撮影したい」という方が多いと思いますので、これは地味~に嬉しい。
GH6ではなんと手持ち撮影で約1億画素のハイレゾ撮影が可能です。
ハイレゾ撮影の威力に関しては後ほど。
あとこちらは動画ユーザー向けですが、動画記録ボタンがレンズ下にもあります。
ジンバルに乗せている時などは軍艦部のボタンが少し押しづらいので、ここにあるとすごく便利で、気が利いた設計です。
端子は上からマイク端子、ヘッドホン端子、USB-C端子、HDMI(タイプA)端子と、相変わらず充実しております。
メディアはSDカード(UHS-II対応)とCFexpress Type Bカード のダブルスロットです。
【作例】
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 使用機材:LUMIX GH6 + LEICA DG 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH.
絞り優先でさっと撮ってみた一枚。
通常だと空が真っ白になりそうなものですが、空の色を十分に再現しつつ、シャドウ部も潰れることなくしっかり描写されています。
新開発センサー&エンジンが関係しているのでしょうか、ダイナミックレンジの広さを感じます。
絞り:F4 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:100 使用機材:LUMIX GH6 + LEICA DG 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH.
処理能力が約2倍(S1Hと比べて)に向上したとされる新エンジン。
AFの早さ、追従性、正確性が従来機よりも格段に進化しております。
LUMIX S5を触ったときもAFは十分優秀だと感じましたが、GH6のAFはこれまた快適さが良いなと思いました。
筆者は自動認識AFをほとんど使用しないのですが、今回試してみたところ、ほとんどの場合で自分の撮りたいものにAFを合わせてくれました。
認識アルゴリズムが非常に優秀なのでしょう。
【ハイレゾ撮影の検証】
手持ち撮影でなんと約1億画素のハイレゾ撮影ができます。
↓がハイレゾ撮影したテストショットです。(ブログ用に画質を落としています)絞り:F6.3 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:100 使用機材:LUMIX GH6 + LEICA DG 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH.
ここだけモニター上で見る分には正直あまり違いはわかりませんが赤枠部分を拡大して、通常撮影と比較すると驚きました。
(←ハイレゾモード 通常撮影→)
これはすごい。
通常撮影に比べると、明らかにシャープになり、これほど拡大しても壁の質感がわかるほどリアルに描写されていますね。
風景写真を鮮明に撮る、芸術作品などのブツ撮りをするといった使い方はもちろん、
トリミング耐性がすごいので、「もっと遠くを撮りたいけど望遠レンズがない」なんて時にも使えそうです。
【5軸7.5段の手ブレ補正と高感度耐性で夜も楽々】
いつの間にか、マイクロフォーサーズ機には手ブレ補正の強力さを求めるようになってしまった私ですが、シャッター速度7.5段分のボディ内手ブレ補正とは、ものすごいですね。
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1秒 / ISO:100 使用機材:LUMIX GH6 + LEICA DG 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH.
それだけの手ブレ補正があれば手持ちでも少し絞って電灯に照らされる木を収めたり。
絞り:F7.1 / シャッタースピード:1.6秒 / ISO:100 使用機材:LUMIX GH6 + LEICA DG 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH.
露光時間を長くして車のライトを流すこともできます。
焦点距離にもよるでしょうけど、シャッタースピード1秒は楽にこなせるように感じました。
三脚なしでもスローシャッターの楽しさを味わうことができます。
これはちょっと衝撃。
絞り:F3.2 / シャッタースピード:1/1300秒 / ISO:3200 使用機材:LUMIX GH6 + LEICA DG 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH.
高感度ノイズがフルサイズレベルに少ないです。
そのため、今度は感度を上げて、シャッタースピードを確保し、夜の人の動きを捉えてみました。
驚くことに、これだけ影になってる人物にもオートフォーカスが反応して、しっかり追ってくれるんですよ。絞り:F3.2 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:1600 使用機材:LUMIX GH6 + LEICA DG 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH.
こちらは壁にピントを合わせたもの。それにしても、赤の色が綺麗ですね。
絞り:F4 / シャッタースピード:1/13秒 / ISO:1600 使用機材:LUMIX GH6 + LEICA DG 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH.
絞り:F4 / シャッタースピード:1/13秒 / ISO:100 使用機材:LUMIX GH6 + LEICA DG 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH.
これはGH6に限ったことではないですが、LUMIXの色やコントラストの付き方が素晴らしいですね。
特に感じたのはオートホワイトバランスが良いです。
太陽光だろうが、人工光だろうが、変な色の転び方せず自然に写してくれます。
【こんなに頼もしいカメラがあっただろうか】
動画のイメージが強いシリーズの最新機種ですが、ご覧の通り静止画もすごいです。
ユーザーのことを考えつくしたダイヤル配置やモニター機構。
そして進化したオートフォーカス、手ブレ補正など、特に私は夜撮影での頼もしさが印象的でした。
もちろん動画性能のインパクトもすごいので、後日動画編もお送りいたします。
↓動画編はこちら
カメラのナニワ京都店 阿部