初めてのデジタルカメラはどうやって選ぶ?【カメラ専門店スタッフの基準】

カメラのナニワ京都店、阿部です。

大変ありがたいことに、当店ではカメラ初心者の方から上級者、マニアの方まで、連日多くのお客様にお越しいただいております。

中でも「これからカメラを始めたいんですけど」というお客様がいらっしゃったときは、カメラ屋店員としてつい熱が入ってしまう瞬間のひとつです。

初めての一台というのはやはり特別なもの。私も初めてカメラを買った時はドキドキしたなあ~。

そんな特別な一台、「どうやってカメラを選べばいいかわからない」という方の参考になるよう、私が思うカメラの選び方の基準をいくつかご紹介したいと思います。

なお今回はレンズ交換ができるタイプのデジタルカメラに話を絞っております。

■目次
①「一眼レフカメラ」にするか、「ミラーレスカメラ」にするか
②新品にするか、中古にするか
③好きな写真家が使ってるカメラと同じメーカーを選ぶ
④上位機種か、エントリー機種か
⑤見た目や持った感触で選ぶ
⑥カメラ店スタッフにも聞いてみる

選び方①「一眼レフカメラ」にするか、「ミラーレスカメラ」にするか

これまでは「本格的なカメラ=一眼レフ」というイメージがありましたので、カメラをされていない方の中には「ミラーレス」という単語を知らない方も多いと思います。

一眼レフカメラとミラーレスカメラの違いをざっくり説明しますと以下の通り。

一眼レフカメラ

  • 中に光景を反射させるためのミラーが入っていて、反射した実像をファインダーで覗く「光学式ファインダー(OVF)」を搭載
  • 実際の景色をファインダーで見るため、タイムラグがない
  • ボディが厚くなりがち
  • バッテリーの持ちが良い
  • ミラーショック(ミラーの動く振動)がある

ミラーレスカメラ

  • 中に反射させるミラーがない
  • ボディが比較的薄い
  • 電子的に処理された映像を覗く「電子ファインダー(EVF)」を搭載(もしくは背面モニターのみ)
  • ファインダーを見ながら明るさや色味の調整ができる
  • バッテリーの持ちが悪い(改善はされてきている)

一眼レフカメラとミラーレスカメラの違いを説明した図がこちら↓

出典:【キヤノン公式】初心者向け!一眼レフカメラとミラーレスカメラって何が違うの?おすすめカメラ3選と一緒にご紹介!|カメラ初心者教室

近年は性能の向上が目覚ましいミラーレスカメラが主流となってきておりますが、もちろんどちらでも綺麗な写真は撮れます。

詳しくは↓の弊社ブログもご参照ください。少し古い内容ですが、違いを詳しく説明しています。
一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラの違いについて


お店で違いを体験することもできますので、是非お声がけください。


選び方②新品にするか、中古にするか

新品の場合、1年のメーカー保証があるのが最も大きなメリットです。

もちろん使い古されていない綺麗なカメラを手にすることができるのも嬉しいポイント。付属品が必ず揃っているのも良いですね。

中古で選ぶ場合は、やはり予算を抑えられるのが大きなメリットです。

また、現行モデルと比べて2~3世代前ぐらいまでは画質にそこまで大きな違いがないことも多く、選択肢が増えるのもポイント。

近年の画質の向上というのは、写真をかなり拡大して比べないとわからない程度の違いになってきております。

しかし以下のポイントは世代違いで大きく変わる可能性があります。

・オートフォーカスの性能

オートフォーカスの早さ、正確さ、追従性、暗所での性能などは最近かなり進化してきておりますので、気になる方はより新しいものを選んだ方が良いでしょう。

・動画撮影の性能

静止画(写真)しか撮らないという方は気にしなくて良いところですが、最近は家庭用ビデオカメラではなく、デジタル一眼で動画を撮ることが一種のトレンドとなっております。

動画性能も近年猛スピードで向上してますので、より高品質な動画を作成したい方はよくチェックすべきところです。

・仕上がり設定の種類

カメラ未経験の方にとってはちょっとだけマニアックなお話ですが、Canonでいう「ピクチャースタイル」、Nikonでいう「ピクチャーコントロール」といった、写真の色味や仕上がりを変える設定がメーカーそれぞれにあります。

その種類が新しい世代のカメラになると増えていることがあるんです。

例えばわたくしの愛用しているFUJIFILMのカメラでいうと、フィルムシミュレーション「クラシックネガ」が入っているか入っていないかは気にされる方が多いです。

・Wi-Fi、Bluetoothでスマホに写真を送る機能があるか

撮った写真をスマートフォンに送ってすぐにSNS共有したい、家にPCがないといった方には特に重要なポイントですね。

今となってはついてて当たり前の機能となりましたが、ちょっと遡るとそういった機能がないカメラもありますので、中古品で探す場合は要注意です。

ただ、私のように撮った画像を必ずPCの大きい画面で確認したい、PCで編集したいといった方には、特になくても大丈夫な機能です。

※もし中古品を買われる場合、「状態」が必ず記載されていますのでチェックしましょう。

この状態ってどうなん?」ってことも、店員さんに聞けばもちろんしっかり教えてくれますのでご安心ください。


選び方③好きな写真家が使ってるカメラと同じメーカーを選ぶ

私個人的に一番おすすめな選び方です。

同じメーカーの機種であれば色づくり操作性に対する考え方などは似通ってきますし。

将来、より上位機種の購入を検討するときも、同じメーカーでレンズマウントが同じなら、それまで使っていたレンズを共有することもできます。

さらに全く同じ機種を選んだ場合、機材を言い訳にできないというメリット(?)もあります。

私は保井崇志さん(@_tuck4)の写真に憧れてFUJIFILMを買ったなあ。

※ただし、同じマウントでもセンサーサイズが違うとレンズを共有できない、共有できても画角をフルに生かせないといったこともあります。


選び方④上位機種か、エントリー機種か

Canonの製品一覧を見ると、プロフェショナルモデル・ハイアマチュアモデル・ミドルクラスモデル・エントリーモデルと、明確にカメラのクラス分けがされているのがわかります。

一般的に上位機種になるほど性能が良く、丈夫で壊れにくく、設定を操作するためのダイヤルなどが充実しております。

ネックとしては、サイズがエントリー機種に比べると大きくなりがち、そして値段が高くなるところです。

エントリー機種は反面、小さくて軽い・値段が安い・ダイヤルが少なくてとっつきやすいといったメリットがあります。

しかし、設定オートでの使用が想定されていることが多く、いざ自分で設定を色々いじりたいと思ったときはダイヤルの少なさがネックとなります。

カメラにお任せして気軽に撮りたい方にはエントリー機種がおすすめです。

しかし、今後自分で設定をいじってもっと上達していきたい、という方は少し上のクラスを選ぶのがおすすめです。


選び方⑤見た目や持った感触で選ぶ

私おすすめの選び方パート2です。

どんなに性能の良いカメラを買ったとしても、実際に持ち出して使わなければ意味がありません。

見た目や持った感触が好みであれば、頻繁に使ってあげたくなるというもの。

気になるカメラがあれば、店頭などで直接ご覧になって、可能なら持たせてもらうことをおすすめします。

自分にハマるカメラを手にした時は、カメラから語りかけてくるような感覚になるものです。

そんな時は迷わず連れて帰ってあげましょう。


選び方⑥カメラ店スタッフにも聞いてみる

色んな選ぶ基準を紹介しましたが、それでも初めてのカメラ選びはわからないことだらけ。

カメラ屋で働く店員の多くは、カメラが好きで好きでたまらない人です。

聞けば必ず答えてくれます。

だってみんな自分の好きなもののこと、教えたいじゃない

カメラ選びは「出会い」であります。

お客様にとって素晴らしい出会いとなり、またそのお手伝いができましたら、カメラ屋店員として何よりも幸せにございます。

カメラのナニワ京都店 阿部

カメラのナニワ 京都店