こんにちは~。編集長の中村です!
今回は、3i株式会社様の蔵CURAセレクションより先日発売されましたReto Ultra wide & slimをご紹介してまいります!
「北欧雑貨風」のデザインで早くも評判を集めているこちらのフィルムカメラ、使い方等々ふくめてじっくり解説していきます~。
【北欧雑貨風のかわいいデザイン】
【22mmのワイドな画角】
【サイズ比較:写ルンです】
【サイズ比較:コダック M38】
【Reto Ultra wide & slimの使い方】
【作例】
【まとめ】
【北欧雑貨風のかわいいデザイン】
まず見た目がかわいい。
+500,000,000点!
マットな質感とポケットサイズのコンパクトさですでにめちゃくちゃポイント高いです。
なんばマルイ店のスタッフがPOPを作成してくれました!
※価格変更のため2022年11月25日に画像差し替え
カラーバリエーションは5種類、マーキーブルー・クリーム・マッディイエロー・チャコール・パステルピンクとなっております。
わたくしはいろいろ迷ったものの、クリームを購入。
【22mmのワイドな画角】
こちらのカメラ、「Ultra wide & slim」と言うだけあって焦点距離は22mmとかなり広角のレンズがついています。
写ルンですのレンズが焦点距離32mmですので、それよりもかなり広い範囲を撮れるのが魅力。
そのほか、似たようなフィルム交換式コンパクトカメラはだいたい焦点距離30~32mmのものが多いです。
フィルムカメラで22㎜付近の画角を使おうと思ったら、他にはレンズ交換式の一眼レフなどを買うしかありません。
今まで写ルンですやフィルム交換式コンパクトカメラなどを使っていたけれども「もっと広い範囲を撮りたい……」という風に感じていた方にはぴったりのカメラです!
【サイズ比較:写ルンです】
それでは「slim」の部分が分かるよう、比較画像をお見せします。
まずは写ルンですと比較。
だいたいサイズは変わりませんが、写ルンですのほうが若干横長なフォルムですね。
Reto Ultra wide & slimのほうが若干高さがあります。
トータルで見ると写ルンですとあまり変わらないサイズです。
とはいえ、Reto Ultra wide & slimはフィルム交換ができて何度も使えるというメリットがあります!
【サイズ比較:コダック M38】
続いて同じくフィルム交換式のコンパクトカメラ、コダック M38との比較です。
高さはだいたい同じぐらい、ですが……。厚みがあまりにも違いすぎる!
Retoのスリムさがお分かりいただけるのではないでしょうか?
フラッシュ・巻き戻し機構を両方内蔵しているM38と比較すると、かなり小さくなっているのが魅力です。
【Reto Ultra wide & slimの使い方】
それでは、こちらのカメラでフィルムカメラデビュー! という方もいらっしゃると思いますので、簡単に使い方を説明してまいります!
まずは動画でご説明です。フィルム装填の一連の流れはこんな感じ。
フィルムを装填する際に注意するポイントをいくつかご説明しておきます。
①きちんとフィルムが巻き取られているか注意!
こちらのReto Ultra wide & slim、フィルム巻き上げためのスプール(軸)の構造がそこまでしっかりしたものではありません。
スリット(隙間)の横に小さな爪が1つついているだけ。
スリットの中にしっかりとひっかける溝などもありませんので、軸にフィルムがうまく巻き取られないことがたまにあります。
フィルムのパーフォレーション(上下に並んでいる穴)を、上の写真の赤マークをつけた2か所にしっかり嚙み合わせる必要があります。
こんな感じにスリットに差し込んだうえで爪をきちんと噛み合わせたら裏蓋を閉め、左下の巻き取りダイアルを回していきましょう。
巻き取りがうまくいっていたらカメラの上部についているカウンターが進んでいきます。
フィルムの露光している2~3枚分を巻き送りして、カウンターが1になったら撮影準備OKです!
②撮影が終わるまで裏蓋は絶対に開けないこと!
これはフィルムカメラ全般に言えることですが、一度フィルムを装填したら撮影が終わってフィルムを巻き戻すまで絶対に裏蓋を開けないでください。
フィルムの光が当たった部分が化学反応を起こし、それが画像として記録されているのが銀塩カメラです。
撮影中に裏蓋を開けてフィルムを光にさらすと、今まで撮った画像も全部光に反応してしまって全部消えます。
繰り返しますが、撮影が終わってフィルムを巻き戻しきるまで絶対に裏蓋を開けないでください!!
とはいえ、最初の装填時に巻き取りがうまくいかなくてフィルムカウンターが進まない場合は別です。分かりづらいかもしれませんが、スプールの外周に外れたフィルムの先端が出てしまっている状態になっています。
装填時にフィルムカウンターが進まずに延々と巻き上げダイアルが回せてしまう場合、このように正常にセットできていない可能性が高いのでいったん開けて再装填しなおしましょう。
ただし、最初の装填はうまくいったのに、撮影途中でカウンターが延々と空回りするようになっていたらフィルムが千切れてしまっている可能性があります。
その場合、途中で開けてしまうと今まで撮った画像がすべて感光して消滅してしまいます。ひとまず、最寄りの現像ラボなどに相談してください!
ちなみにわたしは初めてフィルムカメラを使ったとき、何も知らずに当たり前のように裏蓋を開けてフィルム1本丸々台無しにしました。
フィルム代+現像代がすべて虚空に消えていって「は?」ってなったので皆さま同じ轍は踏まないようにご注意くださいませ。
カウンターが進まなくなってフィルムを撮り終えたら、ダイアルの下のこの黒いボタンを押してください。
ロックが解除されて巻き戻しができるようになるので、クランクを回してフィルムをパトローネ(容器)に戻していきましょう。
これで撮影終了です!
容器に戻しきったら裏蓋を開けてOKですので、取り出して現像ラボにもっていきましょう~!
【作例】
それでは使い方はだいたいご理解いただけたと思いますので、2種類のフィルムで撮った作例をお見せしつつこのカメラの特徴をご説明していきましょう~。
①SILBERRA COLOR 50
Reto Ultra wide & slim+SILBERRA COLOR 50
まずはSILBERRA COLOR 50で撮ったもの。
大阪まいしまシーサイドパークにいきましたが、天候が晴れで日差しも強かったため、感度50とかなり低感度のフィルムを使用してみました。Reto Ultra wide & slim+SILBERRA COLOR 50
こちらのReto Ultra wide and slimには、F値11固定のレンズが入っています。シャッタースピードは1/125秒で固定。
絞り・シャッタースピードが変えられないため、ちょうどいい明るさの写真が撮れるかどうかはフィルムの感度でコントロールするしかありません。
Reto Ultra wide & slim+SILBERRA COLOR 50
写ルンです同様、1mから無限遠までどこを撮ってもピント合うようにできています。
感度の低い、粒子の細かいフィルムを入れたのでなかなか綺麗に写ってくれています!
Reto Ultra wide & slim+SILBERRA COLOR 50
難しいことを考えずにパシャパシャ撮れるのはめちゃくちゃ楽!
画像周辺部の像の流れや周辺減光(画像の四隅が暗くなること)も特有の味わいがあります。
Reto Ultra wide & slim+SILBERRA COLOR 50
着いたときはカンカン照りの晴れだったのに、途中から暗雲が立ち込めてきてかなり光量不足の状態で撮る羽目に……。
とはいえ、カラーネガフィルムは撮影時の光の量が適切でなくとも現像でけっこうなんとかなるのでそこまで神経質になる必要はありません。
感度50はちょっと日が陰っただけで怪しくなるので、とりあえず晴れた日の外で撮るときは感度100もしくは200のフィルムを詰めておけば失敗しにくいかと。
Reto Ultra wide & slim+SILBERRA COLOR 50
明るさの調整やピント合わせが不要なので、ひたすら撮影に集中できるのが強みです。
シャッターチャンスを見逃さずにどんどん撮りましょう!
Reto Ultra wide & slim+SILBERRA COLOR 50
プラスチック製のレンズのため、太陽をフレームに入れて撮ると盛大なゴーストが発生します。きれい~!!
Reto Ultra wide & slim+SILBERRA COLOR 50
小さいカメラのため、気づかないでレンズの近くに指をおいてしまって写りこむことも。特に左手は注意してください!
Reto Ultra wide & slim+SILBERRA COLOR 50
ちなみにこちらのSILBERRシリーズのフィルムはロシア製で、空いたパトローネにフィルムを詰めなおしているものになります。
現像の際に若干手間がかかる特殊なフィルムですので、ナニワグループの現像では追加料金を頂戴しております。ご注意ください!
②Kodak ULTRAMAX 400
Reto Ultra wide & slim+Kodak ULTRAMAX 400
続いて別のフィルム・Kodak ULTRAMAX 400で撮った作例をお見せしていきます。
先ほどのSILBERRAと比較するとだいぶ淡い写り。褪せた色合いがいかにもネガフィルムって感じで良いです。
Reto Ultra wide & slim+Kodak ULTRAMAX 400
日陰で撮る場合は感度400でちょうどいいくらいですね。
Reto Ultra wide & slimは写ルンですなどと違ってフラッシュが内蔵されていません。そのため、暗いところで写真を撮るのは少し難しいカメラになります。
あらかじめ撮影するシーンを予想し、フィルムの感度を選んでおくのが重要です。
Reto Ultra wide & slim+Kodak ULTRAMAX 400
ショーケースの着物。なんかズレてる。
このカメラはファインダーで見ている範囲と実際に写る範囲が少しずれるため、特に縦構図で写真を撮るときはフレーミングに注意しましょう。
Reto Ultra wide & slim+Kodak ULTRAMAX 400
カラーネガは感度の高いものほど粒子が荒くなる傾向があります。
空の部分がだいぶザラっとしていますが、これも独特の雰囲気があってよいですね~。
Reto Ultra wide & slim+Kodak ULTRAMAX 400
曇りの日に同じフィルムで撮影してみました。
日があまり差していないシーンなら、感度400のフィルムを装填するのがちょうどいい光量になりそうです。Reto Ultra wide & slim+Kodak ULTRAMAX 400
日陰を撮るときは感度400でもちょっと足りないぐらいです。
現状、市販されているカラーネガフィルムは感度800までになります。
おそらく800のフィルムを使ってどうにか曇ってる日の日陰を撮るのに困らないぐらい。
原則的に暗いところで写真が撮れるカメラではないと認識しておいていただいたほうが良いかと思います。
Reto Ultra wide & slim+Kodak ULTRAMAX 400
オシャレなお店の前でとりあえずシャッター切っておくだけでだいぶいい感じになります。
電柱が収差でグニャってなってますけどそれも良い!
Reto Ultra wide & slim+Kodak ULTRAMAX 400
曇りの日でも逆光気味ならだいぶフレアが出てふわっとします。
Reto Ultra wide & slim+Kodak ULTRAMAX 400
周辺減光が強く出て、なんだか「非現実的」な一枚に。
わたくしはデジタル・フィルム問わずいろいろなカメラで写真を撮っております。
ですが、こういうンパクトカメラで撮ったときのなんとも言えない雰囲気は独特の良さがあるよなぁと改めて実感しました。
【まとめ】
と、いうわけでこちらのReto Ultra wide & slimはコンパクトで気軽に使えるフィルムカメラでございます。
Kodak M38とのサイズ比較でお分かりいただけたと思いますが、フィルム交換式コンパクトカメラとしては非常に小さく、持ち歩きに困らない一台となっております。
手軽に買えてユニークな写りを見せてくれますので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?
ナニワグループ各店(カメラのナニワ・レモン社・タカチホカメラ)にてお取り扱いしております~!
一部在庫のない店舗もございますので、気になる場合はお電話でもお問い合わせいただければと存じます。
スタッフが丁寧に使い方もお教えいたしますので、この機会にぜひともご来店ください!!
また、この機会にフィルムカメラを始めようという方の参考になりそうなブログを以下に貼っておきますのでご参考までに!
フィルムカメラデビュー!【撮影条件別 作例付き】Kodak M35
現像オペレーターが語る!レンズ付きフイルム「写ルンです」撮影の失敗例3選と対応策
【初心者注意報 001】裏ぶたには気を付けろ【フィルムカメラ】
それでは今回も長々とお付き合いいただきましてありがとうございました~!
また次回のブログでお会いしましょう!!
【おまけ】
修理中のバルナックライカの中身と比べてみた。
サイズは同じぐらいだけど、金属の塊だから比較にならないくらい重かったよ……。