クラシックカメラ レモン社 銀座教会店

【春のPEN祭り】オリンパス PEN 初代 【銀座店】

読者の皆様初めまして。

写真を撮るのは好きだけど、カメラ(写真機)については知らないことや触ったことがない機材が多い銀座店のかわいです。

そんな私の初めての記事はOLYMPUSの「オリンパスペン」初代のご紹介です! 

 

① PENシリーズについて簡単な歴史

オリンパスペン初代機は、今(20224月現在)から約63年前の1959年に登場しました。私まだ生まれてない……。

35mmフィルムを使うハーフサイズカメラで、196070年代にかけてハーフサイズカメラの大ブームを引き起こしたそうです。

今となってはデジタルカメラやスマートフォンなどで撮影が身近であり、あまりシャッター回数を気にすることは少ないかと思いますが、当時としては通常の2倍の枚数撮れるのはかなり画期的なことだったのでしょうね。

195910月 オリンパスペン

オリンパスペン初代機登場

1960  6月 オリンパスペンS

オリンパスペンより明るいレンズが欲しいという要望に応え、Dズイコー30mm F2.8搭載

1961年 8月 オリンパスペンEE

「固定焦点距離」「シャッタースピード1/60秒」「露出は絞りの自動調整」と、機能を合理的にしボタンを押すだけで誰でも簡単に美しい写真が撮れるカメラ。

8機種まで展開し、ペンカメラが広く普及する原動力となった。

1962年 4月 オリンパスペンEES

世界初プログラムEEシャッター搭載カメラ

1962年 6月 オリンパスペンD

最高級のペンをめざし、コンパクトなボディーの中にF1.9の高性能大口径レンズ、高速1/500秒シャッター、LV値直読式内露出計などを詰め込んだ「プロ仕様のペン」

1963年 9月 オリンパスペンF F1.8 

世界初、唯一ハーフサイズ・システム一眼レフ

1964年 8月 オリンパスペンW

「オリンパスペン」のレンズを25mmに広角に変更し、レンズはEズイコー25mm F2.8を搭載したワイド専用機

1964年 9月 オリンパスペンD

「オリンパスペンD」のセレン光電池からCdSにグレードアップ

1965年 6月 オリンパスペンEM

自動巻き上げ、自動巻き戻し、世界初となる電子シャッターという3つの新機能を搭載

1965年 9月 オリンパスペンD

「オリンパスペンD」のレンズをさらに大口径のFズイコー32mm F1.7にグレードアップ

196610月 オリンパスペンFT

「オリンパスペンF」の外観を変えることなくTTL露出計内蔵。一回巻き上げへの変更、セルフタイマーの内臓などの改良

1967年 2月 オリンパスペンFV

「オリンパスペンFT」からTTL露出計とM接点を省いて、価格を下げたハーフサイズ一眼レフカメラ

1967年 3月 オリンパスペンEED

シャッター羽根が絞りも兼用する独自のオリンパスプログラムシャッターが搭載された、大口径レンズ付きプログラムEEシャッターカメラ

1968年 3月 オリンパスペンEES-2

「オリンパスペンEES」の不満点を解決して、普及型ペンEEシリーズの決定版となったカメラ

1968年 5月 オリンパスペンEE-2

「オリンパスペンEES-2」のレンズを28mm F3.5とし、固定焦点にしたカメラ

1973年 5月 オリンパスペンEE-3

「オリンパスペンEE-2」にフラッシュマチック機構が追加されたカメラ

1981年 4月 オリンパスペンEF

ペンシリーズの最終モデル。「オリンパスペンEE」にオートストロボを内蔵。蝶番式の裏蓋開閉を採用。

プラスチックボディーを採用し280グラムと軽量化が図られた


ざっとOLYMPUS 様のHP、オリンパス製品の歴史の『PENシリーズ』からいつ何が販売されたかを引用させていただきました。

↓参照元
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/series/pen/?page=technology_museum&museum-type=series

17種類ものシリーズを販売されていたとは知らず、またこんなに(60年代はほぼ毎年販売されている)シリーズが出ていると思うと当時とても人気があったことに納得しますね。

 

② スペック・ボディ各部名称

スペック

レンズ Dズイコー3.5 f28mm
シャッター コパル#000
B,1/25,1/50,1/100,1/200() X接点
絞り 3.5,4,5.6,8,11,16,22
ファインダー 光枠ファインダー
焦点調節 回転ヘリコイド
距離目盛 0.6,0.7,0.8,0.9,1,1.2,1.5,2,3,5,10,(m)
2m近接、5m一般常焦点クリップ
フィルム巻上げ リヤーワインディング式、セルフコッキング、自動巻上げ
フィルム巻戻し クランク式
裏蓋開閉 取外し式
大きさ 高68mm×幅108mm×厚さ40mm
重量 350g
電池 不要


ボディ各部名称

1 レンズ

2 絞り目盛環

3 ファインダー窓

4 光枠窓

5 レリーズボタン

6 吊り環

7 シンクロプラッグ 

8 フィルム枚数計

9 距離環

10 シャッタースピード環

11 フィルム巻戻しクランプ

12 距離測定基準線

13 アクセサリーシュー

14 フィルム巻上ギヤ 

15 フィルムガイド

16 ファインダー接眼

17 巻戻し軸

18 フィルム室

19 スプロケット

20 巻取りスプール 

21 フィルム圧着番 

22 裏蓋開閉鍵

23 三脚孔

24 巻戻しボタン 

 

③ 撮影モード

プログラムやシャッタースピード優先などの撮影モードはありません。 フルマニュアルでの撮影になります。

 

④ 撮影準備

  • カメラの底蓋の開閉蓋を起こし、矢印の方に回します。 

  • 底蓋を引きます。 

  • 巻取スプールの溝にフィルムの先を,フィルムの穴をスプロケットにはめ込みます。       

  • 巻戻し軸にフイルムをはめ込み、裏蓋を差し込み、開閉蓋を閉めます。

    念のため、きちんとフィルムが巻き上げられるか確認しましょう。

  • フィルム枚数計を合わせる       

 

⑤ 撮影

屋外

Kodak GOLD 200 SS200 F3.5 距離目盛1m

Kodak GOLD 200 SS200 F8 距離目盛1m 

Kodak GOLD 200 SS200 F22 距離目盛1m 

 

撮影時は、晴れ、午前11時ごろ。

撮影場所、シャッタースピード、距離目盛は変えず、全F値で撮影しましたが全部載せるとあまり差がわからないので……F値開放、中間、最小を載せてみました。

F3.5(開放)はふわっとし、全体的に色が薄いのでファンシーな感じ。

F8(中間)は全体的に色が出ていて、一番見やすいと思いました!

F22(最小)は手前の柵から空まで色がわかりますが、柵の影の印象が強いのかパッと見て重い感じかな……と思いました。

定点撮影をしていて、カメラが軽くて現像したら写真がブレブレでちゃんと撮れてないかも……ファインダー窓から覗いていて、本当に自分が思っている距離(1m)のところにちゃんとピンが来ているかな……?とちょっと心配なとこもありました。

しかし! 実際こうブツにしてみると、自分がピントを合わせたいところを基準に……というよりかは、ISO感度がXXの時、シャッタースピードとF値で出したい色を出すという感覚?カメラなのかな?という感じが個人的にはしっくり来ました!

室内

また、室内でも外と同じ条件で定点撮影をしたのですが……部屋に陽が入りにくいのとフィルムの感度が低く全体的に暗く、ピントを合わせたいものが近いと撮るのが難しかったです……。

 

〈作例〉

同じものを取ったとしても撮影条件を変えるだけでも、印象が変わりますね。

上の写真が現像に出して出来上がったもので、下の写真が切り抜きツールで切り取ったものになります。

切り抜いた場合どうなるかな…と思っていましたが、人物などはっきり写りました!

校舎と同じくらい高いところから撮ってみたら、意外と人の形がはっきり写りました!

逆光でフワッとしてみました。

 

⑥ まとめ

半日ペンを持ち歩いた感想です。

  • ボディが軽いので身体の負担にならない!
  • 小さいのでそこまでかさばらない!
  • スナップの撮りたいと思うことに対する瞬発性がいい!
  • 現像に出すまでに通常カット数の倍取れる!
  • 覗き穴が小さく、どこのピンが来ているのか慣れるまで難しいかも……
  • シャッタースピードがMax 1/200なので早いもの、電車とか速い乗り物など難しかったです!(走行中の電車を撮ったらブレてました笑)

ちなみにですが、ファインダーを覗いてみるとこのように見えます。

当時6,000円で売り出されたオリンパスペンですが、いろいろなことを考えると納得するというよりも、よく作れたな……とすごい以外言葉が出て来ません!

次の機種が出ればスペックの改良に伴い、販売価格も上がりますが、デジタルカメラのPENシリーズも発売されるほどの人気!

とても根強く、創設者の努力の結晶かと思います。本当、好きの原動力ってすごいですね!

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