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Kodak GOLD 200 120 使用レビュー【暖色寄りの描写に注目】

Kodak GOLD 200 120

みなさんはパケ買いで裏切られたりしたことはありますか?

とある日に趣深い本を探しに古書房に行きまして、【写真生活】という雑誌を購入しました。

ビニール袋に梱包され立ち読みできないレギュレーションでしたので、表表紙と裏表紙で購入するかどうか判断せねばなりません。

その【写真生活】という雑誌の表表紙は綺麗な若い女性がライカM3+ズミクロン50/2を持っている写真でした。

これは今でいうCAPAというカメラ雑誌と同じような感じです。自宅に持ち帰りわくわくしながら丁寧にビニール袋を開封し、読む準備が完了。

発行が1980年ですのでNikon F3であったりCanon AE-1 Programあたりの話が載っているのかなぁ~と想像しながら読み始めましたが、表紙からは想像することができないほどこの上なくえっちな雑誌でした。

写真家のヌード写真は良いとして、それ以外の下ネタに振り切ったコーナーは自分の部屋以外では読めない内容で、カメラなんてものは1台も載っておりませんでした

よくよく見てみると背表紙に「力作揃いの写真雑誌だ!!」と書いてありました。ちょっとぐらいは機材レビュー的な特集があってもええんちゃうかと思った次第。

表向きは写真雑誌、中身はえっちな本という実質エロ本を一冊家に増やしたということになります。冗談抜きで生活の「生」は「性」のほうが正しい内容でした。

以上、「アラサー男子、意図せずエロ本を買う」でした。

ちゃうねん、中身のないリード文を書きたくないあまりこんなことをつらつらと書いてしまいました。今回は Kodak GOLD 200 120の使用レビューです。

【Kodak GOLD 200 120 は再販らしい】

Kodak GOLD 200 120

90年代~2000年代にかけてフィルムの種類がかなり多くあったと聞きます。

再販ということはその中にGOLD200の120フィルムがあったということですかね。

そのあたりのフィルムに関してはほとんど認知できておりません。

何せまだその時は保育所に通っておったさかい理解できるわけもなく、ウルトラマンや戦隊などの特撮ヒーローのことで精一杯でした。

強いて写ルンですで撮る事ができるぐらいです。

そんなアタクシはちょっと前のブログで期限切れのGOLD100の120を使用しました。
よろしければご覧くださいまし↓

約20年前に期限切れした120フイルムを使ってみた【コラム】

その当時のGOLD200 120と再販されたGOLD200 120を比較をしてみたいところですができません。

青くて丸い未来の世界のネコ型ロボットにでも頼らない限り不可能です。

当時使っていた人なら記憶での比較が、かろうじてできることなのかなと思いました。


【比較検証】

Kodak GOLD 200 120

やはり、気になるのは「他のフィルムと比べてどう違うん?」というところだと思います。

こういうブログを書くからには比較しなければいけない使命感に駆られます。

比較をすればより特性がわかりやすく伝わりやすいと思いますのでやってみました!

比較するフィルムはPORTRA400PORTRA160です。

今回比較検証に使用した撮影機材はPENTAX 645NII+FA645 75/2.8です。

カメラのナニワ梅田2号店で現像データ化したものをそのまま載せています。なお、現像の受付は梅田中古買取センターにて現在承っております。

PORTRA400

紫陽花

PORTRA400 F/2.8 SS1/500

紫陽花

GOLD200 F/2.8 SS1/250

比較するにあたって比較写真を並べて1枚の画像にしようかと考えましたが、画像を作るまでもなく差があったので1枚ずつ掲載していきます。

日本で馴染みのある紫陽花といえばPORTRA400で撮影した紫陽花だとアタクシは認識しておりますがいかがでしょうか?

GOLD200で撮影した紫陽花は白っぽく黄色を含んだ印象。

個人的にこういうアイシーカラーの紫陽花は大好きですが、如何せん黄味が気になります。

ビル

PORTRA400 F/11.0 SS1/750

ビル

GOLD200 F/11.0 SS1/350

GOLD200の黄色さが図に乗ってますね~ 実際のビルの色はPORTRA400が忠実に再現してくれています。

PORTRA400は日本で撮影&現像&データ化、GOLD200はアメリカで撮影&現像&データ化たかのような色の違い。

インスタで外国の人が撮影した写真って何故か黄色いんですよね。

なんであんなにも黄色いのかと思いますが、向こうからしたら日本は青過ぎるとツッコミが入るでしょう。

外国っぽい(人によりけり)雰囲気の写真を撮りたい方には向いているんじゃないでしょうか。

影

PORTRA400 F/4.0 SS1/750

影

GOLD200 F/4.0 SS1/350

とある場所の影の写真の比較です。

GOLD200は緑っぽい反面PORTRA400はマゼンタっぽいです。GOLD200の黄味はそこまで強く感じません。

木漏れ日

PORTRA400 F/5.6 SS1/350

木漏れ日

GOLD200 F/5.6 SS1/180

こちらは朝方に撮影した写真。木漏れ日のハイライトで違いがよくわかる比較です。

GOLD200は斜陽のような黄味を帯びた光になっています。

看板

PORTRA400 F/11.0 SS1/500

看板

GOLD200 F/11.0 SS1/350

バナナレコード梅田店オープンしとります。露出の差はあれど結構似たような印象。しかし右側の壁の色が明らかに違いますね。


PORTRA160

グラス

PORTRA160 F/2.8 SS1/60

グラス

GOLD200 F/2.8 SS1/90

PORTRA160は日本家屋の陰影を活かした落ち着いた写真。GOLD200は夏の木造家屋の窓際で夏の光を感じるやや黄味のある写真。

どちらも「カラン」と氷の溶ける音が聞こえてきそうな写真です。

PORTRA160と比べるとGOLD200はコントラストが低いです。

紫陽花

PORTRA160 F/4.0 SS1/750

紫陽花

GOLD200 F/4.0 SS1/1000

緑色の葉っぱではあまり差を感じませんが、額紫陽花の紫色に差があります。

特に中心部の真花がわかりやすく、PORTRA160は青みの強いラベンダーカラー。GOLD200はライラックカラーです。

蜘蛛の巣

PORTRA160 F/5.6 SS1/180

蜘蛛の巣

GOLD200 F/5.6 SS1/250

朽ちた白い柵の色にわかりやすく差があります。よく見るとGOLD200の蜘蛛の巣も白い柵と同様に黄色いです。

雑草

PORTRA160 F/5.6 SS1/180

雑草

GOLD200 F/5.6 SS1/350

露出の差があり、GOLD200がやや明るめなこともあり、ハイライトに「これでもかっ!」っていうぐらい黄みがモリモリのマシマシです。

まるで海外の有名写真家のRAW現像のごとく煌めいています。この感じから察するに明け方や夕方の光はGOLD200が得意かもしれません。

入道雲

PORTRA160 F/8.0 SS1/60

入道雲

GOLD200 F/8.0 SS1/90

日が沈む寸前の東の空の入道雲を撮影。PORTRA160は何とも言えない夕方の光がヴェールのように被っています。

GOLD200はくすんだ黄色っぽい色が被っています。

そもそもこのような発色をするように作られているから問題はないんでしょうけど
場合によっては嫌な黄色被りです。


【作例】

※カメラのナニワ梅田2号店(現在は梅田中古買取センターにて現像受付中)で現像データ化したものをそのまま載せています

PENTAX 67II+SMC PENTAX 67 105/2.4

炭酸水

F/2.4 SS1/250 ISO200

AM 6:00 ホテルに泊まっており入り込む光がキレイだったので撮影。

こういうトーンは中判ならでは。特に黄みが目立つこともなく良い印象です。

宇治川

F/11.0 SS1/125 ISO200

梅雨明けした6月末の京都宇治。灼熱地獄の中作例を撮ろうとする自分を恨みました。

宇治橋から朝霧橋の方向に撮影。全体的に暖色な印象です。

朝霧橋に立つ人

F/11.0 SS1/180 ISO200

朝霧橋にて悲しそうな顔をした人を撮影。

高欄の赤色が目で見た色より控えめになっている気がします。もうちょっと赤かったと思うんやけどな~。

道路標識と人

F/5.6 SS1/750 ISO200

道路交通系の情報量が多い場所ですこぶる笑顔の人を撮影。

発色は問題なく全体的にやや黄色が出ています。日中のこういったシチュエーションは使いやすいのではないでしょうか。

裂き織り機

F/2.4 SS1/90 ISO200

織り機を撮影。

青過ぎずええ塩梅です。自然光で室内であればきれいに撮れそうです。

紡績機

F/2.4 SS1/45 ISO200

紡績機を撮影。

オーク材のような木製の色合いがこのフィルムと相性がいいように思えます。

糸を紡ぐ人

F/2.4 SS1/45 ISO200

窓から入る自然光で撮影。

肌の色の描写が良い。ちょうどよい感じ。

 

Rolleiflex 3.5F OPTON PL 75/3.5

自撮り

F/5.6 SS1/60 ISO200

見事にピントを外したセルフィーです。

かなり暗い反射材だったので露出をオーバー目に撮影。反射物内にある何かが被っておりそれが赤っぽく筆者に被っています。

そんな状況下でも色は特に問題なく良いです。

電車

F/8.0 SS1/125 ISO200

駅でマルーンカラーのかっこいいやつを撮影。

他のフィルムと比較しなければ若干黄みありますがニュートラルに見えなくもないです。

木漏れ日

F/8.0 SS1/125 ISO200

都会の木漏れ日を撮影。

フィルムってよくシャドウが青くなりがちなんですが、このGOLD200はあまり青くならないので寒色より暖色が好きな人にとっては素晴らしいフィルムなんじゃないでしょうか。

テーブル

F/3.5 SS1/15 ISO200

またしてもピントを外した写真。やはり外国製のカメラで視度補正機構がなければ厳しいと痛感します。

室内は部屋の光によって色の出方が変わりますが、この写真は特に問題なさそうです。

鏡

F/3.5 SS1/8 ISO200

姿見鏡の延長線上にローライフレックスを配置しセルフィー。

頑張って手を伸ばしてピースを写すことに成功したものの、「怖い」だの「明るい心霊写真」だの写真で一言的な大喜利が始まってしまいました。暖色のライトは相性よさそうですね◎

PENTAX 645NII+FA645 75/2.8

マンション

F/11.0 SS1/500 ISO200

こういう青空を含んだ写真はコントラストが高くなくまろやかな写真になりがちです。
他のフィルムに比べてやさしさを感じます。

道路

F/11.0 SS1/250 ISO160

天気の良さとレンズの抜けの良さとフィルムの良さが伺える一枚。

夏の強い日差しによるコントラストをある程度抑えてくれる可能性があるのでもしかしたら都合がいいかもしれません。

木漏れ日

F/5.6 SS1/180 ISO160

上でシャドウが青くなりにくいと言っておきながら、これは青い。

暖色のハイライトのおかげなのか?状況次第かな?

電線

F/8.0 SS1/125 ISO200

目で見ていた色と比べるといささか黄味が強いです。

黄味を引いて陽が沈む直前のオレンジっぽい色を足せば目で見ていた色に近いです。
写真単体では違和感ないですけども。

夕陽

F/8.0 SS1/350 ISO200

夕陽から上に向かって暖色のグラデーションが出来ています。

このフィルムならではの色再現です。他のフィルムであればもっと青とオレンジの色が協調された写真になっていたはず。


【まとめ】

  • 暖色(特に黄色)寄りの特徴がある
  • 比較的コントラストが低い
  • 他のフィルムと比較すると明確に黄色が強く出る
  • 夕方の暖色の光と相性がいい(かも)

繰り返しにはなりますが、とにかく黄色が強くコントラストが低い特徴を持つフィルムです。

アメリカの西海岸とかで使うとめっちゃいい気がします。知らんけど。

でもなんかこのフィルムは行ったことのないアメリカの西海岸や見たことないけどオーストラリアのサンセットっぽいなと思いました。

アタクシからするとそれだけ海外っぽい写真が撮れるということを示していると解釈しました。

そんなアタクシこと若林ですが、近日中にお仕事用のインスタグラムアカウント開設することとなりました。

主にフィルムカメラやフィルムの作例を機材の写真とともに紹介していく予定です。ブログよりも手軽に作例を見ることができると思いますので是非フォローしてください。

以上、ナニワグループオンラインの若林でした。

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