みなさんこんにちは!レモン社池袋店の宮です(・v・)ノ
連載第3回目!
先月はつい春のPEN祭りに参加してしまったので更新が滞りました!申し訳ありません!
今回も頑張って書いていきますのでよろしくお願いいたしますm(_ _)m
さて、前回は「モノクロフィルム写真~撮影準備編~」と題しまして、モノクロフィルムの種類やフィルター効果についてお伝えしました。
今回は「モノクロフィルム写真~撮影編~」!!
撮影向きの被写体やうまく撮るコツについては第1回でもご紹介しましたが、今回は実際にモノクロフィルムを装填して撮影してきましたので、作例も兼ねてご紹介できればと思います!
それではスタート٩(・v・)و
①モノクロとカラーの比較
普段私たちが見ている景色はカラーですが、これをモノクロで撮影していくとどのような写りになるのでしょう…?
今回は、Nikon FE2にILFORD XP2 Super 400を装填して撮影したものを例としてお見せしていきます! |
同じ被写体を、ほぼ同じ位置から撮影してみました。
(1/250秒 F11)
※焦点距離が違うので、カラーのデジタル写真を、データ化したフィルムに合わせてトリミングしております。
綺麗なブルーが目を引く被写体ですが、モノクロになるとあまり目立ちませんね……。
(1/500秒 F11)
この被写体に関しては、空の色と青い看板がほぼ同化してしまっています。
左右のピクトグラム(人マーク)の見え方が均等でないため、あまり良い写真とは呼べないかも……。
(1/500秒 F8)
こちらは日の丸構図の被写体です。
カラーで見た時に行く視線とモノクロで見た時に行く視線(メイン)が同じなので、撮影した時に見せたいと思った部分がストレートに伝わります。
(1/1000秒 F11)
カラーだとナチュラルな色合いでまとまりのある被写体です。モノクロだとトーンが均一化され少しのっぺりとした印象……。
色情報が無くなるため、パッと見た時コレが何の被写体なのか認識するのに時間がかかりますが、じっくり観察すると建造物の正確さ・骨格の美しさに気が付きます。
(1/250秒 F8)
カラーとの比較はコレで最後です!注目はレンガの模様……!
あれ!?模様が全く無くなってるじゃないの!!?
はい、そうです、これが前回もお話しした"輝度"差による見え方の違いです。
私がレンガの波模様が良いと思って何枚も撮影していたら悲しい思いをするところでした……。
②「焼き込み」と「覆い焼き」
仕上がった写真を見たら“なんかパッとしない”、“イマイチ見せたい部分が伝わらない”写真だった場合「焼き込み」と「覆い焼き」をすることで、そんな写真を救済できるかもしれません(`・∀・)!
【焼き込み】
部分的に露光量(光を当てる量)を増やすことで、明るい(白い)部分を暗く(黒く)することができます。
下の写真を比べてみてください↓
(1/30秒 F2.8)
1枚目の写真では真ん中の自転車をメインに撮りました。
しかし、仕上がりを見ると両サイド"6"と"10"の自転車部分がアッサリしすぎだった(眠い=印象が弱い)ので、もう少し焼き込んで画面全体の力強さを出してみました。
今回はわかりやすく赤斜線部分をPhotoshopで焼き込みましたが、実際に暗室でプリントを仕上げる時もイメージとしては同じです。
暗室での焼き込み方法はモノクロ写真のプリント編でご紹介しますのでお楽しみに( ^_^)
【焼き込みサンプル】
(1/2000秒 F11)
↑空の部分を焼きこんで三角のギラつきを強調。
(1/250秒 F8)
↑白飛び気味な上部を焼き込み、金属のテクスチャを出しました。
【覆い焼き】
覆い焼きは焼き込みの逆で、部分的に露光量(光を当てる量)を減らすことで、暗い(黒い)部分を明るく(白く)することができます。
(1/500秒 F11)
1枚目のストレートな仕上げは木漏れ日のがメインになった写真でしたが、左上部が逆光で暗く重い印象でした。
青斜線部分を覆い焼きすることで、全体に透明感のある爽やかな印象になりました( ´v`)
【焼き込み+覆い焼き】
焼き込み・覆い焼きを組み合わせていくと、より自分の仕上げたいイメージに画面を近付けることができます。
(1/500秒 F11)
1枚目のストレートな仕上げでは真ん中の柱が目立っています。
都会的なビル群と自然との対比が面白かったので、そちらにも目が行くように「焼き込み」と「覆い焼き」を組み合わせていきます。
空の雲と背景のビル群を焼き込み、黒潰れしそうな建物の一部・柱のニュアンスを出すため覆い焼きしてみました。
こうすることで画面全体の濃度が均一になり、より撮影した状況(空間)を感じられる写真になったと思います(・v・)
焼き込み・覆い焼きは基本的に正解が無いので、プリントをした人によって仕上がりも変わってきます!
明るいところ~暗いところまで豊かなグレーの移り変わりを見せていくのも良いですし、明暗差のあるメリハリの利いた写真もカッコイイですね…!
こだわっていくと際限がないですが、プロが仕上げたプリントは思わずじっと見入ってしまうほど美しいので、ギャラリーや美術館で実際にプリントされたものを是非見てみてください( ´∀`)
※撮影時点にアンダー/ハイキーで撮影した場合、フィルムに濃淡の粒子情報が無いと「焼き込み」「覆い焼き」ではリカバリーしきれない場合があります。 はじめのうちは、プリント時に「焼き込み」「覆い焼き」どちらもできるよう撮影時は適正露出で"ノーマルな写り"にすることをオススメします。 |
③ILFORD XP2 Super 400【作例】
ここより下は焼き込み・覆い焼きをしていないストレート仕上げの作例になります( ・∀・)
ILFORD XP2 Super 400の参考にどうぞ!!
(1/250秒 F4)
(1/1000秒 F11)
(1/秒1000 F8)
(1/500秒 F8)
(1/250秒 F8)
(1/1000秒 F11)
(1/125秒 F5.6)
【最後に】
「モノクロフィルム写真~撮影編~」、いかがだったでしょう?
撮影写真の撮影する時にわかりやすいメインを置いたり、インパクトのある形を探していくと、"ストレートでも見やすい写真"の打率が上がると思います( ・v・)
はじめはモノクロ向きの被写体が分かりにくいと思いますが、たくさん撮影するうちにコツが掴めるようになるのでご安心を!
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