こんにちは。カメラのナニワ 梅田中古買取センターの喜田です。
早々に梅雨が明けて、蒸し暑い毎日になってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
撮影に行こうにも暑くてなかなか気が進まない……という方も多いのではないでしょうか。
いざ撮影に行っても、暑くて動き回る気になれないこともあるかと思います。猛暑ですから!
今回は、そんな皆様に、動き回らずとも写真が撮れる「ズームレンズ」の選び方をご説明したいと思います。
ズームレンズは単焦点レンズと異なり、撮影している場所から対象の被写体に移動することなく、ズームリングを回すだけで、大きく撮ったり、小さく撮ったり出来るレンズをいいます。
外でレンズを換えている時間が無いときにも1本で大活躍してくれます。
同じレンズでズームして撮影してみました。
引きで撮ったりアップで撮ったりが簡単に変えられる優れものですが、いざ買おうとすると色々な種類があってどれを選べばいいか迷ってしまいます。
そこで今日はズームレンズの選び方について、ご提案させていただきたいと思います。
■ズームレンズの選び方
◆画質・明るさで選ぶ
一般的にレンズキットなどについてくる標準ズームレンズは、大きく写そうとすると光を取り込む量が減ってしまう「暗い」レンズが多いです。
上の画像はNikonの標準ズームレンズ・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRですが、遠くを撮ろうとするとF値が6.3とかなり暗くなってしまいます。
一方、ランクの高いレンズはズームしても大きく写しても明るさが変わらないように設計されています。
ランクの高いズームレンズはズームして大きく写してもでF2.8やF4のまま撮影できるものがあります。
光を多く取り込んで明るく撮れるほか、作れるボケの量も大きく変わってきます。
そのほか、ランクの高いズームレンズは光学設計が優れていてズーム全域で写りが良い・AFが早くて静かなどのポイントも。
高性能ズームレンズの代表的なものとしては、キヤノンLレンズ・ニコンSライン・ソニーGM(Gマスター)などがあります。これらレンズは高性能、特に描写力やAF性能が高いのが特徴。
◆価格で選ぶ
ズームレンズの価格の違いは、特に描写力や特にAF性能に違いが大きく出ます。
レンズキットに用いられる標準ズームは比較的安価ですが、高級ラインのズームレンズは新品で20~30万円以上の場合がほとんど。
一方、写る範囲が一定の単焦点レンズは高級ラインでも手が出しやすい価格のものがあったりします。
予算の都合が難しい場合、単焦点レンズは高いものを選び、ズームレンズは安価なものを選ぶといった選択も出来るでしょう。
◆焦点距離で選ぶ
小さく(=広角 広く写る)・大きく(=望遠 狭く写る)が簡単に変えられます。ズームレンズの一番のアドバンテージではないでしょうか。
なぜ、「広角」に対する「狭角」ではなく、写真用語では「望遠」というのだろうかと良く言ったものです。
その中でも、高くて広角から望遠まで幅広くカバーできる「高倍率ズームレンズ」というものも存在します。
こういった高倍率ズームレンズは1本で幅広い画角をカバーできて非常に便利なのですが、明るさや画質の面では倍率を抑えたレンズのほうが優秀です。
レンズを交換せずにいろいろな被写体を撮りたいのか、なるべく画質や明るさを優先したいのか、用途に合わせてご検討ください。
◆センサーサイズに合わせて選ぶ
ズームレンズに限りませんが、同じメーカーでも異なったセンサーサイズ用に別々のラインナップが揃っている場合があります。
センサーサイズの違いに関してはこちらの記事をご覧ください。
多いのは、「フルサイズ」(一般的な35mm判フィルムと同じサイズ)と、それよりも少し小さいサイズの「APS-C」の2種類でラインナップが分かれている場合。
お使いのカメラがAPS-Cセンサーのものの場合、APS-Cサイズ専用のレンズを選んだほうが軽くて小さく、お値段も控えめなことが多いです。
ちなみに、センサーサイズがAPS-Cの場合、表記上の焦点距離と写る場合が異なります。
原則的にレンズの焦点距離は「フルサイズ」に合わせた表記になっています。
しかし、センサーが小さいと焦点距離と画角(実際に写る範囲)の関係が変わり、より狭い範囲しか写らないのです。
APS-C用に作られたレンズの実際に写る範囲は、焦点距離を約1.5~1.6倍をした数値になってきます。
例えば上の写真音EF-S 18-135/3.5-5.6はAPS-C用のレンズになりますが、実質的な焦点距離は27-202.5㎜ほど。
広角側は特に写る範囲が狭くなるのが難点ですが、実質の画角で使いやすい範囲に収まるように調整されています。
先ほどの例なら広角側の18mmは18×1.5倍=27mmといった具合。
広角スナップ写真を撮るのに人気なリコーのコンデジGRシリーズと同じ画角であり、扱いやすい画角になっています。
同じように望遠側が200mmないし250mmなどと記載されている場合、同じく約1.5倍の焦点距離となるため、約300mmもしくは約400mm相当の望遠レンズとして使用することができます。
一昔前でしたら望遠レンズの300mmや400mmといえば、重量が2~3kgしました。
一方でAPS-C用のレンズならば望遠側をカバーしつつ、軽くて取り回しも良い分、気軽に持ち運び撮影を楽しめます。
なお、APS-Cのカメラにフルサイズのレンズをつけても焦点距離が伸びて写る範囲が狭くなってしまうだけで問題なく使えます。
しかし、フルサイズのカメラにAPS-Cのレンズをつけた場合、APS-Cと同じ写る範囲に設定を切り替えてそのまま使えるカメラとそうでないものがあるのでご注意ください。
■画角の違いを比較
では、それぞれの画角(=焦点距離)の違いを見るため、同じレンズを用いて、画角の違いを撮影してみました。
滋賀県にある白髭神社で撮影した写真をお見せしていきます。
まずは広角24mm付近から見ていきましょう。
このように写真の見え方の印象が変わります。レンズ5本分の画角を1本でカバーできるのは非常に手軽ですね。
単焦点レンズと異なり、同じ場所から少しズボラではありますが撮影が可能です。
もちろん、被写体との適切な距離(ワーキングディスタンス)、最適な画角で撮影といったことを考えれば、少し動いて距離を取れる場合には単焦点レンズの方がおすすめです。
描写性能やボケ感などは、明るい単焦点レンズの方がメリットがあります。このあたりは以下の記事も参考にどうぞ。
こちらの白髭神社は絶景スポットとして有名で、眼下に広がる琵琶湖をバックに大鳥居を撮影された方も多いでしょう。
現在、緩やかなカーブの道路を横断して路側帯での見物が危険な為、横断禁止になりました。
そこで近くに高さ約3mほどの展望台が設置されており、そこから撮影することが可能です。
この場合、同じ場所からの撮影となり望遠単焦点が無い場合、ズームレンズでしか撮影できません。
旅先に重くて大きい単焦点レンズを持っていくのは一苦労です。こういうシーンで気軽に撮影できるのはズームレンズの大きな利点です。
昔は「焦点距離は足で稼げ」と言われたものでしたが、逆に言うとズームレンズさえあれば動き回らずに楽に作りたい画を撮れる。
外でレンズ交換したくない雨の日や、粉塵舞う環境下などでは、カメラ内部への粉塵の混入や誤って落下させて故障させてしまうことを考えるとズームレンズがおすすめです。
作品撮りだけでなく、運動会やライブ写真など決められた位置からずっと撮らなければいけない場面では必須とも言える機材です。
この機会に、ズームレンズを持っていない方も、すでにお持ちの方も今一度ご自身の機材を見直して今の自分に必要なズームレンズを探しに来られませんか?
この記事でご紹介したレンズは、カメラのナニワで手に入することができます。(在庫状況はその時々によります)
ご来店いただいければ、直接レンズ選びのお手伝いをさせていただけます。
ここまでお読みいただきありがとうございます。この記事についてのお問い合わせは、カメラのナニワ梅田中古買取センターの喜田まで。
今後もより良いサービスを提供できるよう日々努めてまいります。
引き続き変わらぬご愛顧を賜りますよう何卒宜しくお願いいたします。