カメラ今昔物語
こんにちは! 心斎橋本店のたつみです。
しばらくお休みしておりました当コラムが1年ぶりに復活!(社内の熱い熱い要望に応えてって言うのはここだけの話。。(笑))
さて再開1発目は、マルチを合言葉にライバル社追撃の為に誕生したペンタックス 『SuperA』についてのお話です。
多機能戦国時代の真っただ中で
昨今70・80年代アイドル歌謡が流行しているそうで。。
今も現役アイドルとして活躍されてる大スターがデビューしたのが80年。
さらにいわゆる『アイドル当たり年』と呼ばれる方々がこぞって登場したのは82年。正統派からツッパリ系(死語(笑))等々とてもバラエティー。
あの子がカワイイとかこのグループがカッコイイとか、まさに百花繚乱!
年末になると賞レースもし烈を極め食い入るようにTVを見たり。。
ホントとても良い時代でした。。(^^♪シミジミ
カメラ業界においてもこの時期は各社が知恵を出し合い魅力的な機種を続々と誕生させた頃でもありました。
キーワードは『AE』(自動露出)それも複数搭載(マルチ化)する事で差別化を図ろうと開発競争が繰り広げられます。
それら努力に報いるかのように1982年ヨーロッパにおいて、その年に発売されたNo.1のカメラを決めようと【ヨーロピアン・カメラ・オブ・ザ・イヤー※】が制定されます。
※現 EISA カメラ・オブ・ザ・イヤー
栄えある第1回受賞モデルは【ミノルタ X700】
この受賞は宣伝において大きなインパクトとなり販売UPに繋がります。
その状況をライバル達が見逃す事はなく、追いつけ追い越せとばかり新機種が続々と世に放たれる事になります。
そして迎えた翌年の1983年。見事に賞レースを勝ち抜いたのが【ペンタックス SuperA】だったのです。
バチバチのライバル視
マルチ化の波は1970代の後半から盛んになり各社志向を凝らした機種を登場させます。
その中で最も支持を得たのが1978年発売の【キヤノンA-1】
その話はこちらから⇒
キヤノン初のプログラムAE搭載のこのカメラは、5モードAEを名乗りスタイリッシュ且つその先進性で瞬く間にカメラファンの【アイドル】となります。
当時販売面においてトップクラスにあったペンタックスも黙って指を加えている訳にいきません。
先ず1979年にシャッターダイヤルの代わりにプッシュボタンを施した絞り優先搭載機【ME Super】で迎撃に向かい、その斬新性も手伝いそこそこヒットしますがA-1はどんどん売れ続けます。
そこそこ売れた Mシリーズの中核機 『MESuper』
どうするペンタックス!(てか旭光学!!)
大きな課題は絞りの自動制御。。
昼夜に及ぶ議論と試行錯誤の中で導き出した答えがマウントの改良。
電子接点を組み込んだ『KAマウント』
従来のKマウントに電子接点を組み込む事で対応します(現在にも通ずるKAマウントレンズの誕生!80年代にスゴイ!!)
そしてついにA-1登場から遅れること5年後の83年に【SuperA】を完成させて発売に踏み切ります。
このSuperAがともかくA-1を目の敵にしたがごとくの内容。
先ずネーミングからしてA-1の上を行こうとするその挑戦ぶり。
燦然と輝くヨーロピアン・カメラ・オブ・ザ・イヤー受賞!
さらにキャッチコピーが【スーパー6モード】( ゚Д゚)!マジカ
念願のプログラムAEとシャッター&絞り優先AEとマニュアル露出に2種類のストロボモードで計6つ!(いささかこじ付け感ありますが)
つづいてデザインと装備。
MEスーパーから踏襲したプッシュ式シャッタースピードボタンに
シャッターダイヤルが無い!
当時としては異例の液晶パネルを盛り付けて視認性を向上!
(さらにファインダー内表示も液晶化し先進性をアピール)
シャッターは縦走りとし、最高速1/2000&シンクロ1/125秒を実現!
これだけ電子化しながらバッテリーはLR44x2個で賄い省電力!
グリップを脱着式にし、専用のモータードライブAを用意する念の入れ様(この辺はA-1の真似し。。しかもグリップ無くす人続出。。(苦笑))
外すな危険!(笑)
特別出演:Super Program(輸出用)+モータードライブA
マジで『どうだキヤノンA-1参ったかぁ!ワハハハ~!!』と言わんばかり
の盛りだくさん感でカメラ小僧達を巻き込み、カメラ雑誌では『A-1 VS SuperA』なる特集が組まれ大人気のカメラとなるのでした。
最後に
83年の話題をすっかりかっさらったSuperA。
左:programA 右:SuperA
翌84年には弟機種【programA】、さらに85年に【A3 DATE】が登場。
まさに両社Aシリーズ同志で全面戦争を仕掛けます(そんなに物騒な話でもないのですが。。(^^;)
さぁ!これからと思われたまさにこの年。
【αショック】の大波に巻き込まれあえなく終結!
ペンタックスもAF化に向けて新機種へと軸足を移していくことになります。
ある意味悲運のエースとなったSuperA。。
しかし数々の新しいアイデアはその後の機種に受け継がれていく事でしっかりと役目を果たしたと言えるでしょう。。
(了)