タムロン 18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD【神戸の猫撮影レビュー】

「TAMRON」と言えば高倍率ズーム、高倍率ズームと言えば「TAMRON」と繰り返されるほど、扱いやすい大きさと高画質を両立させるのが上手なメーカーです。

平成4年(1992年)にAF28-200mm F/3.8-5.6Aspherical〈Model 71D〉発売以来、「さらなる小型化」「さらなる高倍率」「さらなる光学性能の向上」など、理想の高倍率ズームを時代毎に製品化しています。

そして、令和3年(2021年)10月、フジXファン・ソニーαファン待望の『タムロン 18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD〈Model B061〉』が登場しました。

タムロン初、フジXマウントを採用したことで、「タムロンを初めて検討するフジXユーザー」も多くいらっしゃいます。

今回、当レンズのポイントについて、筆者が撮影した作例と共にご紹介してゆきましょう。

【ミラーレス用APS-Cレンズとしては初めてのズーム比16.6倍】

純正レンズの高倍率ズームレンズと言えば、ソニー純正レンズでは、E18-200mm F3.5-6.3 OSS(2010年発売)もしくはE18-200mm F3.5-6.3 OSS LE(2012年発売)です。

NEX-3やNEX-5Nにはピッタリなスペックでしたが、発売から10年以上経過しているため、今後の高画素化・オートフォーカス高性能化を考慮すると新製品を望まれるところでした。

一方、フジフイルム純正の高倍率ズームレンズは、XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRのみで、レンズシステムの充実している一眼レフカメラメーカーからの移行ユーザー様から「フジ用で高倍率ズームレンズは、他にありますか?」と問合せが多くありました。

タムロンの新製品18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD〈Model B061〉は、135判換算27~450㎜相当風景撮影から競技場撮影では必須の超望遠まで1本で多彩なジャンルをカバーします。
1/250 f4.0 ISO400
1/250 f4.0 ISO1250

【応答のはやいオートフォーカス】

タムロンのオートフォーカス機構は、レンズの特性に合わせて何種類かあります。

18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD〈Model B061〉には、スポーツ・子供・動物・鉄道などフォーカスの追従性が優れているリニアモーターフォーカス機構「VXD」を採用しています。

動きものをメインしているカメラマンがレンズメーカー製レンズを躊躇する理由に、「オートフォーカスの合焦速度」と「合焦精度」があります。

今回の猫撮影レビューでは、フジX-T10の「ボディ内像面位相差AF」と「ワイドトラッキング」に対して、リニアモーターフォーカス機構「VXD」はストレスなく作動しました。

筆者の愛機X-T10に対して、純正の望遠ズームレンズと遜色のないタムロンレンズの適応能力の結果に、「最新型 のフジX-H2s(2022年7/14新発売)ならば、さらにうえをゆくスピードを期待できるのでは?」と想像してしまいます。
1/200 f5.0 ISO2000
1/200 f4.5 ISO2500

【フレアやゴーストを抑える新コーティング】

高倍率ズームレンズの悩みの一つに、「単焦点レンズ用より短い花形レンズフード」です。広角端と望遠端を1本の同じレンズフードを兼ねている分、しかたない事柄であります。

今回、「Broad-Band Anti-Reflection Generation 2」という従来品よりフレアやゴーストの発生を今まで以上に極限まで抑え込む新コーティングを採用しています。 撮影者を悩ます逆光でもクリアーに写します。

余談ですが、筆者は 猫撮影レビューのサブ機として、ドイツの歴史あるカメラメーカー ライカとコラボしたスーマートフォン(H社とS社)2台を携帯しています。

しかし、順光で撮影するよう心掛けていますが、ちょっとした半逆光でもフレアが大きく生じてしまいます。

一方で18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD〈Model B061〉では、光源の位置を心配することなく撮影を進めることができました。

このことは、自動車や鉄道写真など、ヘッドライト(前照灯)が構図に入るカメラマンにも、オススメできる安心材料であります。
1/250 f5.0 ISO1600
1/250 f4.5 ISO800

【ハーフマクロレンズの顔も】

18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD〈Model B061〉の最短撮影距離は、広角端で15cm 望遠端で99cmです。

最大撮影倍率で言い換えると、広角端で0.5倍・望遠端で0.25倍と、広角端の近接撮影能力は、現行のタムロン高倍率ズームレンズとしては、最高記録を有しています。

参考 最大撮影倍率

■ソニーE18-200mm F3.5-6.3 OSS 0.35倍
■ソニーE18-200mm F3.5-6.3 OSS LE 0.27倍
■フジXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR 0.27倍
■タムロン18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD 0.5倍
1/250 f4.0 ISO800

【タムロン自慢のレンズ内手振れ補正機構「VC」】

フジフイルムのミラーレスカメラでボディ内手振れ補正を有する機種は、「X-H1」「X-S10」「X-T4」及び2022年7月発売予定「X-H2S」です。

過半数の機種が手振れ補正未搭載につき、レンズ内手振れ補正機構「VC」はすべてのXマウントユーザーに恩恵があります。

特に、人工知能テクノロジーを活用することで、ソニー・フジそれぞれのミラーレスカメラでも、焦点距離70mm以下では動画撮影に考慮した補正も得られます。

筆者の体感では、焦点距離300mm(135換算/450mm相当)でシャッター速度1/15~1/30秒程度までが実用範囲とお伝えします。
1/160 f5.0  ISO3200
1/250 f5.6  ISO1250

【最後に】

カメラ・レンズ・撮影機材の買い増し・買い替え等でご不明な点がございましたら、是非ともナニワグループまでお問い合わせくださいませ。

また、弊社スタッフの池田が書いたレビューもこちらからご覧ください。
【フジXユーザー必見】タムロン 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD(Model B061)使用レビュー


■撮影協力■
ザビくん・ノアちゃん・ウシちゃん・ブラックくん・グーちゃん・ミニちゃん・コジマくん・ダズくん・ボブくん・モコちゃん他 ※敷地責任者に許可を得て撮影