色々な部署を転々としております。ナニワグループオンライン 山下です。
カメラのナニワ 神戸元町店 でのブログが最後でしたので、約3年ぶりの投稿です。
書きたい記事(カメラとレンズ)は色々とあるのですが……。
今回はバルナックライカ「Leica IIIg」の使用レビューをしていきたいと思います。
【IIIgの大まかなスペック】
マウント | ライカLマウント(スクリュー) | |||||
使用フィルム | 135フィルム(35mm判) | |||||
シャッター速度 | 1/1000~1s・T・B | |||||
フレーム | 50mm+90mmブライトフレーム(パララックス自動補正) | |||||
二重像(距離計) | 虚像式 | |||||
セルフタイマー | あり | |||||
製造 | 1957~1960 |
Leica IIIg について(ざっくり)
1954年、カメラ業界に現れた伝説の名機「Leica M3」(以下 ライカ M3)
その革新的なファインダーと機能性に圧倒された他のカメラメーカーは、レンジファインダー機ではなく一眼レフの開発へとシフトしていきました。
カメラ業界に激震を与えたライカ M3の発売から約2年後、とあるカメラが登場します。
こちらは新型のライカマウント「Mマウント」ではなく、旧来のスクリューマウントを採用していました。
M3が与えた衝撃は大きいものでしたが、所謂「バルナック」と呼ばれる、それまでのスクリューマウント式のライカを熱望するファンの方たちが多くいたためです。
そのような声に応えて作られたのが「Leica IIIg」(以下 ライカ IIIg)です。こちらが今回のレビュー対象のカメラとなります。
ライカ IIIg は今までのバルナック型ライカとMマウントライカの技術をフィードバックして作られています。
大きな特徴として「パララックス(視差)自動補正」が可能な50mmと90mmのブライトフレームファインダーが内蔵されました。
これにより、今までのバルナックのパララックス補正が無い50mm単独のファインダーに比べ利便性が格段に向上し、最短撮影時の構図決定などに大きく貢献しました。
その代償として、背が高くなってしまった……。
ただ、バルナックとしての操作感や完成度は非常に高いカメラだと思っております。
外観画像とか
バルナックはやはりかっこいい
旧来のバルナックから大きく変わったファインダー。
50mmと90mmのブライトフレームが常時表示されます。
この部分を見るだけで ライカ IIIg と判断できるポイントの一つ。
ブライトフレーム表示の画像(枠が歪んで写っているのは撮影カメラによるものです)
外側の白い線が50mm枠表示 内側の4つの▽表示が90mm枠表示となります。
軍幹部画像
シャッタースピードが倍数系列となり、個人的に使いやすい。
ライカの筆記体がまぶしい。
セルフタイマーとスローダイヤルの画像
小さいとこまでローレット加工されてるのは芸が細かいですね。
フイルムインジケーターの画像
M3からのフィードバックの一つ、フイルムインジケータ―。
それまで軍幹部の巻き上げクランクに搭載されていたものがハウジング裏面に移動となりました。賛否両論の一つ。
フイルム装填の仕方は変わらず。
テレカなどカードを用いて装填することもできますが、儀式感覚でフイルムをカットしての装填が山下は好みです。
以下、作例
IIIg+Summicron L50/2 沈胴 Kodak Ektar 100 1/250 f8
田舎出身の山下にとって都会の道路は摩訶不思議です。
IIIg+Summicron L50/2 沈胴 FUJIFILM FUJICOLOR 100 1/1000 f5.6
高速シャッターが切れるか試してみた例。
ネガ濃度が多少濃かったのでオーバー露光気味の個体ですが、シャッター幕開いてて安心した思い出。
IIIg+Summicron L50/2 沈胴 FUJIFILM FUJICOLOR 100 1/250 f5.6
FUJICOLOR 100を使うと緑色と赤色の物が撮りたくなるパッケージ効果は絶大。
それにしても沈胴Summicronの解像力が高い。
※フレアっぽいのはバルサム切れ+レンズキズの影響もあります。
IIIg+Summicron L50/2 沈胴 Kodak Ektar 100 1/60 f2
銀座・和光のガラスショーウィンドウは本当に芸術だと思う。
夜の写り込みも最高である。
IIIg+Summicron L50/2 沈胴 Kodak Ektar 100 1/30 f2
夜+雨はあまりカメラを出さないことが多いのですが、SF映画が好きなので「ブレードランナー」っぽい雰囲気を感じて一枚。
IIIg+Summicron L50/2 沈胴 Kodak Ektar 100 1/30 f2
ミラーショックのないレンジファインダーの本機は夜間手持ち撮影にも大いに貢献してくれます(ちょっと手ブレしててお恥ずかしい)
また、夜間でもレンズの明るさに関係なくピント合わせ可能なのも心強いですね。
【中古購入時のポイント】
・距離計像が薄くなっていないか
経年変化等で距離計像が薄く、ピント合わせが困難になっている場合があります。
距離感覚や絞りによる被写界深度撮影が優れている中・上級者の方以外ははっきりと像が見える個体をお選びいただくのが良いでしょう。
・距離計の像ズレが無いか
距離計の縦像と横像が使用に伴いズレてしまっている個体が多くあります。
縦像の多少のズレであれば撮影への影響は少ないかもしませんが、横像が大きくズレているとピント位置がズレてしまうため写真への影響が出てしまいます。
可能であれば、カメラ店店頭でレンズを装着して頂き、距離計チェック(無限遠もチェック出来れば最高)をして頂くのが良いです。
・シャッター速度が変化しているか
写真への影響が最も高いといえるのがシャッター速度。
低速~高速までシャッターを押していただき、速度が変化しているか確認しましょう。
高速シャッター 1/1000と1/500等は構造上シャッター幕が裏側から見えないため、試写しない限り開いているかの判断がとても難しいですが、低速シャッター付近ではシャッター幕の動きが確認可能です。
1/30以下は「ジー...」や「シャンシャン...」といった音にも注目。
・シャッター幕の状態はどうか
シャッター幕は布幕(片面ゴム引き)となっており、経年変化でカビであったり、ゴム部分が硬膜化(ヒビ割れ等)してしまったり、穴が開いてしまうこともあります。
マウント側からのぞき込んでシャッター幕にカビやヒビが出ていないか要チェック。
・巻上・巻き戻しクランクの動きが重くないか
撮影時の感触に影響が出てくる部位。
錆等が発生して渋い動きになっているものあります。可能であればフイルムを入れて確認できれば良いですね。
・セルフタイマーは動いているか
個人的にあまり使用しない機能、セルフタイマー。
こちらが機能していない個体も多くなってきています。今回使用した個体も動いたり動かなかったりしたのですが、やっぱり動かないとモヤモヤしますね。
と、大まかな中古購入時のチェックポイントでした。
個人的には、古いフイルムカメラは状態が個々によって違うため、出来ればカメラ屋店頭で触っていただくのが良いと思います。
実際に動作確認の上でご購入いただくのを推奨します。
また、「整備済み」等の表記がある個体をなるべく選ぶことをおすすめします。
まとめ
バルナックライカはフィルム装填やピント合わせ等、使いにくいと言われておりますが、慣れていくと何の不便もなく使えるカメラだと思います。
持っていると空シャッターを切りたくなったり、そのクラシックな外観美に所有感も満たしてくれる存在。
一家に一台は是非置いて頂きたいですね!
以上、個人の主観の大きいレビューでした。
ナニワグループ(カメラのナニワ・レモン社・タカチホカメラ)スタッフはカメラが好きが多くおりますので、これからカメラを始められる方のご相談も歓迎でございます。
お気軽にお立ち寄りくださいませ。
それでは今回はこれくらいで。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。次回もどうか宜しくお願い致します!!