ナニワグループオンラインの山下です。
今回は「Nikon S2」(以下 ニコン S2)の使用レビューをしていきます。
発売の際にあったいろいろな経緯などは以下の弊社ブログに譲るとして……。
今回はなるべく作例多めな記事で行きたいと思います。
【ニコン S2 って使いやすい?】
使えば使うほど使いやすいと言いたい。
(ただし、はじめてフィルム機を購入したいという方にはお勧めし難いところ……)
ニコン S2 はアルバダ式の50mm等倍ファインダーとなっており、フレームは50mm単体となっております。
50mmレンズが好きな方・50mmしか使わない方には使いやすいカメラとなっています。
ほな、同じく等倍ファインダーで50mmが使えるS3やS4でもええんとちゃう?と思われた皆様、大正解です。
ただ、50mm枠だけというのが構図に集中できてええよな!というのが思うところでございます。(あくまで個人の意見です)
ただ、パララックス自動補正はついておらず、近距離補正マークも無いため、近距離側ではズレを補正する経験や慣れが必要になります。
それもまた楽しみの一つと考えて使っていきましょう。
フィルム装填は他のS型やNikon Fの様に裏蓋がごっそりと外れてフイルムを装填するタイプで、装填後は手動でフィルムカウンターを合わせてやりましょう。
これは早く撮影されたい方にはネックな部分ですが、落ち着いて対処してあげましょう。歩きながらフィルム装填できる人は玄人です。
また、S型の特徴の一つ「焦点調節ギア(フォーカシングギア)」
内爪と呼ばれるニコンSマウントレンズのピント合わせに使用するギアですが、こちらの使用感は賛否両論。
これは使用者それぞれの意見がありますが、右手のみでもピント合わせが可能なため、左手が使えない場面では大変重宝する機構です。
指が痛くならない程度にギアが滑らかな個体を選ぶのがベストです。
いろいろと特徴があるのですが、やっぱり丸みを帯びたNikonのロゴがいいよなー。
【作例】
ニッコールといえばカリカリの解像感に硬調な調子という感覚があるのですが、使用したS用ニッコール NIKKOR-H.C 5cm/2 の開放付近の描写は柔らかく良い意味で衝撃でした。
半逆光状態での撮影。
ヒゲ部分の毛並みの分離した写りが素晴らしい。めっちゃ警戒されました。
東京-新大阪 新幹線の中で見られた富士山。
露光は3段ほどオーバーでした。
絞ればしっかりとした解像感と高コントラスト。
ヒビ割れた白線の質感がリアル。
発光部分もいきなり飛ぶことが無く、柔らかく描写。
NIKKOR-H.C 5cm/2 は全体的に寒色寄りの調子になりやすい気がします。現像液・データ化する機器・使用するフイルムの違いによって変わりますが。
絞りによっての変化も楽しめて、高解像のレンズですので、ニコン S2との組み合わせに最適な1本だと思います。
…………………。
よく考えたら、フイルム機の作例はレンズとフイルムの描写になりますね。
【使用の上であったら便利なもの】
ニコン S2とS用ニッコールを使用するうえであったら便利なものをご紹介いたします。(あくまで個人の主観です)
・単体露出計
ニコン S2 は露出計が内蔵されていない、シンプルな機械式カメラですので、使用にあたってはカメラのシャッター速度とレンズの絞り値を自分で決める必要があります。
ネガフイルム使用の時は 快晴時 フイルム感度分のf16 で適正露出を覚えておくと、感覚さえつかめれば撮影できますが、やはり不安になってしまうもの。(フイルムも高いですからね)
ここで活躍するのが単体露出計。
SEKONICやGOSSENの入射光・反射光切り替え式露出計、COSINAのVoigtlander VCメーター などが使いやすいかと思います。
SEKONICのスタジオデラックスシリーズ や PENTAXのデジタルスポットメーターを単体で使用されている方を街中で見かけたら、お声をかけてしまうかもしれません。
・ズームファインダー
50mm単体で ニコン S2 と写真を極めるというのも憧れるのですが、やっぱり交換レンズ買っちゃうわという方におすすめしたい。
焦点距離固定の単体ファインダーでもいいのですが、色々ファインダー持つのが面倒な方や、ファインダー1つで完結させたい方にはズームファインダーが便利。
意味もなくズームしたくなるよね。
・交換レンズ
買ってまうよね。うん。
2.5cmとか3.5cmとか8.5cmとか欲しいよね。
D.D.ダンカンさんだってニッコール使われたんだから買ってもいいよね。
ただ、レンズ鏡筒にCマーク(レンズ名称部にあるコーティング表記じゃないやつ)があるレンズは注意が必要です。
こちらはコンタックス レンジファインダー機用(ヤシコンとは違う旧レンジファインダー用)に調整された物のため、フランジバックは同じです(無限遠ではピントが合う)が、繰り出し量が違うため最短側へ行くにつれてS型ではピント位置が変わってしまいます。特に望遠レンズになればなる程、深度が浅いため不利に。
SマウントニコンにはCマークが無いものを選ぶのがベストです。
(NIKKOR-H.C 等のレンズ名称部にあるコーティング表記は大丈夫やで)
※こちらは レモン社 銀座協会店 T氏から教わりました。ありがとうございます。
最後に、ニコンS型は日本の製造技術の高さを表しているカメラだと個人的に思います。
現在の自動化されたカメラの方が遥に使いやすく、失敗も少ない写真が撮れますが、カメラを使う面白さはまだ古いカメラの方が上だなと勝手に思っております。
鑑賞するもよし、使うもよし、愛でるもよし。
買いたいときでいいので、使いたいカメラを買っちゃいましょ~。ナニワグループオンラインでも取扱いございます。
ちなみに、今はインターネットいう便利なモンがあるさかいな、もっと詳しく知りたい方はCAPAさんのニコンS2ブログでも見ときなはれ。(名探偵コナン 迷宮の十字路より一部言葉を抜粋)
機能解説と製品画像がとても分かりやすいです。
CAPA 【ニコン歴代カメラ】ニコン S2 – すべてを一新したベストセラー機
以上、ショッピングローン常連の山下でした!