「ここからが地獄だぞ」「何とでもなるはずだ」
※劇場アニメーション作品「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」より一部言葉を抜粋
上記2つの言葉は沼民にとっては刺さるのではないでしょうか?
いやぁ、カメラ・レンズ・アクセサリー沼というのは恐ろしい。
買っても買っても終わらない物欲。お金が無い・消えていく地獄。
そんな時にささやいてくる「36回まで金利無料」の広告。
そう ショッピングローンが僕らを助けてくれる! わいも審査通るか知らんけど!
※ローンの審査が通らない場合もありますので、ご了承ください。
まあ「何とでもなるはずだ!」
前置きが長くなりました、カメラ沼・レンズ沼に片足突っ込んでショッピングローンの常連と化した、ナニワグループオンライン 山下です。
今回は、昨今の予期せぬライカ製品高騰によりじわじわ価格が上がってきておりますが、その中でも比較的お求めやすい中古価格の「ELMARIT M 90/2.8 1st」の使用レビューを致します。
レンズ構成 3群5枚 絞り値 2.8~22 最短撮影距離 1m
ライカMマウントレンズの中でもスタンダードなタイプに近いレンズ構成と枚数。
マウントはMマウント用・Lマウント用の両タイプが存在しております。
よく見かけるのはMマウントタイプで、Lマウントはレアな方。
バルナックも使うという方はLマウントを買って、L-M変換リングアダプターでMマウント変換するのがお得??です。
絞り羽根枚数は12枚。
中間絞りまではカクカクとした絞り形状ですが、f16~f22では円形に限りなく近づき(上画像はf22)、意味もなく絞りを絞ってしまいたくなります。
鏡筒カラーはブラック・シルバーがあり、マウント部付近にグッタペルカが貼られております。
ピント合わせ時に指がかかる部位にローレット加工が施されており、非常に機能的でありカッコいい。
m表記とfeet表記の両方があるのは使いやすいよね。
本レンズの特徴の一つ、レンズヘッドの取り外し。
外したレンズユニットをビゾフレックス+アダプターに装着して使用する事も可能です。
※ビゾで使用したことはありません……。
また、イメージサークルが広いらしく、こちらも使用しておりませんが、、、中判域もカバーしているとの事。
懐の深いレンズです。
以下、作例
M4+ELMARIT M 90/2.8 Kodak GOLD 200 1/250 f5.6
谷中銀座に行こうとしていたところに「かっぱ」の文字が書かれた公園があった。
もちろん入った。
「ライカレンズが写す赤は朱色に近い」と大先輩N田氏がおっしゃっていたのが分かってきた気がする。
M4+ELMARIT M 90/2.8 Kodak GOLD 200 1/500 f5.6
動物では猫が好きです。
色ノリもコッテリしすぎず、あっさりしすぎず、いい塩梅。
M4+ELMARIT M 90/2.8 Kodak GOLD 200 1/250 f8
光芒が綺麗なレンズ。
M4+ELMARIT M 90/2.8 Kodak GOLD 200 1/125 f4
中望遠ですが、一部を切り取る感覚を得られます。M4で使用しましたが、ピントの精度も十分確保できました。
M4+ELMARIT M 90/2.8 Kodak GOLD 200 1/250 f5.6
よく言われる開放から2段絞ったレンズの美味しい状態が好きというわけではないのですが、開放から2段絞りには謎の安心感があります。
M4+ELMARIT M 90/2.8 Kodak GOLD 200 1/500 f4
ファインダーでも逆光状態分かってたから、フレア出るやろなーとは思てたけど、こんな出るとは思てませんでした。
フードつけない派の筆者ですが、さすがに12575のフード買おうかなと思ったり、これも特徴やからそのままやろと、頭の中で終わらない問答が続いております。
M4+ELMARIT M 90/2.8 Kodak GOLD 200 1/250 f11
昔の金曜ロードショーの始まり方ってこんな感じやったよなー。。
と思ってたけど全然違いました。
M4+ELMARIT M 90/2.8 Kodak GOLD 200 B(約180秒) f11
※フイルム現像+データ化後にlightroomにて明るさとWB補正
長秒露光等では相反則不軌の現象がおこるため、とりあえず勘で3分くらいで撮影しましたが、まあまあのネガの薄さ。
撮影データ取りも重要やなと思いました。
※相反則不軌……低照度の暗い環境ではフィルムの実効感度が低下してしまうこと。通常よりも長い露光時間が必要になります。
【中古購入時のポイント】
・レンズのカビやクモリ・バルサム切れはどうか
販売から年月が相当経っているため、メンテナンスをしていてもカビやクモリが発生している個体が多くあります。
薄いクモリや小さなカビであれば、写りへの影響が少ない方だと思いますが、大きなカビやクモリ・バルサム切れには注意しましょう。
・絞り羽根の油浮きはどうか
こちらも経年変化によって絞り羽根に油が浮いてくる場合があります。
多少浮いているくらいであれば絞りの動きに影響がない場合もありますが、多くなってくると絞りが変化しない等の不具合が出てくる場合もあります。
なるべく油浮きが無い物や整備済み品が安心でしょう。
・ヘリコイドの動きはスムーズか
ヘリコイドの動きが重いや軽いといった個体。
人それぞれ感覚が違うため、意見が異なる場合があるので店頭で確かめていただくのがベストですが、異音が鳴ったり、全く動かない場合はスルーが良いかと。
・距離計連動カムが動いているか
ヘリコイドと一緒に確認して頂きたいのが、距離計連動カムの上下動。
稀に固着して動かなくなっている場合があるので、この状態で距離計搭載のライカやライカマウント互換距離計カメラに付けると、距離連動せずにピント合わせが困難になります。
ただし、距離計が搭載されていない各社ミラーレス一眼にアダプター経由で取り付ける場合は関係ないため、お安く買うことも...
出来る限りしっかりと動作する物をお買い上げくださいませ。
まとめ
使用して個人的に感じたのが光を綺麗に捉えてくれるレンズということ。
また、絞りを絞っても硬調になり過ぎないところも柔らかくてええなと思いました。
レンジファインダーでは使用する機種によっては枠が小さい場合や、そもそも枠が無い機種もあったりして扱いにくい時もあります。
しかし、外付けファインダーを使えば対応も可能であったり、比較的小さく携行にも便利なので使っていただきたい1本です。
フイルムユーザー・デジタルユーザーの皆様、ぜひご一考を!
以上、次のレンズのローンを計算している山下でした!