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驚くほど寄れるレンズ「タムロン20mm F/2.8 Di III OSD M1:2」 猫撮影レビュー

皆さま、こんにちは。猛暑続きの夏が終わろうとしていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

筆者は、4回目の新型コロナ予防接種を済ませ、地域猫の撮影をライフワークとして愉しんでいます。

先日、NHK情報番組で「猫の街 京都」のコーナーで、筆者の猫作品を使用していただく機会がありました。

過去にメディア掲載依頼の経験はあるのですが、SNSの影響力をあらためて体感しています。

それでは、ブログの本題へ移らせていただきます。

写真愛好家の皆さんに近接撮影(マクロ撮影)に強いタムロンの交換レンズと尋ねると。。。

SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1をはじめとした歴代の「タムキュー」シリーズが多数を占めるでしょう。

メーカーと問わず、マクロレンズのラインアップは、90mm~105mmの中望遠系を中心にして、50~60mmの標準系にも人気があります。

一方、カメラ機材を所有していない層の近接撮影と言えば、iphone・Xiaomi・OPPOなど、広角レンズ付きスマートフォンで近づいて撮影ができていたというケースが多いのではないでしょうか。
ひと昔までは、AF付き超広角単焦点レンズは「重い・大きい・高い」と敬遠される傾向がありました。

しかし、スマートフォンで超広角レンズの遠近感(パースペクティブ)を体験した若年層を中心に、初めてのフルサイズミラーレスカメラ用交換レンズの候補に「軽い・高画質・お買い求めやすい」で定評ある「タムロン20mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F050)」をご指名する機会を見かけます。

それでは、筆者の撮影した作例と共に、当レンズの特長をご紹介していきましょう。

【タムロン創業70周年で初めての「20mm単焦点レンズ」】

大手レンズメーカーとして広く認知されている「タムロン」は、昭和25年に『泰成光学機器製作所』として、写真機・双眼鏡の研磨・加工を営みはじめました。

昭和33年に「タムロン」を自社ブランドとして採用。同年に一眼レフカメラ用交換レンズ135mmF4.5(#280)を発売開始以来、200種類以上におよぶ交換レンズを世に送り出してきました。

タムロンは、高性能はそのままでコンパクトに仕上げたズームレンズを中心に製品化してきました。

その結果、創業70周年で初めての「20mm単焦点レンズ」として20mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F050)が登場しました。
ちなみに、フィルム一眼レフカメラ全盛の頃(昭和50年代~平成中期)、タムロンの超広角レンズは存在していました。

対角画角104度をカバーするSP 17mm F/3.5です。最初はModel51Bとして登場、ターレット型回転式フィルター(4種)内蔵で完成度が高い超広角レンズでした。

以後、Model151Bへ改良をしながら、20年以上にわたり製造されていました。

同時期には、トキナーは「RMC Tokina 17mm F/3.5」を、 シグマは「SIGMA Ultra-Wide 18mm F/2.8」を発売しています。

単焦点レンズ20mmを製品化しても、競合他社を考慮すれば、超広角レンズとしては訴求力が弱いと判断されて、製造されることのない未開拓の焦点距離となっていたのかもしれません。

【思いっきり大きく写せる 最大撮影倍率0.5倍】

元々、風景撮影・建築物記録などを主な用途としていた広角系の交換レンズに、近接撮影機能に配慮した設計は皆無に等しかったです

かつて、タムロンの超広角ズームレンズとしてSP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (A012)が風景写真家で人気がありましたが、最短撮影距離28cm・重さ約1100gとSNS等で多様化する撮影アングルに対応しにくい点もありました。

今回、20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)は、カメラボディ内レンズ補正を併用することで有効画素数5000万画素を超えるミラーレスカメラの性能に対応しつつ、重さ・最短撮影距離を飛躍的に改善するために単焦点レンズとして登場しました。

なお、24mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F051)・35mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F053)も同じコンセプトモデルの「三兄弟」として、ラインアップが豊富にあります。
当レンズの最短撮影距離は11cm(イメージセンサー面からの距離) 最大撮影倍率0.5倍を実現しています。

レンズ先端からでは撮影距離は数cmまで近づけますので、今回の猫撮影ではレンズフードを取り外しで臨みました。

近接撮影能力が極端に高いレンズには、画像周辺部が流れる傾向がありますが、当レンズについては結像するところはしっかりと結像し、ボケているところは柔らかく描写します。

■参考比較
□SONY FE 20mm F1.8 G 最大撮影倍率 0.22倍 重さ373g
□Nikon Z 20mm F/1.8S 最大撮影倍率0.19倍 重さ505g
□SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art 最大撮影倍率0.16倍 重さ630g
□Tokina FIRIN 20mm F2 FE MF 最大撮影倍率0.09倍 重さ 490g
□TAMRON 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050) 最大撮影倍率 0.5倍 重さ220g

【ローアングルで近づく楽しさ】

中望遠系のマクロレンズでは、ワーキングディスタンスを十分に取れる分、ローアングルから被写体を強調するのは苦手とします。

今回、ハーフマクロ機能を有する当レンズでは、猫の鼻まわりを強調すべく、ローアングルから近づいてみました。
フォーカシング時でもレンズの全長が変わらないため、以前、ブームになった「デカ鼻猫」を簡単に再現できます。

【丸ボケを美しくする円形絞り】

多角形の絞りを採用している交換レンズは、絞った場合、点光源のボケ形状は多角形になりますが、当レンズには開放絞りから2段絞っても、点光源のボケ形状が円形になるように7枚羽根円形絞りを採用しています。

上の作例2点は、夕暮れ時の遊歩道で佇む猫ですが、開放絞りf2.8で撮影しています。

口径食は見受けられますが、特殊硝材レンズにより、このクラスのレンズとしては最小限に抑えています。

【ボタン類が一切つけていないシームレスデザイン】

レンズ本体は、ボタン類が一切つけていないシームレスデザインを採用しています。

レンズの全長はおよそ64mmで手を添える丁度良い位置にピントリングがあり、有機的な曲線を描くデザインのおかげで、従来製品と比較して扱いやすくなっています。

特に、マニュアルフォーカスを併用する場合、ファインダーから目を離さなくても、すぐにピントリングをたどり着きます。

ピントリングについては、適度なトルク感がありますので、マニュアルフォーカスで微調整はやりやすいです。

【最後に】

プライベートで焦点距離50mm~100mmレンズを使い慣れている筆者にとって、超広角レンズは構図の整理で苦労の大きい印象でした。

しかし、猫の息遣いまで感じ取れるハーフマクロ機能のおかげで、猫とコミュニケーションを普段以上にできたことでお互いの信頼感がさらに増すきっかけにつながりました。

偶然なのかわかりませんが、これまで使用してきたAF付き超広角レンズのなかで、20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)が唯一1度も猫パンチを受けることなく、猫は安心してくつろいでいました。

静かに動作するオートフォーカス(DCモーター)・通常の超広角レンズよりも小さい前玉(威圧感のないレンズの大きさ)・シャッター音の小さいカメラボディなど、さまざまな要因で、猫に好かれたのかもしれませんね。

タムロンレンズをはじめ、各種カメラ機材に関するお問い合わせ・ご用命は是非ともナニワグループまでよろしくお願いします。

■モデル協力:はっちゃん・タクちゃん・クロさん
※許可を得て、猫を撮影


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