こんにちは~。編集長の中村です。
先日、NikonさんにZ 9をお借りして戦闘機などを撮ってまいりましたが、デモ機貸し出し期間中にファームウェアアップデートVer.3.00が公開されていました。
まぁ10月26日の話なので、かなり「遅ればせながら」の話題なのですが……。
そろそろ発売から1年経つにも関わらず、フラッグシップ機としていまだに存在感を放ち続けるZ 9。
新しくファームウェアアップデートで追加された機能のご紹介なども踏まえつつ、今回のブログでもその魅力を引き続きご紹介してまいります~。
行くぜ! UNSTOPPABLE!!
【ハイスピードフレームキャプチャ+にC60追加】
【「プリキャプチャ記録」と合せてテスト!】
【実写作例】
【単焦点でもズーム撮影が可能な「ハイレゾズーム」】
【まだまだZ 9から目が離せない!!】
【おまけ】
【ハイスピードフレームキャプチャ+にC60追加】
今回のアップデートで、スチル(静止画)とムービー(動画)の両面でパワーアップを果たしたZ 9。
まず、静止画・写真中心で撮影を行っているわたくしからすると、今回のアップデートで追加された機能で気になったのは「ハイスピードフレームキャプチャ+ C60」でした。
Nikonのフラッグシップミラーレス「Z 9」が凄すぎた【素人でも航空祭が撮れる!】
ハイスピードフレームキャプチャ+は前回のブログでも多用した機能。
上の写真もハイスピードフレームキャプチャ+C120の超高速連写でブルーインパルスのクロスする瞬間を捉えた1枚になります。
これまでは約30コマ/秒の撮影が可能な「C30」、もしくは約120コマ/秒が可能な「C120」のみ使用可能でした。
しかし、C120は超絶高速連写が可能な代わりに画像がサイズS固定で約1000万画素相当にまで小さくなってしまうのが難点。
一方でC30はサイズL固定で大きいサイズのまま高速連写が可能ですが、C120に比べると大幅にコマ数が減るため少々心もとない感があるのは否めませんでした。
例えば、こちらはC30でゴイサギの飛び立つ一連の動作を撮影したもの。
今回はそれなりにきちんと撮れてはいますが、1コマごとに羽根がけっこう動いてしまっているのでタイミングが悪いと思い通りのカットが撮れない可能性も。
一方、C120で撮影すると確実に「決定的瞬間」を捉えられるのですが……。
画像サイズが小さくなってあまり大胆なトリミングができない、カット数があまりにも膨大になってセレクトに苦労するというジレンマが……。
ですが、今回のファームウェアVer.3.00でハイスピードフレームキャプチャ+に約60コマ/秒で連写できるC60が追加されました!!
こちらのC60、APS-Cサイズ/DXフォーマットでのみ使用可能という制限はありますが、サイズL固定で撮影可能。
5392×3592ピクセルの約1900万画素程度と十分なサイズを確保したまま高速連写できるようになりました。
画角がちょっと望遠になってしまうものの、C30とC120の「良いとこどり」ができる機能になります。
【「プリキャプチャ記録」と合せてテスト!】
プリキャプチャ記録は、2022年4月20日のファームウェアアップデートVer.2.00で追加された機能。
シャッター半押しでAF合焦させると内部記録が開始され、全押しして撮影開始した瞬間の最大1秒前まで遡って記録することができる機能になります。
マイクロフォーサーズ機などでは同様の機能が搭載されている機種も多く、すでにおなじみの機能ではありますが……。
フルサイズミラーレスで初めてこの機能を搭載したのがZ 9になります!!
例えば鳥が飛び立つ瞬間を撮影しようと思った時、動いたのを視認した時点でシャッターを押しても撮りたい瞬間には間に合いません。
ところが、このプリキャプチャ記録を用いれば、AFさえ合わせておけば飛び立つのを目視してから撮影しても「シャッターを押す直前」のカットを自動で記録してくれます!
慣れた方であれば、鳥が飛び立つ兆候を察知してそれに合わせて連写を開始することで「飛び立つ瞬間」を撮影できるのでしょうが……。
技量や経験に自信がなくても手軽に撮りたい瞬間を捉えられるのはなかなか強烈です。
今回は天王寺動物園で鳥を撮影してきた作例をお見せしつつ、これらの機能の使い勝手についてこまかく解説していきたいと思います。
【実写作例】
半押ししてAF合焦したまま待っていると……。
飛翔!!
飛び立つのを目視してからレリーズしておりますが、プリキャプチャ記録のおかげで直前の瞬間もバッチリ抑えられています。
ハイスピードフレームキャプチャ+ C60で連写すると、こんな感じにかなり細かく飛び立つ際の動作を記録できます。
セレクトの自由度がC30よりも格段に上がり、しかもC120よりも画像サイズを保ったまま記録できるのは非常に便利ですね!
若干トリミングしましたが、900万画素ぐらいは確保できました。(Web掲載用にサイズを小さくしています)
鳥撮影のように望遠で撮影する被写体の場合、できれば若干引きで撮っておいて後からトリミングして画面のバランスを整えたいところです。
その点、余裕を持って撮影して後からフレーミングを調整できるのは大きいですね。
ただし、APS-Cサイズ/DXフォーマットのみでの撮影となるため換算焦点距離が伸びてしまい、被写体との距離が近いときは少々使いづらくなります。
ですが逆に被写体が遠い場合、C120はDXフォーマットで使用できませんので、焦点距離を稼ぎつつ連写数も増やせますのでバッチリとハマるシーンも多いはず。
飛び立つ瞬間のみならず、着地するシーンでもハイスピードフレームキャプチャ+の高速連写が役にたちます。
悠然と羽根を広げて巣に降り立つコウノトリを捉えました。
激しく争うゴイサギたち。
これもハイスピードフレームキャプチャ+とプリキャプチャ記録を使えば「見てから撮影余裕」ができちゃうわけです……!
【単焦点でもズーム撮影が可能な「ハイレゾズーム」】
その名も「ハイレゾズーム」!
こちら、なんと最大2倍の電子ズームが画質劣化なしで可能になるという素晴らしい機能です。
最大8Kで撮影した映像をクロップして、ズーミングして焦点距離を変えているように見える映像を作り出せます。
とりあえずサンプルを撮ってみたのでまずはご覧ください。三脚の用意がなく、かなり手振れしていてお見苦しいですが……。
デモ機としてお借りしたZ 9+NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sで撮影しましたが、実質400-800mmのレンズで撮影したようなかたちになります!
通常、電子ズームを使うと画質が大幅に劣化してしまうことが多いですが、実際に使ってみた感じ「画質劣化なし」は本当のようです。すごい。
単焦点レンズでもズームレンズのように使えるためズーミングを活かした撮影ができるほか、ズームレンズのテレ端を大きく伸ばせるのはすさまじいメリットですね!
ただし、使用できる動画形式や動画サイズ、フレームレートに制限がありますのでその点はご注意ください。
詳しくは以下の公式詳細ページにてご確認いただければと。
Z 9 ハイレゾズーム 機能解説ページ
【まだまだZ 9から目が離せない!!】
複数台のZ 9で同時に録画しても映像と音声の同期が容易になる「タイムコード同期」が可能になったり、高周波LED照明下でのフリッカー現象を抑える「高周波フリッカー低減」が動画撮影時でも使えるようになったりしています。
1台のカメラにこれほど何度も大きなアップデートが入るのは、いままであまり見られなかった珍しいことです。
じっくりとユーザーの声を吸い上げてZ 9をより良いカメラにしていこうというNikonさんの熱意を感じられますね……!!
なお、12月20日に公開されたファームウェアVer.3.01によって、リモートグリップMC-N10を使用時に10ピンターミナル経由で接続したカメラと連動レリーズが可能になりました。
その他、AFの追従性改善・不具合修正などもアップデートには含まれています。
このようなマイナーアップデートも含め、今後もZ 9のUNSTOPPABLEな進化に期待が高まります!!
2022年12月現在では、納期1か月ほどでご用意できる状況となっております。
お値段もなかなかで気軽に手を出せるカメラではないのですが、使い心地の素晴らしさは折り紙付きですのでぜひともご検討ください~!
【おまけ】
ハイスピードフレームキャプチャ+ C60以外のモードで撮った写真も含んでいますが。
ちなみに、「これから鳥撮影をはじめたい!」と思ってる方に、天王寺動物園の「鳥の楽園」ゾーンは本当におススメです。
巨大なドーム内にさまざまな鳥が飼育されておりますので、飛び立つ姿や飛んでいる姿などを気軽に撮影できます!
ちなみにわたくし、今回ちょっとチャレンジで野鳥を撮りに行ったりもしたのですが……。そもそも鳥を見つけることすらできないことがほとんどでした……。
気持ち程度の取れ高を下に貼っておきます。
鳥撮影は奥が深い……。
それでは、今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました!
また次回のブログでお会いしましょう~。