こんにちは。梅田中古買取センターの池田です。
私のレビューブログは久しぶりとなります。最後までお付き合いをお願いいたします。
さて今回ご紹介する商品は2022年7月14日に発売されました、富士フイルムX-H2Sです。
Xシリーズ初のボディ内手ブレ補正機構搭載モデルで一躍脚光を浴びることとなりました。
販売終了のあと、Tシリーズ「X-T4」に手ブレ補正機構が搭載された事で、「もうHシリーズの後継機種はないかも……」との声も聞くようになりました。
それから約2年とちょっと。待ちに待ったHシリーズの最新モデルが発表されました。
それが今回ご紹介する「X-H2S」です。
「X-H2S」の特徴を一言で表現するなら「動きものを撮影するために生まれたカメラ」と言った感じでしょうか。動く被写体を快適に撮影できるような1台となっています。
その後、高画素モデルの「X-H2」も発売されました。
作例写真をご紹介する前に、簡単にスペックと操作性などをご紹介いたします。
【主なスペック】
①有効画素数 約2616万画素
②イメージセンサー 裏面照射積層型構造 「X-TRANS CMOS 5HS」
③画像処理エンジン 「X-Processor5」
④最大7段のボディ内手ブレ補正機構
⑤最速40コマ/秒の高速連写性能 ※電子シャッター時
⑥0.8倍 約576万ドットの高性能ファインダー
以上が主なスペックですが、動く被写体を撮影するとなれば、注目すべき点はやはり連写性能だと思います。
ただ連写性能が速くなっただけでなく、被写体を追従するAF性能も大きく改善されています。
外観・操作性
「X-H1」にあったシャッタースピードダイヤルとISO感度ダイヤルが「X-H2S」ではなくなり、モードダイヤルが新たに搭載されています。
これにより、シャッタースピードや絞りはシャッターボタンの前にあるフロントコマンドダイヤルまたは背面にあるリアコマンドダイヤルで設定します。
「X-T3」を愛用している私にとっては、操作性が大きく変わってしまい、少し戸惑いました。X-Tシリーズから買い替えの方は、慣れが必要だと思います。
Xシリーズで576万ドットのファインダーが搭載されているのは、この「X-H2S」と「X-H2」の2機種だけ。
最新モデルの「X-T5」は約369万ドットとなっており、いかに「X-H2S」のファインダーが良いわかります。
ファインダーの性能が良い必然的に撮影のモチベーションもアップいたします。
被写体検出AF
検出してくれるのは、動物・鳥・車・バイク&自転車、飛行機・電車の6種類。
また、2022年1月12日のファームウェアアップデートVer.3.00で昆虫・ドローンの被写体認識が追加されました。
昆虫は「鳥」、ドローンは「飛行機」に設定することで検出可能です。
基本的にはメニュー画面から操作することになりますが、ボタンのカスタマイズで変更も可能です。
私は「AE-L」ボタンに割り当て、ワンタッチで被写体検出AFをON・OFFできるようにしました。
今回の撮影では、ほとんどのシーンにおいて被写体検出AFをONにして撮影しました。
カードスロット
今回の試写においては、SDカード(UHS-I)で撮影しましたが、連写で撮影した後すぐに画像が確認できない状況に陥りました。
高速連写で快適に撮影するなら、やはりCFexpressが良さそうです。
【作例】
連写性能のテストからです。AF・AE追従で最大で秒間40コマの連写が可能ですが、鉄道ではそこまでの連写が必要ありませんので20コマに設定して撮影してみました。
被写体検出はONにしています。
被写体検出の精度も高く、オートフォーカスについては完璧の一言。また、連写時はブラックアウトフリーで撮影できますので、被写体を追いやすくなっています。
電子シャッターでの撮影ですが、この写真ではローリングシャッター歪みは見られません。
雪が舞う北陸本線。
降雪時はオートフォーカスがピント位置を迷ってしまい、手前の雪にピントが合ってしまう事が多々あります。
そんな時、被写体検出AFは重宝するのではないかと思っています。
この写真も手前の雪にピントが合うことはなく、列車をしっかり捉えてくれています。
これ以上の降雪の場合はどうなのか気になるところですが、次回の宿題にしておきます。
北陸本線を走る列車たち。
2024年春、北陸新幹線が福井県敦賀駅まで延伸されると、ここを走る特急列車はなくなる予定です。特急街道と呼ばれた北陸本線も、もうすぐ見納めとなります。
今回はその大事な記録として、撮影に挑みました。
被写体検出AFはこれまでの撮影で信頼できるものと感じていましたので、ONにして撮影しています。
被写体検出AFをONにして撮影すると、構図に専念できるのも大きなメリットだと思っています。
また、この写真は電子シャッターではなくメカシャッターで撮影しています。
メカシャッターでも秒間15コマの撮影が可能であり、万が一のローリングシャッター歪みを気にする必要がなくなるからです。
夕陽を浴びてやってくる特急列車。
ここでも被写体検出AFはONです。列車が陽の当たっいるところ(1枚目)から影のところ(2枚目)になってもオートフォーカスは外しません。信頼性は抜群です。
夕暮れ時。この暗さになると、さすがに高速シャッターで撮影するのは厳しくなります。
そこで、シャッタースピードを遅くして流し撮りをしてみました。
このシーンも被写体検出AFはONにしています。
「X-H2S」は低照度AF限界がー7.0EVと暗所でのオートフォーカスにも優れており、このシーンにおいてもピントの喰いつきは申し分ありません。
愛用している「X-T3」で流し撮りをするよりはるかに成功率が高かったです。
間違いなく、「X-T4」や「X-T3」の第4世代と呼ばれる機種より、大きな進化を遂げていると感じました。
高感度の性能についても少し触れておきましょう。
常用ISO感度は160~12800と第4世代のカメラ達と変わらないのですが、個人的な感想として高感度耐性はアップしているように感じました。
この写真はISO6400で撮影していてノイズは見られますが、私の中では許容範囲です。
センサーや画像処理エンジンが一新された事で、数字以上に高感度時の画質も向上しているように感じます。
福井市内を走る路面電車。
ISO3200、シャッタースピード1/15秒で撮影しています。高感度性能と強力な手ブレ補正で夜の撮影も容易に行えます。
福井駅をあとにする特急列車。
駅名標を入れて、スローシャッターで列車を流して、動きを表現してみました。
シャッタースピードは1/5秒ですが、手持ち撮影でも余裕を感じます。今回の撮影では試しませんでしたが、性能からすると1/2秒、1秒くらいでも手持ちで撮れそうです。
夕陽に輝く新幹線。
この距離、明るさでもちゃんと被写体検出してくれるのが凄いです。
列車に夕陽が当たり、ギラリと輝く瞬間はわずかです。こんな時は連写でたくさん撮っておいて、あとから選ぶのが手っ取り早いです。
邪道と言われるかもしれませんが、現代の最新技術をしっかり活かしてあげなければ、メーカーさんも泣いちゃいます(笑)
【まとめ】
富士フイルムユーザーで鉄道写真を撮る私にとって、この「X-H2S」の登場は嬉しい限りです。
被写体検出AFの精度、オートフォーカスのスピードを武器に、動く被写体をしっかり捉えてくれる頼もしい1台です。
現在、「X-H2S」、「X-H2」、「X-T5」と発売されています。これら3機種にも被写体検出AFは搭載されていますが、秒間40コマの撮影ができるのは「X-H2S」だけです。
どれを買うのがベストなのかは、自分で良く撮影する被写体によると思いますが、機敏な動きをする野鳥を撮るなら間違いなく「X-H2S」だと思います。
高速連写とプリ連写撮影で一瞬を捉えてくれることでしょう。
私のように鉄道や風景も撮るなら、「X-T5」や「X-H2」という選択肢もありです。
第5世代のカメラはいずれも素晴らしいカメラです。
オンラインショップの在庫状況はこちら。
また、購入に迷った時は、梅田中古買取センターの店頭にてアドバイスさせていただきます。
ぜひお気軽にご来店ください。
【X-H2S作例ギャラリー】
撮影機材
カメラ:X-H2S
レンズ:XF100-400mm XF18-135mm
※撮影データはすべてJPEG撮って出しです。
この記事に関するお問い合わせは・・・梅田中古買取センター 池田まで