EOS R7で撮る京都の野鳥【動体撮影はこのカメラにお任せ!】

こんにちは~。編集長の中村です。

本日ご紹介してまいりますのはこちらで~す。
Canonさんよりお借りいたしましたEOS R7RF100-400mm F5.6-8 IS USM!!

EOS RシリーズのAPS-Cフラッグシップ機と、望遠ズームでありながら軽くてコンパクトなレンズの組み合わせでございます。

このセットでちょこっと野鳥撮影にチャレンジしてみましたので、使用感などを交えつつ製品解説してまいります!

■目次
【簡単なスペック解説】
【京都御所にて野鳥撮影テスト】
【野鳥の憩う定番スポット・バードバスへ】
【RAWバーストモードをテスト!!】
【まとめ】

【簡単なスペック解説】

では、まず簡単なスペック解説から。

カメラボディのEOS R7は昨年2022年6月に発売されたミラーレスカメラで、Canon RシリーズAPS-C機の中では最上位モデルにあたるカメラになります。

その特徴は、何といっても高速AF・高速連写動体撮影に適したカメラであるというところ。

ディープラーニングを活用したアルゴリズム・EOS iTR AF Xを搭載し、人物動物乗り物などを素早く被写体検出して捉えてくれます。

また、メカシャッターで最高約15コマ/秒電子シャッターで最高約30コマ/秒超高速連写が可能!

2022年12月に発売されたEOS R6 Mark IIでも連写数はメカシャッターで最高約12コマ/秒、電子シャッターで最高約40コマ/秒。

電子シャッターでの連写数はR6 Mark IIに譲りますが、ローリングシャッター歪みの発生を抑えるためにメカシャッターのみで撮影しようと思ったならばEOS R7に軍配が上がります
セットでお借りしたレンズ・RF100-400mm F5.6-8 IS USMについてもご説明いたしますと……。

こちらのレンズ、開放F値が5.6スタートと「暗い」レンズにはなりますが、そのぶん非常にコンパクトで携行性・取り回しに優れた1本となります!

例えば一眼レフ用レンズで同様の焦点距離を持つEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMがレンズのみで約1,570gです。

一方、こちらのRF100-400mm F5.6-8 IS USMはレンズのみで約635g

F値が違うので一概な比較はできませんが、そこまで変わらないスペックで半分以下の重量というのはなかなかインパクトが大きいです。

重さ約612gのEOS R7と組み合わせても約1247g

動き回る被写体を追いかけて機材を振り回しても疲れづらいので、非常に相性の良い組み合わせですね~。

というわけで、こちらのEOS R7とRF100-400mm F5.6-8 IS USMの組み合わせは動体撮影にとても適した機材セットになるわけです!!

【京都御所にて野鳥撮影テスト】

せっかく動体撮影に適した機材をお借りしましたので、今回は野鳥撮影にチャレンジしてみました。

場所は京都御所です。広大な敷地内には数多くの樹木が植えられており、野鳥観察・撮影スポットとして人気のある場所でもあります。

さて、野鳥を撮るにはまず野鳥を探すところから始めなければなりません。

どこかにそれらしき鳥はいませんでしょうか?
絞り:F8 SS:1/640 ISO:2500 

まずは慣らし、まずはそこらへんにいたカラスを撮ってみました。おそらくハシブトカラスでしょう。

艶やかな羽根の質感も描写されており、RF100-400mm F5.6-8 IS USMの写りはなかなかいい感じですね!

EOS R7の鳥認識AFもスムーズに被写体検出してくれて、これはなかなか快適に撮影できそうです。

撮影日はあいにくの曇りだったため、ISOをそこそこ高めに設定しています。しかし、高感度ノイズは特に気になりませんね~。

さて、こちらのカラスがなんかガサゴソしていたのでしばらく様子をみていましたが……。
絞り:F8 SS:1/800 ISO:2500 
絞り:F8 SS:1/800 ISO:3200 

Jagabee(じゃがビー)食ってるけどこれはいいの!?

いや、良くはないでしょうけど……。

まぁ……ひとまずカラスを撮っている過程でカメラの操作系にも慣れてきましたので、いよいよ野鳥らしい野鳥を探し始めます。
絞り:F8 SS:1/500 ISO:4000 

樹上になんか鳥を発見! 露出ちょっとオーバー気味ですが……。

めちゃくちゃふっくらしている……。

Googleで画像検索してみたところ、こちらの鳥はムクドリだそうです。
↑トリミング前
↑トリミング後

絞り:F8 SS:1/500 ISO:1000 

EOS R7は有効画素数約3250万画素で、トリミング耐性もかなり良好です。

無難に離れたところから撮影した写真ですが、かなり大胆にトリミングしても十分使い物になるのはありがたい限り!

羽根や嘴、瞳の解像感が素晴らしい……。大胆にトリミングしてもディティールが綺麗に残っているのは良いですね~。
絞り:F8 SS:1/640 ISO:4000 
絞り:F8 SS:1/640 ISO:4000 

「とりあえずどこ探したらいいか分からんけど水辺とか行ったらなんかいそうだし見つけやすそう」という感じで移動してみたところ、お次の鳥を発見しました!

こちらはセグロセキレイだそうです。

水浴びの最中を撮影しましたが、R7の高速連写で水滴の飛び散り方がいい感じのカットを撮れました!!
絞り:F8 SS:1/640 ISO:2000 

またしても樹上に鳥を発見! 焦って撮影しましたが、被写体認識による素早いAF合焦と連写性能に助けられてで飛び立つ瞬間はおさえることができました。

ヒヨドリだそうです。

こちらも大幅にトリミングした画像を載せていますが、ブログやSNSに載せる程度でしたらまったく問題ない画質ですね~。
絞り:F8 SS:1/800 ISO:1600 

動きの予測できない野鳥撮影においては、AFの速さや連写性能・カメラのレスポンスといった部分が良好だと非常に助かります。

こちらはキジバト。飛び立つ瞬間、とっさにカメラを向けましたがバッチリAF合焦していてすごい……。
絞り:F8 SS:1/250 ISO:1000 

手前に遮蔽物があってもきちんとトラッキングしてくれます。優秀~!!


絞り:F8 SS:1/640 ISO:5000 絞り:F8 SS:1/640 ISO:5000
絞り:F8 SS:1/640 ISO:5000

木の上で虫(?)をくわえたヤマガラを激写。連写で飛び立つ瞬間もきっちりおさえられますので安心感があります。

ISO 5000で撮影しましたがまだノイズは大丈夫……!

とはいえ、トリミングする前提ならこのISO 5000あたりが実用的な限界かもしれません。

さて、水辺でちょっとウロウロしているだけで何種類もの鳥が撮れましたので、「思ったよりいろいろ撮れるぞ!?」と調子に乗って次のスポットへ向かいました!


【野鳥の憩う定番スポット・バードバスへ】

京都御所のなかでも、北東のバードバスは野鳥撮影・観察の定番スポットだと聞きましたので行ってみました。

こちらでは水浴びする野鳥の姿を間近で見ることができますので、双眼鏡などを持って行かなくても鳥を見やすいスポットです。
絞り:F8 SS:1/20 ISO:1600

到着してさっそく鳥を発見! メジロです!!

めちゃくちゃ幸先がよい……。

そしてISOの設定をミスっていたのでシャッタースピード1/20とかいうふざけた設定で撮影していましたが、それでも手ブレしていないのでマジすごいです。

EOS R7とIS協調制御が可能なレンズを組み合わせれば、最大8段分の手ブレ補正効果が発揮されます。

ボディ・レンズが軽いので安定させやすいという要素もありますが、超望遠レンズでスローシャッターを切っても手ブレせずにきっちり止まるというのはシンプルに有難いところ。

このあたりも撮影環境を選びにくい野鳥撮影では重宝するポイントです。
絞り:F8 SS:1/640 ISO:2000

露出ミスってオーバー気味の1枚。

分かりづらいとは思いますが、画面中央に小さく鳥がいるのがお分かりいただけますでしょうか?

このように、バードバス周辺の樹上を眺めているとちょこちょこいろいろな鳥がいるようです。

しかし、その日はなかなか水浴びしに降りてきてくれず、しばらくはひたすら木の上を眺めているだけで時間が過ぎてゆきました。

しかし、しばらくして思いがけないレア野鳥が……。
絞り:F8 SS:1/100 ISO:6400

オオルリ!? オオルリじゃないか!!!

まさかこんなところで「幸せの青い鳥」に遭遇できるとは……。

そこまで鳥に詳しくないわたしでもこの鳥は知っていて、「青くてきれいだからいつか撮れたらいいな~」とか思っていたのですが……。

居合わせた常連さんらしき方に伺ったのですが、「最近あんまりオオルリ見なかったんだよね~」とのこと。

ふらっと訪れて撮れたのはまさしく「僥倖」としか言いようのない事態でした!

まぁISO 6400で無理して撮っているのでちょっとディティールは潰れ気味ですが……撮れただけで良しとしよう……!!

光線状況もあまり良くなく、オオルリが撮れた時点で撮れ高確保できましたので、いったんバードバスを離れます。

【RAWバーストモードをテスト!!】

さて、普通に撮って十分いろいろな鳥の姿をおさめることができましたので、追加で機能テストをしてみました。

EOS R7には、電子シャッターによるRAW画像の連続撮影機能・RAWバーストモードが搭載されています。

こちらのRAWバーストモードでは、シャッターボタンを全押しする瞬間の約0.5秒前から記録を開始するプリ撮影も可能。

すでに複数社の製品に似たような機能が搭載されていますが、Canon独自なのはこの連写機能がRAWベースな点。



こんな感じでまとまったRAWデータを記録できます。

プリ撮影をONにして撮影しましたので、シャッター全押しよりも遡って画像が記録されていますね。

RAWバーストモードで記録したデータからRAW・JPEG・HEIFで切り出し可能。

なお、RAWバーストで記録した一連の写真ロールはPCでそのまま表示できない点にご注意を。

あらかじめCanonの提供している画像編集ソフトウェア・Digital Photo Professionalを用いて写真ロールからRAW・JPEG・HEIFいずれかの形式で画像を切り出しするか、カメラ内で切り出ししておく必要があります。

Adobeからもこの点についてアナウンスが出ておりますので気になる方は以下をご覧ください。



切り出しにひと手間かかる・Rawの記録なのでバッファメモリが詰まりやすいなどのデメリットはありますが……。

逆にデータ整理の際にはあらかじめ画像グループを作成しなくても丸ごとロールごと消去してしまえるのでちょっと楽です。

絞り:F8 SS:1/640 ISO:6400

こちらの写真、ISO6400でRAWバースト記録したものをLightroom噂の新機能・AIノイズ除去をかけた写真になります。

ブログだとサーバー容量の関係から小さいサイズの画像しか載せられませんが、Twitterにもうちょっと大きい画像を載せているので気になる方はこちらをご覧ください。


まぁ……シャッタースピードはもうちょっと遅くしてISO下げて良かったなぁ……。

こんなふうに、野鳥撮影はとっさに撮影しなければならないシーンも多く、露出をじっくりあわせている余裕もないことが多いです。

その点、RAWで撮影しておけば後から露出の調整がしやすいのはもちろん、このようにノイズ除去などもしやすいので野鳥撮影においてはRAWで撮影することのメリットは大きいです

とはいえ、毎回なんでもRAWバーストで撮っていては記録メディアの容量が一瞬で無くなってしまいます。

また、肝心な時にバッファが詰まって撮影できないような事態になっては本末転倒です。

ファンクションボタンにRAWバーストモードのON・OFFを割り当てることもできますので、適宜使い分けていきましょう!
絞り:F8 SS:1/800 ISO:4000

木の実を食べるイカル

本当はRAWバーストモードのプリ撮影機能を活かしてこの鳥が飛び立つ瞬間を撮りたかったのですが、夢中になって木の実を食べ続けていたので全然飛んでくれませんでした……。

鳥が飛び立つ瞬間を見てからシャッターを押しても、あらかじめカメラが画像を記録していてくれていますので、誰でも簡単に鳥が飛び立つ瞬間の「飛翔写真」が撮れるというわけです!

作例お見せできないのが残念ですが……。


【まとめ】

という具合に、EOS R7RF100-400mm F5.6-8 IS USMを抱えて野鳥撮影にチャレンジしてみましたが……。

こんな感じで非常に優秀でした!

・機材が軽くて取り回しが良い

・有効画素数 約3250万画素でトリミングしても余裕がある

・被写体認識AFが優秀で、合焦速度・精度ともに良好

・連写性能も十分、プリ撮影機能でさかのぼり記録も可能


センサーがAPS-Cのため高感度ノイズが多少出やすく、レンズも開放F値が低く「暗い」レンズのため、薄暗い森の中などではちょっとつらいシーンもありますが……。

強力な手ブレ補正もありますので、被写体があまり動いてなければ手持ちスローシャッターで乗り切るという力技も可能です。

ですので、EOS R7とRF100-400mm F5.6-8 IS USMの組み合わせは野鳥撮影にかなり適していると言えるでしょう!
また、実際に使ってみて、ファインダー横のマルチコントローラー一体型サブ電子ダイヤルもかなりいい感じでした!

デフォルト設定のままレバーにフォーカスエリア・ダイヤルに露出補正を割り当てた状態で使用しましたが、スムーズに設定をいじれて極めて快適でした。

2023年4月現在、こちらのマルチコントローラー一体型サブ電子ダイヤルがファインダー横に設けられているのはEOS R7だけ

これ、けっこう便利なので付いている機種がもっと増えてほしいですね~。
RF100-400mm F5.6-8 IS USMについても一言。ちなみに上の写真に写っている鳥はエナガです。

逆光気味のシーンでもフリンジ(明暗差がある部分の境界線に発生する滲み)が良好に抑えられており、軽さと画質の両立に成功しているレンズだと感じました!

APS-CのEOS R7に装着すると焦点距離が約160mm-640㎜相当と約1.6倍になりますが、野鳥撮影においては画角が望遠寄りになるのはむしろメリットにもなる場合があります。

Lレンズではないのでお値段も比較的手ごろで、RFマウントレンズの中でも持っていて損のない1本なのではないでしょうか?

あいにくの曇天であったため、太陽をフレームに入れてゴースト・フレアがどれくらい出るかのテストなどはできなかったのですが……。

機会があればこのレンズももっと詳細に検証してみたいですね~。
なお、京都御所に野鳥を撮りに行ったのははじめてでしたが、2時間ほどでかなりいろいろな野鳥の姿をおさめることができました。

これから野鳥撮影テストがしたいときには積極的に行ってみようと思います~。良い撮影スポットを見つけた!

というわけで、駆け足ではございますがEOS R7とRF100-400mm F5.6-8 IS USMの野鳥撮影レビューでした。

ボディ・レンズともにナニワグループオンラインにてお取り扱いございますのでぜひともご検討ください~!!





また、梅田中古買取センターの池田もこちらのEOS R7とRF100-400mm F5.6-8 IS USMで鉄道写真テスト撮影をしております。

詳しく使用感などを聞きたい方は、ぜひともお気軽にカメラのナニワ 梅田中古買取センターへお越しください~!!

また、鹿児島天文館店 吉富のこちらのブログも参考にどうぞ!
EOS R7/R10にオススメのEF-Sレンズ5選!

それでは最後までお読みいただきましてありがとうございました。

また次回のブログでお会いしましょう~!!

【おまけ】

最近、四条河原町の先斗町入り口付近でツバメが飛んでいるのをよく見かけます。

何とか撮れないかとチャレンジしてみて、ようやく撮れたのがこちらの1枚。

動きが速すぎてフレームに捉え続けることすら困難なのですが……。

R7の優秀な被写体トラッキングとAFスピードに助けられて何とかいちおうシルエットが分かるぐらいのものは撮れました……!

最近のミラーレスはカメラがめちゃくちゃ賢いので、シャッターボタンを押しさえすればそこまで考えなくてもなんでも撮れる……。すごすぎる……。