相変わらず言いたいことがまとまらないのを去年の秋ごろから引きずっています。
改善するつもりはないです。
こういうブログは感覚で書きたいゆえに性懲りもなく今回もまたスタンスを貫きます。お付き合いをば。
好きな写真(私的に良いと思った写真)を見るとインスピレーションが湧く。
ここで湧くインスピレーションとはブログに関する様々なこと。
例えば、今書いているこの冒頭の文章。納得できていない写真を見てもはかどらなかったブログ。
しかし、今回ご紹介するこのレンズの作例を見ると思考が巡り出した。
脱線します。
この冒頭文を書いている今さっき、同じレンズをお客様に販売しました。それがきっかけで今このブログを書いています。
ご購入いただいたお客様には感謝を申し上げたい。
販売時の状況が中古カメラ屋としては珍しく、シルバーとブラックの2色がそろっており、どちらにするかで、そのお客様はかなり悩んでいらした。
値段と描写は一緒で唯一違うのはカラーのみ。
ボディとの組み合わせを考えるか、レンズ単体としてのかっこよさを考えるのか、2色の選択肢があるというのは贅沢でありながらも酷です。
強い意志を持って潔く決めましょう。
はい、ということで今回はLXでHD PENTAX-FA 43mm F1.9 Limitedを使用しました。
デジタルボディでは一切使っておりません。HDレンズのフィルム作例ってあまりないと思うのでそれはそれでいいんじゃあないかと思ってます。
【元凶はFA-2】
余談から。
LXとHD PENTAX-FA 43mm F1.9 Limitedそれぞれは欲しいものではありませんでした。
なんならKマウントなんて買うことはないと思っていました。
しかし、めちゃくちゃきれいなFA-2との出会いにより平穏な日常は壊され、まんまと沼らされました。
FA-2とはPENTAX LX用のアイレベルファインダーです。ホットシューのないシンプルなファインダーでかっこよろしいのです。
昨今なかなか見かけないきれいなFA-2の単品。
パトロールをしているとショーケースの中でひときわ輝いて見えた三角屋根。
実際に手に取りその場で購入。ボディもレンズも持っていないのに。
レンジファインダー用の外付けのファインダーでもないのに。
ファインダー単体を買うことになるとは……。久々に沼を実感。
そこから1か月以内にボディ、レンズ、グリップが順調に揃いました。
ファインダー単体からボディやレンズが生えてくる恐ろしい病に罹患していたようです。
【20年の時を経てリニューアル】
コーティングがSMC(スーパーマルチコーテッド)からHD(高解像度)にリニューアルされました。
それぞれリアキャップを装着した状態で左のシルバーはピントを無限遠に、右のブラックは0.45mに合わせました。
結果はリアキャップを除けばレンズの方が薄いです。
薄さ的にパンケーキレンズの部類に属すると思うのでフィルターは薄いものをこしらえたいところ。
また、フードはねじ込み式ですのでフィルターを装着した場合はその上からねじ込むことになります。
それを踏まえると、なおのこと薄いフィルターが良いと思います。
フィルター径は49mmで探すのは難しくないと思います。
焦点距離は43mmだけど最短撮影距離はよくある50mmのレンズと同じ0.45mです。
感覚としては50mmのレンズをそのまま画角を広くしたレンズです。
ですので50mmを常用している身からすると全てにおいて若干の余白が存在し窮屈にならない写真が撮れます。
その反面、場合によっては写る範囲が広いと感じることもあります。
前モデルにはなく、他の31mmと77mmにはあったフィンガーポイントが新たに設けられました。
七宝焼きを採用したフィンガーポイントはエメラルドのような色合いで工芸品独特の美しさを感じます。
その他詳しい情報は公式HPに特集されております。
凝られたかっこいいHPですので是非ご覧ください↓
【作例】
※カメラのナニワ梅田2号店で現像しデータ化したデータそのままです
【FUJICOLOR 記録用カラーフィルム100(業務用100)】
水の入ったグラスを最短撮影0.45mで撮影。
しっかりとしたコントラスト、ヌケのよさ、立体感を感じます。
F8.0まで絞り、無限遠で撮影。
シャドウが潰れずディテールがしっかりとしています。
本当はこういった広い範囲を切り取る場合はFA 31mmの方がいいんでしょうね。
沈む夕陽に背を向けながら淡色の空と道路を歩道橋から撮影しました。
歩道橋から明石海峡大橋を撮影。
自然な前ボケと柔らかすぎないコントラストが良いです。
絞り開放F1.9、ピント位置は無限遠で撮影。
空のグラデーションの影響があり周辺減光量が大きく見えます。
【CineStill 400D】
ブリの切り身を切っている様子を撮影。
ピントが合っている指と切り身の質感が生々しく、レンズ性能の良さを感じます。
行きつけの美容室で遠目のセルフィー。
窓の大きさは広い方が良いと思った1枚。
PENTAX 67の105/2.4みたいな立体感が出ればいいなと思いながら撮影。
さすがにフォーマットの差は埋まらずといったところ。
ドライフラワーを中に詰めたガラスのテーブルに愛機を置いて撮影。
程よい立体感とコントラストと自然なボケ感。
【PORTRA 800】
影が落ちる螺旋階段を撮影。
すっきりとしたヌケ感と白と黒のコントラストがええ塩梅です。
絞り解放F1.9で撮影。
数の子の粒感をしっかりと捉えています。
距離指標を見ながら無限遠ちょっと手前にピント位置を決めて撮影。
PORTRA 800が再現する中華街のカラフルさにレンズのコントラストが相性良いです。
【CineStill 800T】
西日の強い逆光条件での撮影。
フードを装着しておりましたがフレアが発生しました。
HDコーティングといえど状況によっては避けられないようです。
焼肉屋ですが、遊女がいそうな面構えをしています。
夜の赤ちょうちんとCineStill 800Tは映えますな。
CineStill 800Tを夜に使う場合は決まって絞り開放で使っておりましたがその時のレンズはどれもコントラストが低かったり暴れたりしておりました。
しかし、このレンズはしっかりとコントラストがありクセがなく大変すばらしいです。
日本っぽくない色。
裏難波の夜は台湾っぽくて好きです。
GW最終日の大雨の夜。
折り畳み傘を指しながら、片手で撮影。
ピントリングを薬指で動かせるぐらいにはレンズが薄くて撮り回しやすいです。
LXは防塵防滴仕様のフィルムカメラですが、レンズはそうではありませんのでくれぐれも雨の日はご注意ください。
白を基調としたキッチン。一灯でもキレイに光が回っていてありがたいです。
コンロの立体感が良い。
いかがでしたでしょうか?
フィルム写真ってコントラストが低く柔らかい写真が多いと思いますが、こちらのレンズで撮影した写真は現行レンズらしく、しっかりとコントラストがありシャープです。
かっちりとした写りが嫌いでなければおすすめのレンズです。
また、このレンズは軽量でLXに似合うサイズ感なので取り回しやすいです。一眼レフの重たいイメージも払拭される軽さです。
たまにFA 31mmやFA 77mmがあればいいのにと思う場面に出くわすことがあり、三姉妹を揃えたくなる衝動に駆られることがしばしば。
三姉妹全てがコンパクトで軽く持ち運びが苦じゃないので俄然欲しくなります。
その誘惑は必ず付きまとってきますのでその覚悟を持ったうえで購入されることをお勧めします。
アタクシはそのうち三姉妹揃えてしまうような気がするのでお金と時間の問題だな~と思っております。
揃えた暁には同じようにLXで使用したいと思います。