今回、ご紹介するのは「EOS 5D」。
2005年発売のハイアマチュア向け5Dシリーズの初代モデルです。
現行モデルのEOS 5D Mark IVより約10g重い約810g。
堅牢性の高いマグネシウム合金を採用しており、信頼性の高い設計となっています。
画面サイズは2.5型、画面画素数は23万画素。
いちおう撮影した写真を再生することができる液晶モニターはありますが、しっかりと写真を確認するのには心もとありません。
細部まで確認したい場合はスマホやパソコンなどに移す必要があります。
撮った後にすぐに写真を確認できない感じのワクワク感はフィルムカメラに近いものを感じます。
記録メディアはCFカードが1スロット。
SDカードより入手しずらく高価なメディアではありますが、耐久性が高く一枚あれば長く使うことが出来るので、5Dを購入したらCFカードを用意しましょう。
【作例】
早速、作例をご紹介していきます。
すべて撮ったまま、撮って出しのJPEGデータの写真です。
・ピクチャースタイル設定:風景〈シャープネス:4 コントラスト:+2 色の濃さ:+2 色あい:0 〉
・ホワイトバランス:AWB(オートホワイトバランス)
レンズは「EF50mm F2.5 コンパクトマクロ」を使用して、すべての作例写真を撮影しました。
約1280万画素と高精細な写りではないですが、やわらかい描写でシットリとした空気感の写真をとることができます。
色の濃さを+2と強めにしていますが、色再現度が高く嫌な色になりません。
特に、レッド・グリーン・ブルーの原色を、こってり感はありますがしっとりと表現してくれます。
シャドーの表現が素晴らしく良くアンダー気味の写真が多くなってしまいました。
ダイナミックレンジは広くないので、ハイライト部の白とびに注意が必要です。
彩度高めの設定で撮影しても、原色の主張が強くなりすぎることがないので、町撮りスナップにもオススメです。
アンダー気味で撮るとシャドー部に、ほんのり〈シアン〉がかり、懐かしい雰囲気になります。
オートフォーカスは早くはないですが、動き回る猫くらいの速さなら問題なくピントを合わせてくれます。
モノクロ撮影もシャドーの粘りを活かす為、アンダー気味に撮影。
画素数が高すぎないので、デジタルっぽさをあまり感じません。
【最期に】
アンダー気味で撮ると色のり良く深みのある、どことなくフィルムに近い写真が撮れます。
また、解像度も高すぎず、現行機種のようなパキッとしたデジタルっぽい写真というよりは、柔らかなシットリとした雰囲気で撮ることができ、まさに‘‘オールドデジカメ‘‘といった写りを楽しむことができます。
もちろん18年前の‘‘オールドデジカメ‘‘なのでオールマイティになんでも綺麗に撮れるわけではありませんが、その癖を理解したうえで撮影すると楽しめるカメラです。
また、フルサイズでありながら1万円代から購入できるコスパの良さもあるので、フルサイズ入門のカメラとしてもオススメです。
鹿児島天文館店 吉冨