皆さま、こんにちは。ナニワグループの見崎でございます。
ところで、当ブログの読者層として、写真館カメラマン・風景写真家など、重量のあるデジタル一眼レフ・大口径レンズをメイン機材にされている方々が多くいます。
4月に着任にしたスタジオの新しいスタッフさんも、先輩カメラマンの指導の下、撮影レベルの向上に、日々邁進されていることと思います。
ところで、先輩カメラマンの皆さまは、新しいスタッフさんや撮影仲間に、撮影現場へ出発する前にカメラ機材が安全に持ち運べる状態か、点検するようにレクチャーされていますか?
筆者はかつて某カメラメーカーのサービスセンターに勤務していましたが、実はそこでのカメラの機材のトラブル・故障の総件数のうち、およそ30%前後が外的ショック・落下などが原因のものでした。
撮影に慣れてくると、いつの間にかカメラの取り扱いも自己流になっている場合も少なくありません。
ストラップが擦り切れたり、または気付かないうちに紐が緩んでいて、外的ショック・落下を起こしてしまわないよう、筆者が対応した過去のトラブル事例・注意すべき点を紹介してゆきましょう。
【ストラップのトラブル事例 その1】
◆撮影者
撮影歴10年 男性カメラマン
◆被害機材
ニコン D610+AF-S 50mm f1.4
◆事故状況
ポートレート撮影のため、公園で撮影。光源の良い場所を夢中に探しているときに、ストラップの片側が外れて、落下。
カメラボディはダイキャスト割れのため、修理不能。
◆原因
カメラ購入後、1度もストラップ取り付け部を確認したことがなかったので、緩んでいたことに気づかなかった。
→予防方法
主なカメラメーカーの推奨しているストラップの取り付け方法を認識しましょう。
サービスセンターで勤務時、繁忙期で1日平均50台程度のカメラを対応してきましたが、びっくりするような安易な取り付け方をした機材を度々見かけました。
“カメラを守る命綱”としての役割を果たすために、主なカメラメーカーが推奨するストラップの取り付け方法について、ご紹介します。
●Nikon ~ストラップの取り付け方について~
https://search.nikon-image.com/faq/products/article?articleNo=000044339
●FUJIFLIM ~ストラップを取り付ける~
https://fujifilm-dsc.com/ja/manual/x-t2/first_step/attach_strap/index.html
●OM SYSTEM ~ショルダーストラップをデジタルカメラへ取り付ける方法~
https://digital-faq.jp.omsystem.com/faq/public/app/servlet/qadoc?QID=005427
なお、正しいストラップの取り付け方法を守るのは当然ですが、定期的に摩耗・緩みがないか点検する習慣をカメラマンひとりひとり持つようにしましょう。
【ストラップのトラブル事例 その2】
◆撮影者
撮影歴5年未満 女性カメラマン
◆被害機材
ニコン D7200+AF-S 18-300mm
◆事故状況
撮影合間で、手洗い場で手を洗うときに、前掛けしていたカメラがコンクリートの手洗い台に激突。鏡筒に歪み確認。
◆原因
出張撮影事務所で他のカメラマンと共用しているカメラ機材。 身長差・体格差のある様々なカメラマンが扱うにもかかわらず、アジャスターの付いていないストラップを取り付けていた。
当日、使用していた女性カメラマンは、日常的に自分の身長に合わないストラップの長さを気になっていたが、そのまま使用せざるを得なかった。
→予防方法
新品カメラ購入時に付属しているネックストラップは全長が長くなく、前掛け(首掛け)しかできない仕様も多くあります。
斜め掛け(たすき掛け)ができるアジャスターの付いているタイプであれば、それぞれのカメラマンの好みの長さに調整でき、不本意な外的ショック・落下を軽減できます。
これから、ご紹介するストラップ ハクバ アタッチメントストラップシリーズは、アジャスター機能はもちろん付いていますが、ショルダー部をバックルで交換できるので、状況に応じて個々のカメラマンの好みの他のストラップと交換できます。
ハクバ アタッチメントストラップシリーズ
特長① バックルでストラップを簡単に着脱できる
ストラップをバックルで簡単に着脱できるため、フード付きの服を着ている時や、電車など身動きがとりづらい場所で、ストラップの付け外しが簡単に行えます。
特長②カメラ複数台でストラップを使いまわし
カメラを複数台持ち運ぶ際に、別売りの「ベース」を2台目以降のカメラに装着しておけば、バックルの着脱で簡単にストラップを切り替えられるため、ストラップ1本を使いまわしが可能です。
特長③他のストラップと簡単切り替え
使用シーンに合わせて、同シリーズのストラップにバックルの着脱で簡単に切り替えることができます。
特長④三脚使用時にストラップが邪魔にならない
ストラップをバックルで簡単に外せるので、三脚使用時にストラップが邪魔になりません。
特長⑤ 瞬時に長さ調整可能
ストラップを縮める時はタブを引き下げながらDリングを引き上げます。ストラップを縮めるとカメラが身体にフィットし、揺れを抑えて携行できます。
カメラを背中側に回しておけば、前かがみになる状況でも邪魔にならずカメラをぶつける心配も減らせます。
【ストラップのトラブル事例 その3】
◆撮影者
撮影歴20年 男性カメラマン
◆被害機材
ニコン D5300
◆事故状況
カメラボディのストラップ取り付け金具に雨水によるサビ・カビ。
そのため、ボディ内部まで腐食 腐食部清掃・部品交換
◆原因
天候を問わず取材をする職業で、帰社後も、雨水をたっぷり含んだストラップを普段から取り外さず放置していた。
→予防方法
速やかにストラップを取り外し、乾いたタオルで付着している水分を除去しましょう。
見落としやすいですが、ホップアップ型ストロボの収納部・マイク端子キャップにも水分が侵入している場合があるので、開閉できる箇所は点検しましょう。
タオルで大まかな拭いた後、次はカメラ・光学製品に対応したクロスで拭きあげましょう。
こちらのハクバ セーム革 クリーニングクロスは、100%油ナメシにより繊維化されており、非常に柔らかく、しなやかで、かつ効果が持続する特徴があります。
また天然鹿革を使用した強くてやわらかな拭き取りが特長で、拭き傷の心配が少なく、吸収・除去力に優れています。
※注意事項
拭き取り面をキズつける恐れがあるので、拭き取り面・クロスにチリや砂が載っていないことを確認してください。
必要に応じて、拭き取り前にブロアーで十分にチリ・砂を吹き飛ばしてください。
【ストラップのトラブル事例 その4 ~番外編~】
◆撮影者
撮影歴1年 女性写真愛好家
◆被害機材
ニコン フィルムコンパクトカメラ L35AF (昭和58年発売)
◆事故状況
フィルム装填時に誤ってカメラを落下させる。 レンズフィルター取り付け部の変形
旧製品部品払底のため、修理受付できず
◆原因
インターネットで購入したフィルムコンパクトカメラで、購入した時点でストラップリング変形のため、ストラップを取り付けられず、 散策中は、常にカメラを握りしめていた。
→予防方法
数十年まえのフィルムカメラには、ストラップリング穴が無いもの、または摩耗して取り付けができない場合があります。
カメラ用品メーカーのハクバ写真産業では、三脚穴を利用したハクバ カメラネジハンドストラップを販売しています。
こちらでしたらストラップ穴のない機種でも装着することができます。
不安定な姿勢で撮影する場合のある「自撮り」や「ハイアングル」でも、落としてしまう心配が軽減されます。
【最後に】
「カメラのストラップは、写りに関係ないただの付属品」という理由で、汗でヨレヨレにねとついているストラップでも気にしないカメラマンは意外と多く見かけました。
最近のストラップには、ポリウレタンを素材にするタイプもあり、汗や水分で加水分解を生じるケースもあります。
加水分解が生じると革の表皮がポロポロと剥がれ落ち、首まわりが黒い汚れが付着したり、カメラ鞄の他の用品・携帯電話などにも汚れを移してしまい、故障の原因にもなりかねません。
ここで一例ですが、筆者は定期的に「猫づくしストラップ」を布製品で個人的に先製依頼しています。
紐切れの消耗を予防するために、これまで10本以上、作り変えてきました。
「ストラップは、カメラを守ってくれる」と考えれば、定期的に買い替えをするべき“付属品でなく命綱”だとご理解していただけると思います。
カメラ用品・便利なアクセサリーの買い増し・買い替えでご不明な点・ご用命については、是非ともナニワ商会までお尋ねくださいませ。
丁寧に商品をご案内いたします。