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『カメラ、はじめてもいいですか?』第一話視聴! ドラマ登場カメラの解説&予想

カメラのナニワ京都店の阿部です。

ドラマ「カメラ、はじめてもいいですか?」が2023年7月3日にスタートしました。

原作は2019年10月号よりヤングキングアワーズにて連載中のしろさんによる漫画。

自分に自信が持てない女子高生池田ミトがカメラの奥深さを知り、カメラを通じて少しずつまわりと打ち解けていく青春ドラマです。

ドラマはBS松竹東急にて、毎週月曜日夜10:30~放送

見逃し配信も↓からご覧いただけます。


実在するカメラが登場したりして、話題になっている作品です。

カメラの解説や心理描写が魅力的で続きが気になる作品です。

今回は原作とドラマに登場しているカメラを紹介いたします。

私はドラマ第一話を視聴、原作はまだ第一巻しか読めておりませんので

その範囲でなるべくフラットな状態でお届けいたします。


【池田ミト(演 - 田牧そら)使用カメラ機材】


まずは主人公、田牧そらさん演じる池田ミト

綿矢チサトから、お下がりのカメラを借り受けます。


カメラ:FUJIFILM X-T20
FUJIFILM X-T20

なにを隠そうこのX-T20、私が6年前に初めて購入したカメラでございました。

ちなみにサムネイルに使っている画像も、私がX-T20を購入した当時に撮ったものです。

私が買ったのは標準ズームXF18-55mmF2.8-4 R LM OISがついたレンズキット。当時新品キットで14万円ほどでしたでしょうか。

ミドルクラスのカメラとはいえ、初めてとしてはなかなか勇気のいる買い物でしたね。

小型軽量でクラシックな外観に惚れて購入しました。

実際に使用してみると、アナログ風の絞りリング・シャッタースピードダイヤル・露出補正ダイヤルがついており、カメラを操作するのが楽しくて仕方がない機種でした。

上位機種のX-T2と同じ写真が撮れる、というのも画期的でしたね。

初心者が設定を覚えるのにももってこいで、初めてのカメラがX-T20で本当に良かったと思っています。

その後、X-T20の後継機種としてX-T30・X-T30 IIが発売されましたが、X-T30 IIが世界的な生産難の煽りを受けたせいか、一年も経たずに生産終了。

しかしどうでしょうFUJIFILMさん。

せっかくドラマもやってることですしそろそろX-T二桁機の後継機種出しませんか?

 

レンズ:XF35mmF2 R WRXF35mmF2 R WR

XF35mmF2 R WRは手に取りやすい価格ながら単焦点の素晴らしい画質を楽しめるレンズ。

私のレンズ沼スタートの一本はこれでした。

ズームレンズとはまた違う描写性能に感動しました。

主人公ミトと全く同じ機材を使っていたことになるので、なんともシンパシーを感じます。

 

【綿矢チサト(演 - 手島実優)使用カメラ機材】

綿矢チサトは池田ミトの隣の部屋(ドラマ版では隣のアパート)に住むカメラ好きのお姉さん。

池田ミトがカメラを始めるきっかけを作ります。

カメラ:FUJIFILM X-T3(原作)FUJIFILM X-T3

X-T3は富士フイルムXシリーズ最上位機種の三代目。

洗練されたデザイン、質感、操作性、耐久性を兼ね備えたモデルです。

ミトが使うX-T二桁シリーズの兄貴分ですね。

フィルムカメラの印象を色濃く残したデザインながら、プロユースを念頭に作られていて

持った時の安心感が素晴らしいです。

レンズ:XF35mmF1.4 R(原作)


XF35mmF1.4 R

XF35mmF1.4 Rはフジフイルム好きなら登竜門ともいえる王道レンズ。

ミトのXF35mmF2 R WRの兄貴分とも言えるレンズですが、単純にXF35mmF1.4 Rの方がすべて優れているというわけではありません。

XF35mmF1.4 Rは美しいボケ、描写の味があるけれども、XF35mmF2 R WRの方がオートフォーカスが早く、防塵防滴性能があるなど、それぞれ違った魅力があるレンズです。

この二つのレンズの関係性は面白いですね。

大口径ながら軽量小型、金属の角型フードがまたおしゃれ。

そしてX-T3とXF35mmF1.4 Rの組み合わせは、サイズ感・見た目が最高に渋いのです。

 

カメラ:FUJIFILM X-T5(ドラマ版)

FUJIFILM X-T5

ドラマ版ではX-T3の後継機種であるFUJIFILM X-T5を使用。

昨年11月に発売されて以降大人気で品薄となっているカメラです。

強力なボディ内手振れ補正・ 約4020万画素の最新イメージセンサー・6.2K/30Pの動画撮影機能など、コンパクトながらも非常にハイスペックな機種です。

そして最新ながらクラシカルな外見と、ダイヤルが多く操作する楽しみにあふれたデザインが魅力的ですね。

 

レンズ:宮崎光学 MS-OPTICS APOQUALIA-G 35mm f1.4 ?(ドラマ版)

(画像なし)

ドラマが始まって数秒でさっそくX-T5にオールドレンズか何かつけてる!?と驚きました。

はっきりとレンズ名が映るシーンがないので実際のところはわからないのですが、ボケた文字から推測して調べてみると、宮崎光学 MS-OPTICS APOQUALIA-G 35mm f1.4の可能性が高いです。

なんとまあマニアックな。

弊社でも過去に取り扱っており、レモン社 銀座店で簡単な製品レビューブログも書いております。



「宮崎光学」は宮崎貞安氏が個人で設計・製造しているレンズブランド。

現在。こちらのレンズは作られてなさそうですし、入手難易度は相当高いのではないでしょうか。

ちなみにこのレンズで検索して出てくるネットショップは、現状ほとんどが詐欺サイトです。お気をつけて……。

ドラマ第一話では綿矢チサトの機材棚が映るシーンも。

他にもFUJIFILM X100シリーズ(原作ではX100T)や、ニコンのデジタル一眼レフ・フィルム一眼、そして「チェキ」でお馴染みのinstax、オリンパスのコンデジなどを所持していることが確認できます。

撮影ドライブに出るシーンではフィルムパトローネを利用したキーホルダーを使っていたり

ごついカメラバッグに、GITZOの三脚を用意するなど、おしゃれ姉さんなファッションとは裏腹に”ガチ”な装備です。


ここからはまだドラマ第一話では登場していない人物たちの機材に触れていきます。

オープニング映像から使用するカメラ・レンズを推測してみましょう。

 

【音海モア(演 - 村山優香)使用カメラ機材】

カメラ:PENTAX KP

PENTAX KP

彼女が持っているカメラは、おそらく原作通りPENTAX KP

ボディ前面・グリップ横にあるダイヤルがKP固有なので間違い無いでしょう。

約2432万画素のAPS-Cサイズのセンサーを搭載、ミドルクラスのデジタル一眼レフカメラです。

一眼レフとしては小型ですが、金属らしいずっしりとした重みがあります。

最高ISO 819200の高感度耐性・5軸5段のボディ内手ぶれ補正機構を搭載し、充実した機能を有するこちらのカメラ。

なんといっても直線的で、大型の回転ダイヤルを多数搭載したメカメカしいデザインがかっこいいですね。

グリップが交換可能というユニークな仕様もあります。

 

レンズ:HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR

HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR

レンズはおそらくHD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WRでしょう。

原作の解説ページでは、「20~40mmの2倍ズームですが、オイシイところしかなくて使いやすい」といった記載があります。

ゴツゴツした無骨な見た目がこれまたかっこいい。

ズームリングは同社のオールドレンズのデザインを模しているのだとか。

PENTAX KPと同じく防滴構造であり、相性もぴったりです。

 

【毒島リン子(演 - 中村守里)使用カメラ機材】

カメラ:RICOH GR III

RICOH GR III

RICOH GR IIIは究極のスナップシューターと言われている大人気コンパクトデジタルカメラですね。

ポケットに入る大きさながら高画質。

28mm相当の単焦点レンズが搭載されております。

1996年に発売されたコンパクトフィルムカメラ、GR1からGRの歴史は始まりました。

搭載されたGRレンズ28mm F2.8の高い描写力は、多くのプロ写真家やハイアマチュアから高く評価され、多くの著名な写真家が使用を公言している人気シリーズとなりました。

40mm相当のレンズを搭載したRICOH GR IIIxも近年発売されております。

 

【八重樫ナギ(演 - 根矢涼香)使用カメラ機材】

カメラ:Nikon Z 50(原作)

Nikon Z 50

Nikon Z 50は、ハイエンドフルサイズミラーレスカメラ Z 7・Z 6につづいて発売された、APS-Cセンサーのミラーレスカメラです。

小型軽量ながら持ちやすいグリップ、一眼レフのような操作系統で、ニコンらしい堅実な作りです。

これまでのニコンファンからライト層まで楽しめる、おでかけにはピッタリのカメラです。

カメラ:Nikon Z 5 ?(ドラマ版)

Nikon Z 5

オープニング映像を見ると明らかにZ 50より大きいカメラを手にしていました。

レンズもフルサイズ用のようです。

ニコンのフルサイズミラーレスカメラのラインナップは現在Z 9・Z 8・Z 7II・Z 6II、Z 5がありますが

軍幹部のダイヤルの位置的に、これはたぶんNikon Z 5でしょう。

Nikon Z 5は非常に手に取りやすい価格のフルサイズミラーレスカメラで

いわば廉価版のスタンダードモデルですが、舐めてはいけません。素晴らしい画質とパフォーマンスを誇ります。

日常的に使える小型・軽量サイズでフルサイズ入門におすすめの一台。

レンズははっきりとはわかりませんでしたが、「S」の文字が見える気がするので S LineのZ 24-70mm f/4 SかZ 24-120mm f/4 Sのどちらかじゃないでしょうか。

※2023年7月7日追記
公開当初、原作2巻以降を未読だったため1巻のみの情報でこちらを書いてしまいましたが、漫画2巻で親のZ 5を持ちだして使用するシーンがありました。

誠に申し訳ございません。


はっきりと名前が写っていない機材も推測しましたので、もし万が一間違っていてもご容赦ください……。

それにしても、カメラ好きが唸るというか、作者や関係者のカメラ愛が伝わってくる機材のチョイスです。

選ぶカメラによって、どういうキャラなのかもなんとな~く伝わってくるんですよね。

他のカメラやレンズも話が進むにつれて出てくるのでしょうか。楽しみですね。


【ドラマ第一話 視聴感想】

カメラ好きとしては、「あのカメラが出てる!」「三脚なんだろう」といった目線でも非常に楽しめます。

クレジットで見覚えあるカメラメーカー各社のロゴが流れてテンションが上がりました

ストーリーは主人公池田ミトが、カメラを手にしてどう成長していくのかが見どころです。

ドラマ版では、ミトが家族写真にややトラウマがあるような描写があったりして、「写真」ってなんだろう、写真やカメラを楽しむとはどういうことだろうといったテーマにも踏み込む予感がします。

今後は登場人物目線でお気に入りカメラの魅力が語られるでしょうから、その点も非常に楽しみです。

主演の田牧そらさんは、なんとドラマに出てくるカメラのヤマヤさんでフィルムカメラを購入したそうですよ!

また、原作者のしろさんは大変カメラに造形が深く、原作でのカメラ解説も必見です。

カメラ好きの方から、カメラをはじめてみたい方まで、広く楽しめる作品です。ぜひご覧ください。

カメラのナニワ京都店 阿部

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